カテゴリー「旅行・地域」の1129件の記事

2018.06.20

草食動物は究極の偏食?

Th_images 日は地域の教育関係者の会合があり、河口湖畔にお住まいのアウトドア・エッセイスト木村東吉さんの講演を拝聴しました。
 私と同様、外からこの土地を選んで住み、ここが世界的にも特別な場所であることを認識されているようで嬉しかった。地元の方々の気づかない(忘れてしまった)魅力を発信してくださっていることに敬意を表します。
 自然の中で不便な生活をして分かる、都会の便利さの危険。都会は、私たちの煩悩を誘発する誘惑に満ちています。
 食についてのお話の中で、お知り合いの栄養士さんが「本来、食べたいものを食べたいだけ食べていればよい」という言葉がありました。
 これはよく分かります。私はもう15年ほど一日一食です。そうなりますと、体が何を欲しているか、よく分かります。野菜が食べたいとか、肉が食べたいとか、甘い物がほしいとか…。
 これは好き嫌いではなく、体が本能的に欲しているのです。それに従っていればいいだけであって、おかげさまで私はとっても健康ですし、体重の増減もほとんどありません。
 一日三食食べなければダメとか、毎日30品目とか、いろいろな「強迫(脅迫)」が飛び交っていますよね。これってとんでもない間違いですよ。
 去年の今ごろも、こんな記事書きました。

牛は草しか食べないのに、なぜ「肉」の塊なのか?

 牛だけでなく、草食動物って、めちゃくちゃ偏食ですよね(笑)。草だけ食べていてもめっちゃ健康です。
 なんで人間だけ、そんな30品目も食べなきゃいけないんですか。変な話でしょう。人間だけ退化しちゃったんですか?
 食べたいもの、そこにあるものを、ありがたくいただいていれば、おそらく健康でいられるのです。余計なもの食べるようになってから、成人病やらガンやらが増えた。これは事実です。
 というわけで、私の理想はかの横山大観。日本酒とつまみだけで84まで生きて、そしてあれだけの作品を残した。今からでもそういう食(?)生活にしたいのですが、誰かお酒のスポンサーになってくれませんか(笑)。

The GreatLife at 5LAKES | 木村東吉のすべての情報がここに

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2018.06.18

大阪で震度6弱

Th_img_1863 く想定外でした。今日は昨日の群馬の地震について、そして房総半島沖のスロースリップについて書こうかなと思っていた矢先に、まさかの大阪の内陸で大地震。
 本当に地震予知というのは難しいと改めて実感いたしました。考えてみると、東北にせよ、熊本にせよ、全く想定外でしたね。結局、ロバート・ゲラーさんの言う通り、「地震予知は不可能」なのでしょう。
 ただ、これだけは言えます。今朝の地震後にツイートしましたが、「この地震が前震である可能性がある」と。
 言うまでもなく、東北3.11M9の二日前3.9には、三陸沖M7.3が起きていました。また、熊本4.16M7.3の二日前4.14には、同地方でM6.5が発生していました。
 これは予知でも予測でもなく、経験則として「大規模な地震が発生した場合、数日以内にさらに大きな地震が起きる可能性がある」ということが言えるということです。
 東北と熊本の時に、私は警鐘の意を込めて次のような記事を書きました。ぜひお読みください。

2011年3月9日三陸沖地震M7.3を忘れてはいけない。

熊本でM7.3

 さすがにここ数年の2件の実例は無視できなかったのか、地震研も国もはっきりその可能性を言うようになりました。それだけでも大変な進歩です。これだけ多数の犠牲を払って、ようやくそうなったとも言えますが…。
 特に、今回の大阪の地震は内陸であり、複雑に活断層が入り組んだところですから、熊本のように、周辺の断層に影響を与えたと考えるべきです。全く影響がないということはありえません。
 今回の震源は、狭い視点からすると想定外でありますが、広い目で見ますと、いわゆる新潟神戸のひずみベルト上にあります。先日書いた白川郷「帰雲城」の悲劇を生んでしまった天正大地震もそうですね。
 また、東北の時がそうであったように、内陸の大規模地震のあとに海溝型の巨大地震が起きる流れもあります。当然南海トラフ巨大地震の発生は日に日に近くなっているのは事実なので、そちらも要注意ということになります。
 いずれにせよ、日本中どこでも、日々の準備と警戒を怠ってはいけないということです。
 

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2018.06.08

バックキャスティング(未来から現在を観る)

