カテゴリー「自然・科学」の1000件の記事

2023.11.26

日本酒だけで生きることは可能なのか?!

 

 の日本酒好きは有名です。おかげさまで、お土産に各地の銘酒をいただくことが多く、消費しきれないほどです。ここ数年は自分で日本酒を買ったことがありません。感謝。

 皆様にもお伝えしていますが、私の憧れの人物はかの日本画の巨匠横山大観です。彼は後半生、ほとんど日本酒だけで生きていたと言われます。

 食べるのは朝の白米ほんの少しと、あとは納豆や佃煮、きんぴらごぼうだけだったと言います。つまり主食がお酒で、あとはつまみ。

 それでいて、後半生まさにパワーアップしてあの名作(富士山など)を作り続けました。たまの病気の時も日本酒だけは欠かさなかったとのこと。

 私は車を運転することがありますので、普段はさすがに朝からずっと飲むことは難しいのですが、たとえば地方に講演に行く時は、朝から電車で飲み、そして会場につくと皆さんがもう既に「燃料」と称して日本酒を用意してくれていることが多く、つまり話しながら「水」の如くお酒をチビチビ飲むのです(笑)。

 お酒ならなんでも良いかというと、そうではなく、私はとにかく日本酒専門です。ほかのお酒だと酔っ払ったり、気分が悪くなりますが、(良い)日本酒では全然酔わないどころか、ダウンロード速度が上がるのです(横山大観もそうだったのかも)。

 飲酒運転ならぬ飲酒講演しているわけですね。たぶん法律では禁止されていないでしょう。お客様もよくご存知なので、4〜5時間にわたる講演の数回の休み時間には勝手に酒坏を持ってきてくれます。

 というわけで、多分私はお酒はまあまあ強い方だと思います。上の動画で山本先生のおっしゃる遺伝的にアルコールの分解効率が違うこともわかるのですが、ただ体感的には、良い水、良い米、良い酵母で醸されたお酒は、腸内細菌の種類を変え、そして彼らに良きエネルギーを送るようです。

 横山大観が91歳まで生きて名作を作り続けたということは、上記の食事(?)で栄養が十分だったからで、これは現代の栄養学の観点からするとあり得ないことです。しかし、実際は実際の通りだった。

 つまり、多くの草食動物が草しか食べていないのにあれだけ立派な肉や脂肪や骨や何やらになるのと同じく、私たちも腸内細菌、あるいは皮膚上の常在菌の「おかげさま」に依存して生きることができるということでしょう。

 全て自分で完結しようとすれば、たしかに1日3食30品目とか食べなければならない。しかし、それは閉じた宇宙としての話です。私たちはもっと開かれているべきでしょう。

 てな、もっとらしきことを言って、私の(良い)日本酒好きを肯定しているのでありました(笑)。

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2023.11.16

富士山ラドン濃度急上昇と新島・神津島近海地震

Th_20231116032130xlarge_20231117090201 しぶりに地震関係の記事を書きましょう。

 私のX(ツイッター)のフォロワー数がやけに多いのは、私が人気者なのではなくて、富士山のラドン濃度を毎日発信しているからです。つまり富士山か人気者なのです(当たり前)。

 で、今年はずっとその数値が安定しており、極端に高い数値を示すこともありませんでしたし、急激な変化というのもあまりありませんでした。

 ところが昨日、朝22(B/m3)だったのが夜には一時30まで上昇しました。半日で8上昇するというのは異例なことです。

 というのは、私が使っている装置が示す数値は過去1週間の平均値なので、単純に考えて15日は78くらいまで上昇しないと平均30になりません。

 16日には再び26に戻りましたので、実際は78まで上がったとは考えられませんが、急上昇してのちに急降下したのは間違いありません。

 いったい何が起きているのかと思いましたが、翌日である今日未明から昼にかけて、新島・神津島近海で5回の小規模な群発地震がありました。

 群発するのは今年5月以来です。あの時は短期間に60回ほど地震が発生しました。

 その後、10月はじめの鳥島近海の群発地震と謎の津波、10月末から今月にかけての硫黄島近海の海底火山噴火と新島形成、そして今回と、少なくとも富士火山帯(新潟からマリアナ諸島まで続く巨大な火山帯)の一部が活発だということは確かでしょう。

