カテゴリー「美術」の221件の記事

2021.05.27

『実相寺昭雄 才気の伽藍』 樋口尚文 (アルファベータブックス)

Th_51ck6hlvbl 日、NHKのBSでウルトラセブンの名作「狙われた街」が放映されました。

 録画したものを、もう3回観てしまいました。何度観ても素晴らしいですね。

 こんな鬼才の作品を幼少期に観ちゃったから、こんな大人になってしまったんですよ(笑)。どうしてくれるんですか。

 有名なちゃぶ台シーンや夕景での対決シーンだけでなく、全体にわたって実相寺節満開ですよね。

 冒頭で小学生たちがみんなマスクしているのは、なんだか今の世の中からすると象徴的です。まあ、私も当時京浜工業地帯の際に住んでいまして、光化学スモッグで何度か倒れましたから、そう考えるとあの頃の方がもっとひどかった。

 公害だけでなく、交通事故、爆破事件、誘拐など、たしかに日常が異様にスリリングでした。だから、セブンの世界観は本当に現実と重なっていたのです。そして今に至ると。

 この本もまた、素晴らしいですよ。決定版ですね。「才気の伽藍」というタイトルの時点で、私はノックダウンでした。分かる!たしかに伽藍だ!

 総門から、山門、回路、仏殿、法堂、鐘楼、禅堂、そして「後餓鬼」、大庫裏。見事な構成です。そして、それぞれに配置された仏像や仏具、そして経文からに至るまで、まさに「実相寺」の全体像と細部を見事にまとめ上げてくれています。

 様々な「文化財」に触れながら、私たちは最終的にその「教え」に触れることができるのです。

 そして、その「教え」によって、今の私が生きていることを実感しました。

 また、私たちは「実相寺」での修行を終えて、そこから先に進むことができているのだろうか…そんなことも考えさせられてしまいました。

 映像、音楽、さらにはAVの世界まで、はたして彼を超える作品がその後生まれているのか。百年後、千年後にも語られる作品が、どれほどあるのか。

 仏教、音楽、宇宙人、地球防衛、虚実皮膜、日本文化、映画…今の私の充実した人生を創り出してくれた実相寺昭雄。こうして人の人生まで創り上げるのが、本当の芸術家、クリエイターなのでしょう。

 どうしてくれるんですか…と書きましたが、ここからは自分自身で始末をつけるしかありませんね。感謝を胸に頑張ります。

 

Amazon 実相寺昭雄 才気の伽藍

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2021.04.30

『未来は決まっており、自分の意志など存在しない。~心理学的決定論~』 妹尾武治 (光文社新書)

Th_b08z3gg65b01_sclzzzzzzz_sx500_ 日のプロレスリング・ノア名古屋大会、抜群に面白かった!プロレスの楽しさ、激しさ、深さを堪能いたしました。

 私と同様プロレス・マニアを標榜している気鋭の心理学者、妹尾武治さんの自称「トンデモ本」。これがまた抜群に面白く、あっという間に読了。アカデミック味だけれども、ぷんぷんサブカル臭がするという絶品(笑)。

 タイトルの通り、「未来はビッグバンから全て決まっており、私たちの意志では変えられない」というお話です。

 たしかに全てが物理法則(宇宙法則)に則っているならば、そのとおりですよね。宇宙人である(?)私もそう思っています。

 しかし、人間(地球人)の感覚からすると、どうもそれだと納得いかない。そして、虚しさすら感じてしまう。

 その私たちの「意志」こそ幻であるというのもわかります。ワタクシの「モノ・コト論」で解釈するところの、「もののあはれ」こそ真理。まさに「意志」「意識」「情報」「言語」を表わす古い日本語「コト」はフィクションなのです。宇宙の法則たる「モノ=不随意」のみが真理。

 お釈迦様もそれにお気づきになったのです。

 ということで、私にとっては全然「トンデモ本」ではありませんでした。著者の言うとおり「トンデモなく面白い本」ではありましたが。

 さて、その面白さは読んでいただけばわかるわけですが、「モノ・コト・トキ論」を展開し、まさにアマノジャク的なトンデモ理論「時間は未来から流れてくる」を訴え続けている私にとって大きな発見は、妹尾さんの専門分野「ベクション」についてでした。

 「ベクション」とは、あの電車や車に乗っていて、並走している車輌が動くと、自分か反対方向に動いているかのように感じてしまう錯覚のことです。

 この空間的なベクションが、時間においても起きているのではないか。いや、起き続けているのではないか。つまり、本当は時間が未来からこちらに流れてきているのに、人間(地球人)は、まるで自分が人生の主役になって、人生の道のりを歩いていると錯覚していると。本当は自分が止まっていて、時間が動いているのに。

