カテゴリー「自然・科学」の1000件の記事

2024.08.11

『大鹿村騒動記』 阪本順治 監督作品

814kmvppbfl_ac_sy606_ 日は八ヶ岳山麓から杖突峠を越えて伊那谷へ。

 一昨日と昨日のセミナーの参加者のご縁があって何か所かを訪ねました。伊那谷と言えば、私にとっては後南朝の伝説の宝庫ですが、今回のご縁で春以降に合宿をやることになりそうな村が大鹿村です。

 今日は帰宅後、その大鹿村を舞台として映画を一本観ました。これがなかなかの名作でしたよ。

 敬愛する俳優、原田芳雄さんの遺作となった作品です。原田さんはじめ、錚々たる俳優陣が出演しています。特に三國連太郎さんと佐藤浩市さんの親子共演や、原田さんと縁の深い大楠道代さん、岸田一徳さん、石橋蓮司さんらの演技は見もの。

 大鹿村の自然も美しい。そして何よりこの作品の主役でもある「地歌舞伎」が良い!最近、ちょっと地歌舞伎に興味がありまして。

 ここ富士山北麓ですと吉田歌舞伎がなんとか残存しております。そう、地元鳴沢村にもかつては地歌舞伎があったのですが、今は伝わっていません。しかし、大田和の八幡神社には、実に立派な奈落操作式の回り舞台が残っているのです。あれ、吉田歌舞伎で使えないかなあといつも思っているのですが。

 さて、そんな大鹿歌舞伎を舞台として、実に面白く軽妙な人情劇が展開されております。くすっと笑える喜劇。大好きな荒井晴彦さんの脚本。

 これって日本の伝統であり、それこそ地歌舞伎にもつながりますよね。地歌舞伎ならではの、下ネタというか下世話な笑いも、この作品に登場して良い味を出していますよ。

 最後のオチも実に地方的というか痴呆的というか(笑)。重厚な演技が多かった原田芳雄さんが、最後こういう作品に出会って旅立たれたのは、きっと偶然ではないのでしょうね。

 来年の大鹿合宿が楽しみになってきました!

 ちなみにリニアの工事完成は数年先送りになりましたよ〜!、頼朝の家来の皆さん(笑)。

 

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2024.08.10

富士山と八ヶ岳のケンカ

Image45 杜市でセミナーでした。八ヶ岳山麓の皆さんは、富士山麓とは違う雰囲気を持っていますね。地元民もですが移住者も違う。対照的とも言えるかも。

 そこで思い出すのが、有名な「富士山と八ヶ岳のケンカ」の話ですね。ケンカの原因は「どちらが高いか」です。

 女神の富士山と男神の八ヶ岳の激しいケンカ(噴火)を見て、阿弥陀様が勝敗を決するために両山に樋をかけて水を流してみることにしました。そして、結果は八ヶ岳の勝ち。

 これは地学的にも正しいものです。今から10万年くらい前までは、実際に八ヶ岳の方が高かったと考えられます。つまり八ヶ岳(古阿弥陀岳)は崩れていなかったし、富士山は小御岳や古富士の段階ですからね。

 その結果に憤慨した女神富士山は、かけてあった樋を振り上げて、男神八ヶ岳の頭をしこたま殴りつけました(笑)。それで山頂が崩壊して「八ヶ岳」になってしまったと。もちろん背は低くなってしまって、今のように富士山の方が高くなったということです。けっこう怖い話ですね(汗)。

 とは言え、数万年前の記憶が伝説になっているとは考えにくいので、もう少しリアルに考えると、平安時代の記憶がそこに反映しているのではないかと推察されます。

 すなわち、私が時々書いている、9〜10世紀の日本の大活動期の記憶です。復習してみましょう。

 864年貞観の富士山噴火→869年貞観の三陸沖地震(津波)→887年仁和の東海・東南海・南海連動型地震→888年八ヶ岳水蒸気爆発?&山体崩壊→915年十和田大噴火(日本史上最大規模)

 ここにあるように、富士山の噴火から始まって三陸沖大地震、そして南海トラフ巨大地震、おそらくその影響で八ヶ岳が山体崩壊しているのです。

 貞観の富士山噴火は3年ほど続いたと思われますし、その後も噴煙は上がっていた可能性が高い。そんな中、巨大地震が連発して、八ヶ岳が崩壊したわけですから、当然当時の人たちは富士山が怒って八ヶ岳が崩れたという感覚だったことでしょう。