 今回の富士山ラドン濃度の反応も、おそらくそうした「脈」の上でのことでしょう。

 逆に言うと、それが直接南海トラフ巨大地震につながるということではありません。もちろん、トリガーの一つにはなり得ますが。逆に、南海、東南海、東海地震が富士山噴火のトリガーになることは歴史的にも事実です。

 いずれにせよ、人知を超えた自然の営みに私たちは翻弄されているわけで、せいぜい「丹田」たる富士山のご機嫌うかがいをするくらいしかできません。私はそれを12年ほど毎日やっているということです。 

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2023.11.08

寝る子は育つ・寝ない大人は横に育つ(柳沢正史先生「睡眠」を語る)

Th_-20231109-95227 眠に関してはかなり自信があります。毎日だいたい8時間半寝ています。

 私にとって睡眠は、高次元の情報(未来の情報?)に触れる貴重な機会でして、かつて憧れた「睡眠学習」を実現する時間となっています。そう、かつて騙された「睡眠学習」は過去の情報の定着たる記憶のためのものだったので、そりゃあ無理ですよね。

 しかし、睡眠が「未来を思い出す」時間と捉えると非常に価値のあるものになります。

 今はだいたい夜10時に寝て朝6時半頃起きる。若い頃は時間がもったいないような気がして夜中の1時くらいまで起きて、本を読んだり、映画を観たりしていましたが、今思うと逆に無駄な時間を過ごしていましたね。

 ただ、昨日も今日も素晴らしい方々と夜の飲み会がありましたので、睡眠を妨げるアルコールの摂取量は多く、だからでしょうか、昨日も今日も1時間ほど死んだように昼寝しました(苦笑)。

 日本人が慢性的な睡眠不足に陥っているということ、現代の社会システムが「朝型」に有利に設計されていること、だいいち寝ることに罪悪感を覚えること自体が、日本の生産性というか、未来的創造力を殺している。これはたしかに事実でしょう。

 江戸時代の睡眠は、基本お天道様に従っていました。よって、冬はかなり長く寝ていたようです。ふとんにくるまっている時間が長い方が、エネルギー効率的にも優れていますし。

 農家はもちろん、ほかの職業でも夏はかきいれ時。4時には明るくなっていますから、皆さん早起きです。そして朝飯前にひと仕事。逆に日中は暑いので昼寝。結果として8時間半以上の睡眠は確保していたわけです。

 柳沢先生がおっしゃっているように、4日ほど寝たいだけ寝てみることがまず基本でしょう。そして、いったい自分が何時間程度の睡眠を要求しているのかを知ることです。私は8時間半。

 結局豊かな仕事をし、豊かで健康な人生を送るには、寝る時間を増やすことです。寝る子は育つ。寝ない大人は横に育つ。

 

 

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2023.11.07

松葉ジュースを作る

Th_img_3762 夜から今朝にかけて大変な嵐で、周辺のせっかく紅葉した木々の葉っぱの多くが吹っ飛んでしまいました。

 我が家の前の道はこういう時、川になり、上流からの漂流物が溜まります。その中にたくさんの赤松の枝がありましたので、これ幸いと拾い集めました。

 昨日の記事に書いたように、我が家の周辺は富士山麓の各種松の原生林なのですが、それらの松はそれなりの樹齢があり、すなわち皆20メートル以上の樹高を誇っています。

 そうしますと、無限にあっていくらでも手に入りそうな松葉が、実は容易には入手できないのです。そう、松葉は太陽の光を受けるところにしか生えないからです。つまり、とても手が届く位置に葉っぱがないのです。はしごをかけて取るというようなレベルではない。

 では、どのように松葉を採取するかといえば、まずは幼木を見つけるという方法があります。松ぼっくりが落ちて、運良く芽生えた幼木を見つけてそこから葉っぱを拝借する。

 しかし、これほど原生林が広がっていても、なかなかそうした幼木は見つけられないのです。おそらくはもうすでに数百年を経過して森が完成しており、なかなか地表には日光が届かない、あるいは適度な密集度で安定しているので、その間隙に新しい木が生長することは難しいということでしょう。