 日は富士五湖青年会議所の例会にお呼びいただき、皆様と当地方の観光、国際交流の未来について語り合いました。こちらで告知したイベントです。
 客席の皆様からも多くの建設的なご意見をいただき、なかなか充実した会となったと思います。
 私としては、やはり前キヤノン副社長であり東大名誉教授の生駒さんのお話が刺激的でしたね。スケールが大きくて素晴らしい。完全同意です。
 特にお話の中に出てきた「バックキャスティング」は、今ちょうど自分にとっても重要なキーワードの一つです。
 というのは、私がずいぶん前から言っている「時間は未来から過去へと流れている」という考え方に近いからです。
 そうそう、最近プロ無職のるってぃさんが、ワタクシとの対談を上手に編集してくれまして、YouTubeに動画をアップしてくれました。こちらです。

 この動画をご覧になっても分かるとおり、ワタクシの時間観と「バックキャスティング」は本質的には似て非なるものです。だいいち、未来から現在を観ることを「バック」と言っていること自体、根本の時間の流れ方が逆ということですよね。
 しかし、結果としては、フォアキャスティングよりもバックキャスティングの方が、「未来に原因を作って、現在に結果を出す」という意味では(宇宙人的には)正しいわけです。
 言うまでもなく、バックキャスティングとは、もともと環境問題において持続可能な未来を想定し、その未来から現在を観て解決策、やるべきことを決定するという思考方法です。
 実際それをしていなければ、人類は20世紀中に滅亡していたでしょうね。
 この視点、立点の置き方というのは、仲小路彰の「光を背にして立って観る」という考え方と近いかもしれません。生駒さんにも仲小路の「未来学原論」を差し上げましたところ、さっそく興味深く読んでくださっているとのこと。少しお話しただけですが、さすがもうあの難解な書のテーマ、エッセンスは理解されているようでした。
 今後も地域の若者たち、そして世界のトップを走ってきた方々と、いろいろな話をしていきたいと思います。本日はありがとうございました。

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2018.06.07

玄関とは…

Th_img_1770 日は、岐阜は美濃加茂市伊深の古刹、正眼寺さんに参拝いたしました。本校の名誉校長をお務めいただいている山川宗源老大師さまが住職をされている修行道場。
 その玄関に、かつての住職、名僧として名高い梶浦逸外老師の書がどんと構えて、私たちを迎えてくれています。
 いや、迎えるというよりも、ある意味睨みを利かせていると言ったほうが良いでしょうか。
 「誠和」…なんと深い言葉でしょう。「誠」は嘘偽りのないこと。禅的に言えばありのまま。素直な心とも言えます。そして「和」にはいろいろな意味があります。禅で言えば、やはり調和というイメージでしょうか。
 素直な心で他者と和するという、最も私たちには難しい言葉でお出迎えというわけです。
 ご存知のとおり、修行道場では、入門に際し、この玄関がまず最初の関門となり、庭詰といういわば最初の問答が行われます。要はそう簡単には道場には入れない、ほとんど嫌がらせのような(笑)やりとりがあるのです。
 入門、入山するということは、もちろん世を捨てることですから、その覚悟があるのか確かめるわけですね。嫌がらせではありません。今ならまだ帰れるよという慈悲の心です(笑)。
 そう、「玄関」こそ、まさに「関所」なのです。なんの関所なのかというと「玄」の関所というわけです。では、「玄」とは何か。
 「玄」という字は、もともと意図を束ねて黒く染めたものの象形文字です。「玄人」は「くろうと」ですよね。「玄米」は「黒い米」。そこから「深み」を表すようになり、たとえば「玄妙」とか「幽玄」というような熟語を生むに至りました。
 ですから、「玄」の「関」ということは、まさに「さの先はとんでもなく深い玄妙なる世界であるが、本当にそこに行くだけの覚悟と素質がお前にはあるのか」と聞かれていることになりますね。
 そう考えると、逸外老師の「誠和」という言葉にも大変深みがあることがわかります。禅という、宇宙の真理に近づくための玄妙なる世界に入るためには、まずはありのままの素直な自分になりきり、それを器として他者を受け入れつつ、新しい自分と他者と世界を作り出していかなければならないのです。
 それができるのか?と聞かれた自分は、その答えを保留したまま、本堂奥の開祖関山慧玄さまの像の前に立ってしまいました。
 雲水さんがおっしゃりました。ここに立つことは怖いと。老大師さまも、今でも恐ろしいと感じるそうです。
 また7月に夏期講座でお世話になります。その時には、ほんの少しでも「玄」の世界を垣間見ることができればと思っています。実際は難しいでしょうけれども。
 