 ぜひ、この辺に関しまして、妹尾さんといつか直接お話してみたいと思います。

 最後に、もう一度プロレスについて。妹尾さんは「人生はプロレスである」と書いています。納得です。最初から勝敗が決まっていても、つまり決定論でもこれだけ楽しめるわけですから、同様に人生の結末が決まっていても、あるいは過程(筋書)が決まっていても、全然いいじゃないですか。楽しみましょうよ。その一つの方法として、私の「モノ・コト・トキ論」もあるのでした。

Amazon 未来は決まっており、自分の意志など存在しない。

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2021.02.22

『ユメ十夜』実相寺昭雄・松尾スズキ・天野喜孝ほか

Th_91byvgjn3kl_sx300_ 日は猫の日。猫と言えば夏目漱石…というわけではありませんが、ええと、ここのところ古いドラマや映画を観ることが多いのと、パロディとか偽物とかのネタが続き、虚実皮膜の間と言えば実相寺昭雄監督だったりもして、さらに我が校のYouTu部がいろいろなメディアから取材されたりして、短い作品をいかに魅力的に作るかとか考えていて、それでこのオムニバス作品を鑑賞することになりました(長い道のりでした)。

 これ単純に面白いですよね。唯一原作通りやってしまった大ベテラン市川崑監督の第二夜が、ある意味一番目立ってしまっている(笑)。

 ほかはベテランでありながらいつまでも少年のような実相寺昭雄監督や、いつもふざけてる人や、若くて常識に縛られない人たちが、まじめに(?)漱石をパロったので、とにかくカオスになっております。

 私は嫌いではありませんが、どうでしょう、夏目漱石を神と崇める方々にとっては苦痛というか怒りの対象でしかないのかもしれませんね。

 どれもそれぞれ面白いのですが、やはり2006年(平成18年)の2ちゃんねる文化を懐かしむという意味でも、第六夜が一番笑えましたかね。

 

 

 今日も高校生や某テレビ局のディレクターさんと話しましたが、やっぱりYouTubeの動画って全然アートを感じませんよね。テレビも(映画も?)そちらに寄せてしまったりしていて非常に残念なことになっています。

 単なるノスタルジーではなく、漱石の作品のように、また実相寺の作品のように、時代を超えて「変」なモノを作る必要があるのではないでしょうか。

 というわけで、私は死ぬまでに新作能の本をいくつか書きますよ(と宣言してみる)。

Amazon ユメ十夜

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2021.02.18

『ダンとアンヌとウルトラセブン』 森次晃嗣・ひし美ゆり子 (小学館)

~森次晃嗣・ひし美ゆり子 2人が語る見どころガイド

Th_51qja6v42l た古い話。とは言え、全く色褪せないどころか、ますます輝きを増し、新たな発見と感動を与えてくれるモノです。

 そう、過去のコトではなく、今も生きているモノなのです。

 私が「宇宙人先生」を名乗ったり、「夢は地球を守ること」と恥ずかしげもなく叫ぶのは、間違いなくこのウルトラセブンの影響です。半世紀も前に観たこの作品が、ここまで自分の人生を突き動かし続けるとは…。

 ウルトラセブン本はほとんど読んできたつもりですが、この新刊は格別に面白かったし、なんだか泣けてしまった。決して懐かしさから来る涙ではなく、なんなんだろう、この感覚。

 ダンとアンヌのお二人がお元気で、こうして私たち以上にこの作品を愛し、この作品に影響を受けて続けている(それは当事者ですから当たり前ですが)ことに、なんというかこの世の仕組み、この世の真理というようなものを感じてしまったのでしょう。

 私がウルトラセブンの本放送を観始めたのは3歳になったばかりの頃。思えば、このお二人は「初恋」の対象でもあったのです。

 まず大人の男としてのダンに対する憧れ。自分もこういう大人になろうと真剣に思いました。自分の命をかけてまで、だれかを助けようとする、そんな大人を観たのはダン(ウルトラセブン)が初めてでしたから。

 そして、大人の女…というか、女性を意識したのはアンヌ隊員が初めてでした。おそらくそういうお仲間のオジサンたちがたくさんいるのではないでしょうか。

 今観ても、アンヌ隊員の魅力は筆舌に尽くしがたい(笑)。可愛らしく、美しく、セクシーで…3歳ながら、なんか変な気持ちになったのを覚えています(笑)。

 ウルトラセブン全話(第12話除く)を、そんな私の初恋の二人が語り合うのですから、それは面白くないわけがない。初めて聞く話もたくさんありましたし、あの時代の現場の熱量もたっぷり感じることができました。