 それがこの伝説に反映していると考えられるわけです。

 それにしても、何度も確認しますが、この50年間はすごいですね。ちなみに893年と917年には、お隣北朝鮮の白頭山も破局的噴火を起こしております。

 まだ3.11から13年です。富士山の噴火も南海トラフ巨大地震も、まあこれからであることは確かですね。新しい伝説が生まれるのでしょうか。 

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2024.08.09

模擬原爆パンプキン

20240813-144402 日は甲府でセミナーでした。セミナーの中でも少し話しましたが、今日は長崎原爆忌ですね。

 原爆で亡くなった方々の御霊を引き継ぐのはもちろんですが、忘れてはならないのが、模擬原爆パンプキンによる犠牲者のことです。

 アメリカはせっかく作った原爆の投下に失敗しないよう、同型の模擬爆弾を全国各地に投下して訓練と調査を行いました。長崎に落ちたファットマンの模擬爆弾がパンプキンです(命名が軽くて怒りを覚えますね)。

 全部で52発が投下され、約400人の方が犠牲になっています。

 アメリカはその実体が残らないよう確実に爆破しています。実際の原爆投下の前なのですから、当然と言えば当然のこと。ただ、当時の日本人は、どうも新型爆弾らしいということは感じていたらしい。あまりにも巨大な穴が空いたからです。しかし、それがその数万倍もの破壊力を持つ原子爆弾の模擬爆弾だとは思わなかったことでしょう。

 いくら戦争中とはいえ、このように人命を軽んじ、一般市民をいとも簡単に犠牲にするというのは、やはり許せない暴挙と言えましょう。とはいえ、アメリカだけを責めるつもりはありません。日本側にもそのようなことはいくらでもありましたからね。

 しかし、さすがに原爆の投下はひどすぎる。人の想像力は、その対象のスケールが大きくなるほどに麻痺してしまうのでしょうか。人間の知覚と感情システムの限界。これを超えることが人類の課題ですね。

 

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2024.08.08

日向灘M7.1発生〜南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)

 日は富士山麓で大切な友人の結婚式でした。今後の地球の愛の雛型になるであろう素敵で画期的な結婚式に、心から感動し、祝福の気持ちに溢れました。おめでとうございます。

 さて、その二次会の最中に宮崎県沖日向灘で大きな地震があったとの一報が届きました。

 そしてその後、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表されました。

 日向灘は南海トラフ地震の想定震源域の最西端に当たります。そこでのM7以上の地震は下のように20世紀以降6回発生しています。

Img_7035

 1968年にはM7.5も発生していますが、そのあとに南海トラフ地震は発生しませんでした。1946年に昭和南海地震が発生していますので、もし関連があるとすれば、1941年の日向灘M7.2の方が前震的な存在なのかもしれません。

 そうだとすると、日向灘のあと5年後に南海地震が発生しているわけで、今回発表された「巨大地震注意」が1週間を警戒期間とするというのには、全くとは言わないものの、ほとんど意味がないと感じます。

 おそらくは東日本大震災の時の反省というか、痛い目によって、ある種の責任回避の手段としての制度であり発表なのではないでしょうか。

 そう、あの時、私が書いたこちらの記事を読んでみてください。

 3.9と3.11の間に何が起きたか。

 専門家はかなり厳しい批判を浴びました。そしてその教訓が熊本地震でも活かされませんでした。

 こちらの記事も読んでみてください。ここに「日向灘M7.1」の文字が出てきます。

 熊本でM7.3

 そうなんです。私としては、「明治熊本地震の10年後日向灘M7.1、20年後宮崎県西部M7.6」の方が、南海トラフ巨大地震よりも気になる流れなのです。今回、2016年の熊本地震の8年後に再び日向灘M7.1が発生したのですから。ある意味、私の予知が当たったとも言えるのかも…。

 地球的な時空のスパンは、人間の常識的なそれとは全く違うことを思い出さねばなりません。

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2024.08.04

北海道はでっかいどー

Img_6881 まりに言い古された感はありますが、実際に体験するとたしかについ発したくなるパッセージですね。

 もちろん距離的なでっかさも実感しました。しかしこの日は温度的なでっかさに驚きました。

 前日の旭川は最高気温33℃でした。そして、この日の稚内の最高気温は15℃。私が到着した昼過ぎは、天気くもり、気温14℃。風が強く、体感温度は10℃。

 セミナー会場では、なんと暖房が稼働中。たしかに14℃となると、静岡の真冬の最高気温みたいなものです。

 旭川から稚内まで約250km。たしかに遠いけれど、ここまで気温が違うとは。冷房から暖房へ。体よりも頭がバグりました(笑)。

 もちろん特急宗谷で移動しましたよ。今回は北海道フリーパスをフル活用して特急に乗りまくっております。乗り鉄としては楽しい移動時間。

Img_6884 北海道らしさを感じたのは、途中「野生動物」と衝突して15分ほど停車した時ですね。鹿だったようです。地元の人によると場合によっては1時間以上止まってしまうこともあるとのことで、今回は不幸中の幸い。まあ鹿ちゃんは可哀想でしたが。