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2018.06.06

白川郷「帰雲城」の悲劇

Th_siru05_01_kaerikumo490x336 日は高山のあと白川郷に行きました。しばらく記事の時間軸が前後しますが、過去も未来も現在に内包されていることを考えれば、日付にこだわる必要はありませんね。
 で、白川郷で驚くべき偶然(必然)の出会いがあって、おかげで研修旅行団の団長であるワタクシが集合に遅刻するというギャグをやらかしてしまいました。
 そのご縁の今後の展開については、動き出したら報告します。
 さて、白川郷と言えば…もちろん合掌造り集落なわけですが、ある意味それ以上にインパクトがあるのが、一夜にして消えた幻の「帰雲城」のお話ではないでしょうか。
 ご存知の方もいらっしゃると思いますけれども、足利義政の名を受けた内ヶ島氏が、信州松代から入植して一時代を築きました。おそらく内ヶ島氏は鉱山の知識・技術を持っていたのでしょう。
 昨日うかがった中にも、「火薬」の話がありました。それは蚕の糞に関わる話でしたが、金にせよ火薬にせよ、戦の基礎になるものですから、この秘境に多くの財が集まった可能性は当然あります。埋蔵金伝説があるのもうなづけるところですね。
 さて、その、権勢を誇った内ケ島氏ですが、まさに一瞬にして全滅してしまいました。
 というのは、天正13(1585)年11月29日(新暦1月18日)の午後11時ころ、あの天正の大地震が発生、帰雲城を見下ろす帰雲山が山体崩壊を起こし、山津波と川の氾濫となって城はもちろん、町ごと壊滅させてしまいました。生き残った者は数名。ポンペイもびっくりの一瞬の悲劇でした。
 天正地震は謎に包まれています。東海・北陸・近畿の広い地域で津波を含む大きな被害を出しました。おそらく複数の断層が動いた地震なのでしょう。日本海側を太平洋側、両方で津波も観測されたようです。
 今でも震源さえ特定されておらず、その被害規模からしてマグニチュードは8を超えていた思われます。直下型のM8は大変です。
 若狭湾から伊勢湾にかけて、日本を完全に東西に分断するような動きがあったということでしょう。今、東京直下地震や東南海地震などの可能性が騒がれていますが、このような、ある意味想定外の震域での大地震も起こりうるということを忘れてはなりません。
 ちなみに壊滅した「帰雲城」やその城下町の位置は特定されていません。山体崩壊の傷あとは、430年たった今でも、はっきり残っています。それが上の写真です。

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2018.06.05

高山昭和館

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 日から岐阜へ研修旅行。高山での散策の時間、昨年は福来博士記念館に行きました。今年はそこまで行かずとも多少マニアックに「高山昭和館」を訪れました。
 規模のわりに入場料800円は高いと思われそうですが、その内容の充実ぶりからすると割安かもしれません。ぜひ高山に行った際にはお立ち寄りいただきたい。
 ようは昭和の商店街や一般家庭、小学校などを再現したのもですが、再現というのはちょっと間違いで、そこに置かれている様々なモノは全て本物です。
 すなわち、県内外から集めたリアル昭和グッズが満載なんですね。それを一つひとつ見ているととっても時間がかかる。規模が小さいだけにその密度が高すぎて楽しいどころか大変でさえあります。
 ところで、「昭和」と一言で言っても、もちろん60年以上あるわけでして、展示はまさにごった煮状態。戦前から平成にひっかかるところまでのモノが、雑然と置いてあります。
 ですから、ある意味では全くリアルな昭和ではなく、イメージとしての昭和なんですけど、そのごった煮見世物的な感じが、まさに「昭和」していて、案外に好感を持ちました。
 以下、そんな「昭和」感を味わっていただきたく撮ってきた写真の一部を羅列します。趣味が偏っているのは、まあご容赦ください。プロレスのポスター一つとっても、まさに「ごった煮」ですね(笑)。
 ある意味歴史や思い出とはこんな「イメージ」で形作られているのでして、ちっともリアルではないのかもしれません。
 ちなみに私以外にお客さんがいなくて、「昭和」を独り占めさせていただきました。静かでいいですよ。写真撮影自由ですし。また昭和好きな家族と一緒にぜひ行きたいと思います。

