カテゴリー「美術」の282件の記事

2025.05.22

榮山寺のカオスとコスモス

Img_0366 良合宿最終日も面白かったなあ。

 特に榮山寺は興味深かった。複数の国宝が漫然とある(放置されている)のは、ある意味憂うべきことかもしれませんが、またある意味では自然なのかもしれないとも思いました。

 特に八角堂の存在感は素晴らしかった。法隆寺の夢殿と並ぶ奈良時代の貴重な八角円堂です。こちらの方が素朴ではありますが、より私たちに近い次元での祈り、いや瞑想を感じました。

 私はこうした八角形の堂宇は、「八紘為宇」の表現であると考えています。そう、この屋根の軒が「八紘」とつながり、まさに「宇(堂宇)」と為っているわけです。

 八紘を宇と為す…世界(宇宙)を家とする…まさに王仁三郎が望んだ「みろくの世」であり、仲小路彰が目指した本物の「グローバリズム」「コスミカリズム」であります。

 ちなみに、ここは後村上天皇・長慶天皇・後亀山天皇の行在所が置かれた場所とも言われています。

 そして、そこでかつて奉納国宝プロレスが行われています。崔領二率いるランズエンドによる興行、いや奉納。

 こちらの記事をぜひお読みください。素晴らしいと思います。

 一見、こうしたカオスが、グルっと回ってコスモスとなっている。これは貴重な雛型であると感じましたね。

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2025.05.20

『超国宝』展 (奈良国立博物館)

 良へ。前日学校の仕事を終えてすぐに東京へ移動。そして翌朝、二泊三日の奈良合宿へ。この合宿もまたとんでもなく濃かった!

 魂の友人たちと、日本画家であり五条市立文化博物館の館長でもある、杉本洋先生に先達をお願いしてのスペシャルな合宿。

 考えてみれば杉本先生、私の記念すべき第一回富士山合宿に参加してくださったんだよなあ。まだ今のようなセミナー人生が始まる前でした。不思議なご縁です。

Img_0225 さて、一日目のメインは、奈良国立博物館で開催されている「超国宝展」の観覧。

 ここでの先達は、奈良国立博物館の三田研究員。三田さんとのご縁こそヤバいです(笑)。ここには書ききれません。知る人ぞ知る運命的な出会い。

 このとんでもない超国宝級の超国宝展を企画実現した超本人(?)さんに解説してもらえるなんて!なんという僥倖。

 いやあ、すごかったなあ。「みろくの世」。すごすぎた。いろいろ答え合わせできましたよ。

Unnamed_20250618090001 最後に真っ白な空感に鎮座された中宮寺如意輪観音さま(菩薩半跏像・弥勒菩薩)。少年時代から最も好きな仏像です。

 こちら、私は聖徳太子のお母様がモデルと思っていたのですが、なんと聖徳太子ご本人ではないかとのこと。なんということでしょう。

 超満腹な観覧のあと、一行は五條市へ。私たちは深夜まで語り合ったのでした。みろくの世は近い!

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2025.05.01

能『杜若』

Img_9938 岡二日目。大本のギャラリーを訪問し、ゆっくりお作品を鑑賞。母と伊都能売観音さまを引き合わせることができました。

 と思ったら、なんとギャラリーに知り合いが数人!それも最近お会いした人たち。

 最近そういうことが多いのですが、なんの示し合わせもなく、いろいろなところで知人とばったり会うのです。全国で。

 さて、時節柄、万祥池のカキツバタが満開でした。美しい。

 大本さんと言えば、万祥殿にある立派な能舞台も有名です。能をやってきた次女もその素晴らしさに感動しておりました。

 芸術を宗教の母とする大本さんでは、能も大変重要な修行の一つです。ちょうど二日後に「大本みろく能」が行われるところでした。

 能も流派がいくつかありますが、大本さんではその流派が皆仲良く集まります。象徴的ですね。

 ということで、今日は能「杜若」を鑑賞いたしましょう。

 

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2025.04.28

追悼 大宮エリーさん

Img_5210 梨で学校のお仕事の日。

 残念なニュースが。尊敬する大宮エリーさんがご病気でお亡くなりになったと…。若すぎる。惜しすぎる。

 最初にエリーさんを意識したのは、大好きな「サラリーマンNEO」でした。すごい脚本家がいるなと。

 写真は2019年、初めてお会いした時のもの。私主催の忘年会に来てくれた時です。本当にマルチなお仕事をされている方で、私にとっては本当に憧れの方。お手本となるような方でした。