 鹿と言えば、セミナー会場の外にもふつうに鹿ちゃんたちが散歩してました。富士山麓の鹿たちと比べると、ずっと人に慣れてますね。

 このポスター、なかなかシュールですよね(笑)。最初なんだかわからなかった。そうか、カーリングか。

 

 

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2024.07.30

十和田湖奥の院御室(龍穴)

 7月30日、31日は十和田湖にて合宿でした。

 もう本当にいろいろ書くべきことがあるのですが、いやありすぎて書ききれません。とにかく奇跡が連続しまして。

 合宿に入る前にまず、御室(龍穴)に連れて行っていただきました。

 十和田湖と巨大火山十和田、そして出口王仁三郎とのことについてはこちらに書きました。

 巨大火山「十和田」

 ウチの耀わん十和田が十和田湖を訪れると、まあいろいろなことが起きるんですよ。ここにはちょっと書けないようなことも含めて。歴史を動かしてしまうようなことまで(合宿ではお話しました)。

 ということで、とりあえず、その御室での現場の写真をご覧ください。なにかを感じるのではないでしょうか。

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2024.07.25

仙山線の夏

 

 日から仙台で東北6県と新潟の先生方の研修。明日は生徒指導部で講演させていただきます。

 昨夜は山形駅近くに泊まりましたので、山形から仙台まで仙山線で移動しました。乗りたかったんだよなあ、仙山線。ようやく夢が叶いました。

 山形から仙台はバスを利用する人も多いのですが、やはりここは由緒ある鉄道に乗らねば。そう、日本初の交流電化の路線であり、また奥羽山脈を越える絶景もあり、そして標準軌と狭軌が混在する区間もあったりして、とにかく「面白い」のです。ちなみに最高標高地点は「面白山高原」駅付近。450メートルくらいでした。

 当然先頭車両に乗り、前面展望を楽しみましたよ。雨が降っていたのですが、雲や霧の感じが絶妙に美しく、最高の展望でした。

 夏ということで、まあ山が深いこと深いこと。車体に葉っぱが接触することが何度もありました。本当に森をかき分けて進んでいる感じ。時々眼下に見える渓谷が美しい。

 これ、たしかに紅葉の季節はたまらないでしょうね。いや美しさもですが、落葉によって車輪が空転することもあるでしょう。

 今日もなんだかんだ6分ほど遅れました。雪、落石、倒木、鹿、熊、猪、そして人など、とにかく走行を妨害するモノがたくさん。上のビデオにも人が映り込んでいます(笑)。

 春も冬もきれいでしょうね。これは何度も乗りたくなる路線ですわ。

 で、反対方向の前面展望はどんなだろうと想像していたのですが、この動画がちょうど7月の仙台〜山形間の景色でしたのでざっと見てみました。こちら側も楽しいですね!

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2024.07.21

まなびの杜(富士河口湖町)

Img_6580 士河口湖町にある「まなびの杜」にてイベントに参加しました。

 尊敬する木工作家吉野崇裕さんが展開している「森と木から学ぶ」事業の中心基地「まなびの杜」。4000坪の山林を買い取り、築100年近い古民家を埼玉から移築して始めたこの取り組み、日本のみならず世界中の多くの人たちから賛同を得て、着実に「まなび」を受容、発信しています。

 なにより吉野さんの哲学が素晴らしい。御本人も自分の意思というより、なにものかに動かされているとおっしゃっていましたが、たしかにこれは「神仕事」ですね。

 今日はそのまなびの杜のツアーとコンサート、そしておいしいケーキと飲み物を同時に楽しめるという贅沢な企画でした。

 コンサートは友人もあり不思議なご縁でつながっている伊藤愛子さんのピアノ演奏。久しぶりにモダン・ピアノのコンサートを聴きましたが、とにかく古民家自体がよく鳴っていてびっくりしました。