 そこで、貴重な採取の機会となるのが、こうした嵐のあとです。強風により、枝が折れてそれが落下する。そして雨水に流されて我が家に漂着する。これは縄文人にとっては(?)まさに天恵であります。労せずして手に入るわけですからね。

 それが今朝であったわけです。おかげさまで消費しきれないほどの量の松葉を手に入れることができました。

Th_img_3772 そして、さっそくその一部をミキサーにかけ、松葉ジュースを作りました。そのままストレートで飲んでもけっこういけるのですが、今回はそこに常飲しているリンゴ酢を加えまして飲みやすくしてみました。

 しばらくは大好きなコーヒーをやめて、こちらを飲んでみたいと思います。体調や精神の変化があるかどうか。最近ちょっと疲れ気味なので。

 なお、松葉ジュースの作り方などは、昨日紹介した本に詳細に書かれてますし、ネットでもたくさんの記事や動画が見つかります。皆さんもどうぞ。最強のアンチエイジングですよ。

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2023.11.06

『松葉健康法』 高嶋雄三郎

Th_81uol1vob2l_sl1500_ 日の鎌倉松のイベントで、主催者さまからいただき読んでみました。名著の復刻版。

 なるほど、「松の世」「松寿」「松竹梅」などと昔から言われてきたわけ、そして出口王仁三郎が松に格別こだわった意味がよくわかりました。

 たしかに、明治時代以降、西洋の医学一辺倒になり、こうして「民間療法」は卑下され忌避されてきましたが、近年西洋医学の限界や弊害が見えてきた中、松の復権の時が来ているとも言えます。

 これは、ある意味では幽閉された正神「艮の金神」の復活の雛型でもありましょう。

 「梅で開いて松で治める」。明治時代末期に梅は開き、そしてそののち「竹=武力」の時代となり、そしてようやく松の世が到来せんとしている。

 そういう意味でも、松に再注目し、松のお陰様をいただくことは、とても大切なことだなと感じました。

 実際、いただいてきた、松のお香やタバコをくゆらしますと、空間が浄化され、また心身が浄化される気がします。

 考えてみると、我が家の周辺は全国でも珍しく各種松の原生林が広がっているわけでして、今までその恩恵にあずかってこなかったのは不覚でありました。

 そして、若い頃、「松寿庵」というお寺(現在廃寺)に住んでいたことも、ここにつながるのかと気づいた次第です。

 松の世招来のために、松に囲まれて住む者として、やれることをやっていきたいと思っております。ご縁に大感謝です。

Amazon 松葉健康法

 

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2023.11.02

The Beatles 『Now and Then』

Th_-20231105-121340 しく更新が遅くなりましたが、この日の夜はもう涙涙の大感動でした。世界中そうだったことでしょう。

 ビートルズの最後の新曲「Now and Then」がリリースされました。

 もういろいろ書きたいけれど、いろいろ書くのも馬鹿らしいほど感動しました。まさかこの歳になって、ビートルズのこれほど鮮明かつ鮮烈な新曲を聴くことになろうとは。

 テクノロジーの進歩というのは本当にすごい。AIの力はすごい。まさに人間がしっかり彼らを使えれば、全く新しい世界が創造できるということですね。

 ジョンが残したブリッジの部分、ある意味とても彼らしい「不思議な展開」は省略されていますが、それで良かったと思いました。おそらくかつての名曲たちも、こうやって他者の意見によって切り貼りされているのでしょうし、それこそが「ビートルズ」であり、彼らのポピュラリティの源泉です。

 結果として、とてもクラシカルな作品になりましたね。だからこそ何度聴いても良い。本当に素晴らしい「最後の新曲」でした。

 MVもまた泣けるじゃないですか(この日はまだ見れなかったけれど)。これまたテクノロジーのおかげです。

 

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2023.11.01

出口王仁三郎 「松と土と水」

Th_th_img_3696 日は鎌倉でセミナー。懇親会まで含めると12時間(!)しゃべり倒しました。さすがに声が枯れたかも(笑)。

 今回は「松」を愛する方々が主催でした。素晴らしい皆さんに囲まれ、またちょうど先日亀岡の天恩郷と綾部の梅松苑にも行ったばかりでしたし、最高の時間を共有することができました。

 耀わんでいただく松葉茶と松葉ジュースも松葉酒もとても美味しかった!