 忘年会後も時々連絡を取り合って、私にアドバイスくれる時も、逆に私がアドバイスさせていただくこともありました。

 レベルは違えど、お互いマルチな宇宙人ということで、不思議な共鳴のある関係だったと思います。

 コロナ後は私も忙しく、なかなかお会いする機会がありませんでした。最近では私も縁のある妙心寺の塔頭で襖絵の展覧会をやっていました。行きたかったけれど行けなかった。

 ただただ残念です。僭越ながら、少しでも御遺志を継ぐことができればと思っています。

 御冥福をお祈りいたします。

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2025.03.13

YMOと仲小路彰

 京新桜台にて仲小路彰セミナー。初めての試みでしたが、途中私も思わず号泣してしまう展開に。やはり人に伝えようとすると、自分に伝わるのですね。

 そして、その夜、こんなニュースが。

 2025年5月21日・22日に授賞式が開催される【MUSIC AWARDS JAPAN】の全62部門の詳細とエントリー作品が発表、そして、今年の【MAJ】を象徴するアーティストとなる〈SYMBOL OF MUSIC AWARDS JAPAN 2025〉にはYELLOW MAGIC ORCHESTRA (YMO)が選ばれた。

 この日もセミナーで紹介しましたが、 YMOと言えば仲小路彰の「未来学原論」です。ある意味、未来学原論の世界を現実化したのがYMOなのです。細野晴臣さんは仲小路のことを「生涯で最も影響を受けた人」と述懐しております。

 ちなみにこれは、数年前、仲小路邸を探索、整理していた時に見つけた細野さんたちのサインです。この日、四人は山中湖に仲小路彰を訪ねましたが、すでに先生は入院しており(同年9月1日に帰幽)会うこと叶わず、この色紙を残したのでした。

 今となって大変貴重な資料であります。やばい四人ですよね。細野さんは言わずもがな、文化人類学者の中沢新一さん、アートディレクターの奥村靫正さんと後藤繁雄さん!

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2025.02.24

Bigme 10.3インチカラーE-inkタブレット

51czi4d9tml_ac_sl1500_ 京にて久々の休日。たまったブログを書いたり、いろいろ整理したり、楽器の練習をしたり、読書したりして過ごしました。

 最近買ったもので、いろいろと重宝しているのが、このE-inkタブレット。今日も活躍しましたよ。

 もともとE-ink(電子ペーパー)が好きな私です。以前紹介したソニーのデジタルペーパーも活躍しておりますが、それの足りない点を補完してくれるがこの製品。

 そこそこのお値段ですが、その価値はあると思います。

 タブレットと称するとおり、基本Android端末です。Androidタブレットのディスプレイがカラー電子ペーパーになったということ。

 まずKindle端末として使えるところがグッド。電子ペーパーだから疲れないし、バッテリーの消費も最低限。カラーなので雑誌やコミックの閲覧もそこそこの満足度。

 ほとんどのアプリが使えますし、YouTubeの視聴も案外大丈夫。いやあ進歩したなあ、E-ink。

 また、当然インターネットにつなげるので、たとえば楽譜が必要な時にすぐにimslpからダウンロードすることができる。これはソニーのデジタルペーパーや富士通のクアデルノでは簡単にはできません。

 あと、普通に手書きの電子ペーパーとして思ったより優秀です。書き心地はデジタルペーパーよりも快適。カラーだから色も変えられる。手書きのOCRもなかなか優秀。

 そう、この端末中国製なので、最初日本語のインプットメソッドが入っていなくて苦労しました。ただ、多くのプリインストールアプリは日本語にも対応しており、特に会議やセミナーを録音しつつリアルタイムで文字化してくれたり、AIで要約してくれる機能はなかなか優秀。まあ、データ抜かれているかもですが、聞かれて困る話してないし別に気にしません(笑)。

 あとこの機種はカメラを搭載しているので、文書のデジタル化なども簡単にできます。とにかくOCRの精度が高いのでびっくりです。

 薄くて軽いので旅先でも活躍中。スマホとの併用で考えれば、こうした電子ペーパータブレットも選択肢の一つなのではないでしょうか。

Amazon Bigme 10.3インチカラーE-inkタブレット

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2025.02.12

『東京音頭』を唄った三嶋一聲は20世紀の浦島太郎?