 小型のグランドピアノでしたが、建物が一つのグランドな共鳴体となっていて、ああなるほど楽器とはまさに空間との融合体なのだなと思いました。

 バッハからドビュッシーまで、選曲も演奏も実に私好みであり、また山や森や月も含めた空間の素晴らしさも相まって、本当に久しぶりに音楽で小旅行を楽しめたひとときとなりました。

Img_6574 ツアーでは世界一と言って良い椅子のコレクションである「椅子の学び舎」も吉野さんの解説つきで見学。いやあ、実に面白かった!椅子という古典的な家具、道具が、材質の発明と進化を経て、人間の創造力や想像力をかきたて、そして生活を変えてきたことを実感できました。これぞ「デザイン」ですよね。

 仲小路彰の弟子の一人であった建築家の坂倉準三の作品もありました。そして坂倉さんの師匠であるコルビュジエの名作も!

 建築家がこぞって椅子に挑戦するのも面白い現象ですよね。

 またゆっくり訪問して、いろいろ学びたいと思っています。よろしかったら皆様もご一緒にぜひ。

 詳細はHPをご覧ください。

 まなびの杜 公式

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2024.07.08

都知事選に思う

K10014499051_2407031744_0707192257_01_02 の日は山梨に戻って学校の仕事でした。全国旅する中で、こういうアンカーがあるのは悪いことではありませんね。久しぶりに家にも帰ることになりますし。

 さて、7日は都知事選七夕選挙があり、やはり現職が強く小池百合子さんが再選されました。蓮舫さんはまさかの3位。2位じゃだめなんですかはこれへの伏線だったとは(笑)。

 ずいぶん前からほとんどエンタメイベントとなってしまった東京都知事選挙。今回も泡沫候補がわんさか。加えてポスター問題などもあり、今回もある意味盛り上がりました。

 よく言われるように、こうしたある種の自由な民主主義が実現していることは健全なのかもしれない。いや、やはり民主主義は自然と劣化していくものなのか。

 まあ、いろいろ言われる小池さんではありますが、私としては仲小路彰の薫陶を受けた小池勇二郎の娘ということで、結局それなりなのではないかとも思うのです。

 勇二郎が石油関係で中東で商売をし、娘がカイロ大学に行ったのも、仲小路彰の影響が大きい。今のところ、仲小路邸で小池勇二郎関係の資料は発見していませんが、絶対にありますよ。

 ところで、蓮舫さんが住民投票をと叫んでいた神宮外苑再開発問題ですが、私が言うまでもなく、神宮外苑自体が近代の都市開発の産物であって、全く「自然」ではないこと、また再開発後の樹木の数の方が増えることなどを冷静に考えれば、いかにも反対のための物語に過ぎないことはたしかです。

 エモーショナルな思考や言動に意味がないとは言えませんが、私がセミナーでよく語っているように、二元論的な自然✕人工観は神様も嫌う人間の癖ですから気をつけましょう。

 それよりも、再開発が神宮の持つ近代の負の論理よりも、天海が目指した江戸・東京のデザインに近いが問われると思います。

 ちなみに新宿・渋谷の再開発は仲小路彰の思想を弟子の坂倉準三のデザインを踏襲するものであり、それはすなわち天海のグランドデザインに則ったものであるということです。ご安心ください。

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2024.07.07

静岡市で40℃!

20240707-172408 倉駅から13時すぎに静岡駅に帰ってきたら、まあ大変なことになっておりました。

 暑いなんてもんじゃない。正直熱い!!

 え〜!?40℃!?

 静岡の史上最高気温ではないでしょうか。

 いつもは静岡駅から実家まで30分くらいかけて歩くのですが、さすがに今日はタクシーに乗ってしまいましたよ。

 乗ったタクシーが50万キロ走っているという旧車で、なおかつ真っ黒なボディということで、運転手さんも「暑くてスミマセン」と言ってましたが、まあそれでも外に比べれば全然涼しい。

 さらに実家についたら、なぜか鍵が見当たらず、しばらく外にいるはめに。正直ヤバいと思いました。逝っちゃうかも…。

 いやあ、7月のはじめでこの気温はヤバいですね。いちおう梅雨の最中ですから湿度も高い。気圧配置の関係でフェーン現象も起きたのでしょうね。

 とんだ七夕です。都知事選も混沌。フランスの選挙も混沌。世界の動きも熱いですね。

 そして、夜、山梨に帰ってきたら、なんと19℃! 20℃以上も下がった。富士山の表と裏で別世界。夏に関しては地獄と天国です(笑)。

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