 編集に力(愛)がこもっており、一冊の本という作品として見ても魅力的です。最初Kindle版を買ったのですが、すぐに紙の本も追加購入しました。これは私の宝物になりそうです。

Amazon ダンとアンヌとウルトラセブン

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2021.01.19

日本人は何を考えてきたのか…第9回「大本教 民衆は何を求めたのか」 (NHK Eテレ)

 日は出口王仁三郎の命日。王仁三郎は昭和23年1月19日に昇天しました。

 この日にちなんで、NHK Eテレで放送された番組を紹介します。

 NHKが一宗教団体、それも新興宗教団体を取り上げるのは珍しいですよね。90分にわたる実に濃厚な内容の番組になっています。

 当時北海道大学の准教授だった中島岳志さんをナビゲーターに、東大の島薗進さん、一橋の安丸良夫さん、京大の上田正昭さん、関西学院の對馬路人さんという錚々たる宗教学者、歴史学者の皆さんが、出口なおについて、出口王仁三郎について、大本について語っています。

 いかに大本が民衆宗教の枠を超えて、当時の政治、経済、軍事、思想などに影響を与えたかがよく分かりますね。もちろん、時代的な功罪はあったにせよ、とんでもないスケールで人々を動かしていたのは事実であり、特に王仁三郎を無視して当時の歴史は語れないでしょう。

 いずれ、大河ドラマで王仁三郎の一代記を作ってもらいたいですね。あまりにドラマチックでエキセントリック、センセーショナルでインターナショナル、そしてスピリチュアルな人生ですから。一本の映画ではとても表現しきれません。

 この番組でも最後に紹介される王仁三郎の耀わん。そして、発見されたという、なおの糸車。まさに言葉にできない未来への祈りが、そこに感じられますね。

 

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2021.01.14

『芸術は宗教の母なり~耀盌に見る王仁三郎の世界~』 (出口飛鳥)

 

 口王仁三郎ネタが続きます。

 王仁三郎の残した「耀わん」の数々。その魅力と威力を、もしかすると世界で最も実感しているのが私かもしれません。

 また、私なりの解釈ですが「芸術は宗教の母」という王仁三郎の名言についても、ある程度理解しているつもりです。

 しかし、これはあくまでも「かも」「つもり」であって、まだまだ学び、気づくべきことはたくさんあります。無限でしょう。

 この出口飛鳥さんの講義を聴いて、ますますそんな気持ちになりました。それこそ、思い込みや勘違いもあります。日々更新されることこそが、生命ある芸術や宗教のあり方なのではないでしょうか。

 思い込みやドグマは過去へのこだわりでしかありません。それは「死」を意味します。未来から流れてくるメッセージを常に受け取ることが生きること。そのためには、自分を「うつわ(空輪)」にしておかねばなりません。過去の情報は水に流しましょう。

 それにしても、いいお話です。ぜひ一度、ゆったりと耀わんの世界に浸ってみてください。そして、亀岡のギャラリーおほもとへ足を運んでみてください(緊急事態宣言のため一時観覧停止になるようですが)。3月31日までです。

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2021.01.01

あけましておめでとうございます(2021年年賀状公開)

2021

 

 様、あけましておめでとうございます。

 今年もよろしくお願いします。

 今年は…いや去年はとっても忙しく、なんと年賀状を今デザインしました!いかん、いかん。

 昨年もけっこう時間をかけず作ってしまいましたが、今年はなんと1時間だけ。スミマセン年々手抜きになっておりまして(苦笑)。

 ただ、今年は世界も自分も変革の年になりそうなので、ちょっとしたメッセージ性を持たせてみました。

 謎の絵、何かわかりますか。

 画面上ではハガキをぐるぐる回すことができませんから、難しいかもしれませんね。周りの言葉を最後まで読むと何かが見えてくると思います(よくあるやつを自分で作ってみました)。

 どうしても見えてこない方は、こちらに答えがありますよ。

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2020.12.08

鈴木大拙館(金沢市)

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 行の自由散策時間に、金沢在住の友人が案内してくれました。

 いやあ、本当に素晴らしかった。今年最大級の感動。奇しくも今日はお釈迦様がお悟りを開いた日。

 鈴木大拙館、絶対に行くべき場所です。このような「場」が市内の中心部に、さり気なくあるところこそ、金沢という街の魅力であり、すごいところです。

 この1ヶ月で2回金沢を訪れる機会がありましたが、本当に文化の香り漂う良い街ですね。

 鈴木大拙に関しては、私が説明するまでもありませんね。個人的には、昭和12年に山中湖で開催された(らしい)「世界教育会議」で、大拙が講演したことが最近わかりました。