Mishima01 定変更で東京で一日過ごしました。昨日紹介した「226」の舞台の一つである山王ホテル(現山王パークタワー)に行ってきました。そのあと龍土軒へ。89年前の今日、龍土軒で青年将校たちの会議が行われました。

 いろいろ思うことがあります。そして来月、物語の続きがある予定です。また信じられないご縁がありました。報告できる時がいつか来ると思います。

 さて、出口王仁三郎と二・二六事件の関係、そしてそこにまつわる未来の原因についても中級編でお話いたしますが、映画の中でも歌われていた「東京音頭」(今ではヤクルトスワローズの応援歌として有名ですね)の歌手三嶋一聲と出口王仁三郎との関係も実に面白いのです。

 私はその事実に全く無知でしたが、王仁三郎関係の友人がたまたま立ち寄った浦嶋神社でこの本で出会い教えてもらってびっくり仰天。

 そう、この本の中に驚愕の事実が書かれていたのです。大正13年、第一次大本事件で仮釈放中の王仁三郎は植芝盛平らとモンゴルへ旅立ちます(チンギス・ハーンとしてエルサレムを目指した!?)。

Th_unnamed_20201206090601_20250213105301 結果、張作霖によって捕らえられ銃殺刑が決まります(パインタラの法難)。まさに処刑が執行されようという時、すべての機関銃が故障した…と大本では言われていますが、実際はたまたま中国にいた三嶋がいろいろと画策して命拾いしたと、この本には書かれているのです。

 この三嶋一聲という人、まあとんでもない人で、この本に書かれたことが事実なら、ぜひ大河ドラマにしていただきたい。なにしろ絵画の勉強にフランスに行ったのはいいが、お金がなくなって「歩いて」(!)日本に帰ってきたのです(もちろん最後は船に乗りますが)。その途上、たまたま(運命的に)王仁三郎一行と出会うのです。まあとにかくしたたかで勘が強い。コミュ力抜群で楽天家。スケールが違う人です。

 日本に戻ってからもいろいろ事業をやったりして、なぜか流行歌手になっていくのです。波乱万丈とか、そういうレベルの話ではありません(笑)。

 いやあ本当にこの本面白かった。ぜひ一般発売していただきたいですね。そしてドラマ化、映画化していただきたい。

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2024.08.02

艮の金神のお出ましか!

Img_6762 別岳を遥拝して来ました。不思議なご縁あって滝川市の友人にいろいろとご案内いだきました。

 まずは芦別市の真言宗単立寺院光元院へ。日本の体操界を支えてきた大阪大学名誉教授の先生が住職をされています。

 いろいろ驚きがあったのですが、何よりびっくりしたのは先代が懇意にしていたという、あの肖像画家馬堀法眼喜孝の絵がたくさんあったことです。

Img_6745 馬堀法眼は、かの旧一万円札の聖徳太子像を描いた人として有名ですね。歴代天皇はじめ無数の偉人の肖像画を描いてきた人物です。

 我が家には喜孝が描いた出口直、出口王仁三郎、出口澄の肖像画の複製が飾ってあります。その本物は綾部の梅松苑で何度も拝見しております。

 いや、本当に驚きました。七福神像をはじめとして、立派な名品が多数あるのです。それを観るだけでも価値があります。皆さんぜひ訪れてみてください。ある意味有名な北海道大観音のすぐ近くです。

 光元院をあとにした私たちは富良野へ。艮の金神(国常立尊)がお隠れになっている芦別岳を、耀わんとともに遥拝し鬼門開きをするためです。

Img_6778 当初の予定どおり東大の農場にて遥拝したのち、近くにある大本の北海本苑さんをアポなしで訪問しましたところ、私たちを快く受け入れてくださりました。

 神殿にて耀わんを奉り、神職さんに天津祝詞をご奏上いただきました。感動と感謝の時間。

 鬼門開き。これが今の私の仕事であり、セミナーなどのテーマでもあります。隠されたモノ、あるいは洗脳されて忘れ去ってしまっているモノの復活。そういう時が来ているのです。

 神殿には王仁三郎はじめ教主、教主補の多くの作品が飾られていました。それだけでも大興奮でした。友人たちは私の姿を「5歳児みたい」と笑っていましたが、本当に子どもになったような気持ちだったのです。