 大本では「松」を重視してきました。「梅で開いて松で治める」という教えはもちろん、みろくの世のことを「松の世」とも呼んでいます。

 王仁三郎もいろいろなところで松の重要性を語っています。たとえば「水鏡」には次のような記述があります。

 

 大概たいがい病気びやうきは、まつつちみづさへあつたらなほるものである、風邪ふうじや其他そのたねつのある場合ばあひには、雌松めまつせんじてのむとぢきにねつく、神様かみさまにおそなへしたものならば一層いつそう結構けつこうである。つちきずをした場合ばあひにぬりつけるとよい、切瘡きりきず火傷やけど打身うちみ腫物はれものなどなんにでもよい、またみづ万病まんびやうくすりであつて、諸薬しよやくみづしたものはないのである。ねつのある場合ばあひ病人びやうにんしがれば井戸ゐどたてみづをどんどんましてやつたらよい、水道すいだうみづはくたぶれてる、井戸水ゐどみづ生気せいき溌溂はつらつとしてるから井戸水ゐどみづかぎる。わたしかつてひどい熱病ねつびやう患者くわんじやにどんどんみづましてなほしてやつたことがある、医師いし一寸ちよつとみづましていけないとつてたが、そんなことはない、みづくらゐくすりになるものはいのである。

 

 今回はまさに松と土と水のイベントでしたね。松葉タバコもとてもおいしかった。

 松の世招来のためには、まず「松」の復活が必要かもしれませんね。

 かつて日本の山々は松だらけでした。山だけでなく海もですね。江戸時代に燃料として伐採されすぎてはげ山になってしまったことは、江戸の浮世絵を見るとわかります。

 戦後そこに杉を植林して、現在のような山の姿になったわけで、花粉症の原因になっただけでなく、栄養価の高い松の実などがなくなって、昨今の熊出没のような事態も招いたと言えましょう。

 考えてみれば、我が家の周囲は赤松(雌松)がたくさん。私もさっそく松葉茶や松葉ジュースを作ってみようと思います。

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2023.10.29

芸術は宗教の母なり(虹と紅葉と)

Th_img_3662 日はめちゃくちゃ濃い一日でした。奈良から京都亀岡へ。波動の合う仲間との魂の旅ですね。

 そして今日は亀岡から綾部へ。

 実に不思議な天候の一日で、朝から夕刻までとにかく虹が出まくる日でした。その色彩や起点の鮮明さは今まで見たことがないレベルで、これはまさに神の芸術、何かのお示しではないかと思った次第です。

 また綾部に至っての紅葉の美しさたるや。まだまだ走りとはいえ、だからこそ緑とのコントラストが素晴らしく思わずため息をついてしまいました。

 これまた自然の、神の芸術ですね。これを美しいと感じるように進化した人間の尊さをも再確認いたしました。

 「芸術は宗教の母なり」…出口王仁三郎の名言が心にしみます。

 ここで言う「芸術」とは、神の芸術すなわち自然の圧倒的な美しさ、プロポーションのことを指すのでしょう。宗教には教義という思考、そして経典という言語、そして教祖という権威が必要ですが、自然の芸術にはそんなものはいりません。

Th_img_3684 私たちには自然の美を感受し、それと共鳴できる素質が与えられているのです。大切なのは、それが私たちだけにそれが許された意味を知ることでしょう。

 それに限らず、私たちどうしても与えられたものを当たり前と思い、感謝も努力もせずに日々を過ごしてしまいます。

 本来の宗教心というのは、まさにその天賦に心を致すことを言うに違いありません。そして、それが心を致さなくても、つまり無意識にでもできるようになる日が来れば、たしかに王仁三郎が言うように宗教は必要なくなるのでしょう。