 大拙の功績は、伝統的な「禅」を世界の哲学・思想のステージに一気に引き入れたことでしょう。保守的で硬直化していた禅の世界を一つ上の次元に解放したとも言えます。

 そんな大拙の思想を見事に現代に表現し、継承しているのが、この鈴木大拙館。

 金沢に縁のある谷口吉生による実に見事なデザイン。正直、どんな禅堂よりも現代人を三昧境に導いてくれると感じました。

 様々なデザインが私たちの心の次元上昇を助けることには、今までもずっと注目し続けてきましたが、ここまですんなりと無駄なく実現しているデザインには初めて出会いました。

 もちろん、それは総合的なデザインです。建物だけではありません。借景、水鏡、そして自然の変化をも計算に入れたデザインです。

 いや、計算ではないな。計算できない、まさに「もののあはれ(不随意・不如意への嘆息)」ですね。

 今日も実に見事な時と場がデザインされていました。夕暮時、雨上がり、本多の森公園の見事な紅葉。特に方丈の屋根に降った雨が少しずつ水鏡に落ち、そのたびに規則的な、かつ不規則な波紋が拡がり、重なり、それが時の流れと交差する、あのデザインはまさに「禅」の世界そのものと感じました。

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 ただそれを眺めるだけで、何時間も座禅するのと同様かそれ以上の感覚を味わうことができました。

 自分は止まっていて、自然が動いているのか、はたまた自然は動じず、自分が動いているのか。デザインとは常に相対的なものであることを悟りました。

 おそらく、鈴木大拙館は、どんな季節、どんな日、どんな時にも、最高のデザインを示してくれるでしょう。すなわち、私たちの心のデザインも、ここにいれば常に最高なのです。そして、それこそが本当のアートなのでありましょう。

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 こんなす素晴らしい時と場が、世界中の街にあるといいですね。心からそう思いました。

 これから何度でも訪れることでしょう。皆さんもぜひ。

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2020.11.21

出口王仁三郎 耀わん特別展(あと2ヶ月)

 日は我が家に大勢の霊能者の方々がお集まりになられました。すごいことになりました(笑)。

 そんな中で、やはり話題の中心になるのは出口王仁三郎。特に、我が家では王仁三郎の耀わんを二つお預かりしておりますので、それを巡って感動的なことがたくさん起きました。

 一流の霊能者たちがぶっ飛ぶのですから、どんだけのパワー、エネルギーなのでしょうか。恐るべしです。

 今回は、我が家の二つの耀わんが陰陽の関係にあって、今は一緒にいることに意味があること、いずれは別れ別れになるであろうことなどが分かりました。なるほど。

 さて、今日は霊能者の方々にも紹介いたしましたが、昨年から始まっています大本の耀わん特別展の会期が残り2ヶ月弱になりましたので、あらためて皆さんにご紹介します。

 耀わん50点近くが勢揃いし、さらには伊都能売観音像、なおさんのお筆先などを拝観することができますので、ぜひともこのコロナ禍のもとであるからこそ、亀岡に足をお運びいただきたい。麒麟がくる関係も楽しめますよ。300円という破格の拝観料ですし。ぜひぜひ。

 私ももう一度行きたいなあ。

 耀盌顕現70周年記念展(亀岡天恩郷)

 

 

 

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2020.11.14

富士御神火文黒黄羅紗陣羽織

Th_fd6ea410722d3de27a5014b8d60b759c201x3 士山に帰ってきました。

 昨日の大阪城ではいろいろと収穫がありました。中でも、憧れの「富士御神火文黒黄羅紗陣羽織」を生で観られたことは幸運でした。

 富士山在住の者としてはたまりませんね。三峰ですし。

 そにしても素晴らしいデザイン。モダンというのも憚られる。これを実際に秀吉が着用していたというのが凄い。かぶいてますなあ。

 三峰富士山の意匠はもちろん、御神火がいい。そして、麓の謎の黒丸群の配置が絶妙。

10 ついつい背中側に目が行ってしまいますが、表も和洋折衷で素晴らしいんですよね。いったいデザイナーは誰なのでしょう。

 この陣羽織が有名になったのは、NHKのびじゅチューンで採り上げられたからでしょうね。たしかにインパクト大。井上涼さんもかぶいてますな(笑)。

 

 

 この富士御神火文黒黄羅紗のデザインを用いたいろいろなグッズが販売されております。ちょっとほしいかも。

リゲル社

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