Img_6812  御神事が終わって外に出ますと、王仁三郎の神聖歌碑の後ろにそびえる芦別岳にかかっていた雲が去り、天の階が降り注いでいました。なんという奇跡でしょう。

 もしかすると、本当に艮の金神がお出ましになったのでは。きっとそうなのでしょう。

 このタイミングで、ほとんど自分の意思ではなく、自然と導かれてここにいるという幸福。本当にありがたいですし、身の引き締まる思いもするのでした。

Img_6775 自己実現ならぬ神実現のために、これからも邁進してゆきたいと思います。本当にありがとうございました。

 北海本苑の神聖歌碑(昭和7年建立、10年弾圧で破壊、41年再建)

 芦別の山はかなしも勇ましも神代ながらの装ひにして

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2024.06.23

歌川広重 『六十余州名所図会〜信濃 更科田毎月鏡台山』

S0000068a 松二日目中級編。今日も盛り上がりました。

 17時すぎに終了後、新幹線で長野へ。長野からは車で山梨へ。富士山に着いたのは22時半でした。やっぱり5時間はかかるなあ。

 さて、車で長野道を走る途中、姨捨SA(上り)に立ち寄りました。ここにある田毎庵の蕎麦が好きなのです。

 本物の手打ちそばですからね。実演しているのを見ることもできます。高速道路上でのそば打ちというのはなかなか見られるものではありません。

 これぞ更科そばなのかは不明ですが、やや幅があってコシもあるこのおそば、なんとも言えないワタクシ好みの食感なのです。今日はかき揚げそばを注文しましたが、かき揚げもエビ満載でとてもおいしい。おススメです。

 さて、「姨捨」といえば、高校の古文の教材の定番でもある大和物語の「姨捨」の段ですね。皆さんも学校で習った記憶があるのではないでしょうか。

 日本全国に「姨捨伝説」はありますが、平安時代からすでにこのあたりの「姨捨」は有名であり、またおそば屋さんの名前のルーツともなった「田毎の月」の景色もまた、多くの文学や絵画の題材となってきました。

 姨捨サービスエリアも「月の里おばすて」として、ちょっと怖いイメージからオシャレな感じに生まれ変わりました。

 「たごとの月」とはまさに「田んぼごとに一つ一つの月」ということで、広重もこのように描いています(クリック!)。


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Img_0243 実際にこのように同時に多数の月が映ることはないにせよ、一つ一つ移動してそれぞれの田んぼに月が映る事実をこのように描いたのでしょうね。日本的リアリズムというやつです。

 千曲市では、このあり得ない情景を実現するために、かつてLEDを使って棚田をライトアップしたことがありました。面白い試みですね。

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2024.05.23

「変身」の楽しさ

20240524-91541 日今日は戸隠で合宿。一昨日のイエモンのメンバーに対抗したわけではありませんが、私たちもちょっとカッコつけてみました(笑)。

 赤い髪が私です。

 というか、今回はコスプレのプロの方がいらっしゃったのですよ。それで軽く私もフェイスペイントしてもらったり、ヅラをかぶったりしてみたわけです。

 合宿のテーマの一つは出口王仁三郎です。彼はまさにコスプレの元祖。あの時代に化粧して女装して映画撮ったり、写真集出したり、まあそれは弾圧もされますわ。

 もちろん、それは「神劇」であり、「雛型」であったわけですが。

 映画「昭和の七福神」はその代表でしょうね。

 

 

 今回初めて本格的にフェイスペインティングしていただきましたが、これって快感ですね(笑)。変身願望が満たされると言うより、自分を見る周りの目が変わるので、自分自身を鏡で見なくとも自分が変わっていること、そして外界も変わってることを感じることができるのです。

 縄文時代にもフェイスペイントや刺青が一般的でしたね。変身というよりも、現実界から離れて神に近づく一つの方法だったのでしょう。

 プロレスラーがペイントしたりマスクを被ったりするのもその儀礼の名残ですね。

Img_5932 似合うかどうかは別として、「スイッチを入れる」ためには、この方法はなかなか良いと感じました。この格好で講義しましたけれど、いつもとは違う感覚で、自分自身も楽しめました。

 スキンヘッドはヅラも多様に楽しめるので良いとのこと。そりゃそうだ。なんかちょっと目覚めそうな気配が(笑)。とりあえずいろんな道具を買い揃えてみようかな。

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