 そんなことを、心休まる仲間たちと心清らかに祈り、またおいしいお料理、お酒をいただきながら痛感させていただいた一日でありました。感謝。

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2023.10.25

廣松渉の「世界の共同主観的存在構造」

Th_81ivqeuh6tl_ac_uf10001000_ql80_ 日はお昼は練馬にて仲小路彰に縁の深い先輩方とミーティング。いよいよ本気で頑張らねば。

 夜は赤坂にて講演。昼間からの流れということもあって仲小路彰や出口王仁三郎についていろいろと語らせていただきました。いつものように何も用意せずの講演でしたが、自分でも感心するくらい(笑)勉強になりました。

 経営者の方々が多かったのですが、皆さん感じるところがあったようです。王仁三郎と仲小路に感謝です。

 さて、移動中に見たのがこの動画。廣松渉さんの哲学です。廣松渉さんには、ワタクシの「モノ・コト論」構築にあたり、いろいろ示唆を与えていただきました。特に若い頃、「もの・こと・ことば」には多大な影響を受けました。

 

 

 東大の哲学ですので、仲小路彰の系列でもありますね。カント的な世界観を凌駕していこうとする点でも共通点はあります。というか、近現代の哲学者は皆それですよね。

 廣松さんというと左翼というイメージを持つ方が多いと思いますが、彼は仲小路と同様、そこを通過してその限界を知り、第3の立場を構築しようと奮闘した人だと私は思っています。

 「世界の共同主観的存在構造」というのは、先日紹介した出口さんの「われわれとしての自己」にもつながるような気がします。

 今日皆さんにお話した「雛型」「世界を自分ごととしてとらえる」という私の作法(理論ではない)も、そうした自己脱却的、自他不二的な境地を目指したものです。

 それができるようになることこそが、「大峠を越える」ことであると信じています。

 あまり読書をしない、すなわち先人の知恵に学ばないワタクシでありますが、こうして難解な本をわかりやすく解説してくれる動画には心から感謝します。

Amazon 世界の共同主観的存在構造

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2023.10.24

ストラディヴァリの音の秘密が遂に判明!?

Th_cover_news146 ァイオリンのことをあまり知らない人でもストラディヴァリの名前はなんとなく知っていることでしょう。

 最近では前澤友作さんが銘器HAMMA(1717)を2018年に12億円7千万円で購入し、それを今年12歳の天才少女HIMARIさんに貸したことがニュースになりましたね。

 いや、実際いい音してますよ(YouTubeでもわかる)。というかHIMARIさんの音楽性がすごい!(テクニックがすごいのは言うまでもない)

 アンコールのバッハには正直「やられた」。すごい。

 まあ私たちピリオド楽器奏者にとっては、あのへんの銘器はみんな「バロック・ヴァイオリン」なんだけどなあ…と思うわけですが。つまり改造されてしまっているのです。

 それでも箱が異様によく鳴る(弱音でも)というか、音が豊かかつ遠くに飛ぶ(弱音でも)というのは事実であり、なかなか現代の製作者が近づけない世界なのです。

 それがなぜなのか、木材が違うのでは(当時は太陽の活動が不活発だった)とか、ニスに秘密があるのではとか、経年変化のおかげとか、まあいろいろ言われてきました。

 そして2021年、台湾の研究者たちによって非常に興味深い調査結果が発表されました。それをわかりやすく説明してくれてるのが、以下の動画です。

前編

後編

続編1

 なるほど、面白い!

 アルミニウムか…。これが意識的な加工なのか、はたまた偶然の産物なのかはわかりませんが、たしかに世界中の木製楽器製作の知恵はいろいろあるでしょうし、元々ヴァイオリン族も中央アジアあたりが起源であることを考えれば、まだまだ調査研究しなければならないものが世界にはたくさんありますね。

 ヨーロッパの文明が案外、アジアに影響を受け、アジアの知恵を輸入活用しているのは、他の分野にも見られる傾向ですから。

 週末に奈良の国立博物館の正倉院展に行ってきます。そこにも何かヒントがあるのではと密かに思っているのでした。

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