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高山昭和館

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2018.06.04

グアテマラ フエゴ火山噴火

Th__101863517_mediaitem101863514 米グアテマラのフエゴ火山が噴火し、大きな被害が出ているようです。
 フエゴ山は毎年のように噴火している活発な火山ですが、今回は特に規模が大きいとのこと。
 標高は富士山とほぼ同じ。富士山もこのような噴火を起こしてもおかしくありません。
 特に今日配信されたこの映像はけっこう怖いですね。火砕流のスピードがいかに速いかがわかります。雲仙普賢岳の時もそうでしたが、まだまだ遠いと思っていると一気に呑み込まれる。

グアテマラで火山が噴火 火砕流に飲込まれるパトカー

 富士山でも火砕流が発生する確率が高い。もちろんどの方向に流れ出すかで私たちの運命は大きく変わるわけですが、少なくとも我が家のように中腹にある家はあっという間に呑み込まれてジ・エンドです。
 津波よりも切迫していますから、噴火の兆候があったらとにかく逃げるしかありません。正直、溶岩流はそれほど怖くありません。やっぱり噴石と火砕流ですね。
 そんなわけで、私も富士山のラドン濃度を測定しているわけです。環太平洋火山帯という意味でも、対岸の火事と思っていてはいけません。我が身のことと思い、それぞれに覚悟と準備をしておきたいものです。

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2018.06.02

告知 6/8 「YouとWin-Win!」国際交流で相互発展

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 週のイベントの告知です。
 富士五湖青年会議所さんがご縁をつくってくださりまして、ワタクシも登壇させていただきます。
 ここ、富士北麓地方は、富士山の世界文化遺産登録を機会に、爆発的に外国人観光客が増えまして、昼間街で見かける人の半数以上が外国人なのではないかと見紛うほどです。
 世界から注目されていることは、地元にとっても大変うれしいことで、また、インバウンドによってこの地方が多少なりとも潤うというのはもちろん悪いことではありません。
 しかし、ただ観光で通り過ぎる人たちを対象に宿泊や物品販売で儲けようというのでは、本当の交流にはなりません。やはり、人と人が実際に交わって、そしてお互いの国の現状や歴史や文化を知り、未来的な互恵関係を創るよう努めねばなりません。
 とはいえ、現実にはそれはなかなか難しいことであります。やはり自治体や公的な団体が中心に;なって大きな旗を振らなくてはなりません。
 そういう意図で開催されるのが、このイベント。
 講演とトークセッションのスペシャルゲストとして、元テキサス・インスツルメンツ社長、キヤノン副社長、キヤノン財団理事長、そして現東京大学名誉教授であられる生駒俊明さんにおいでいただくこととなりました。
 今日、初めて生駒さんにお会いし、JCの皆さん、そして一緒に登壇するふじよしだ定住促進センターの代表理事滝口さんと打ち合わせをしました。
 さすが生駒さん、世界を股にかけて活躍されてきた方ですので、スケールが大きい。宇宙人の(?)ワタクシとしては、そのスケール感がぴったりでして、初対面ながらも大変共鳴させていただきました。
 地元の皆さんはちょっと引き気味だったかもしれませんが、こういうスケールでものごとを進めないと、本当のイノベーションは不可能です。
 ですから、当日の話はとっても面白くなると思いますよ。もちろん、地元の皆さんが「得する」話をします。どうぞお越しくださいませ。
 ところで、生駒さん、ウチのご近所にお住まいでして、音楽、特にオペラの話で大盛り上がりしてしまいました。帰りにはご自宅までお招きいただきまして、仲小路彰の話などもさせていただきました。もちろん技術者、科学者、教育者としてのお話も、実に深みがある。勉強になりました。これからのご縁の展開が非常に楽しみです。
 
 
 

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2018.05.30

乃木坂46 『サヨナラの意味』…ロケ宅訪問

 日は縁あって「サヨナラの意味」のロケ宅を訪問させていただきました。
 というか、全然知りませんでした。職場の目と鼻の先がロケ地だったなんて。
 「サヨナラの意味」は言うまでもなく、橋本奈々未さんの卒業ソング。昨年2月に卒業されてからもう1年以上が経ってしまいましたが、彼女の最後の楽曲のMVがここで撮影されていたとは…。
 富士山らしきものや河口湖の鵜ノ島が写っているので富士北麓でロケしたなとは思っていましたが、あの印象的な室内の撮影がこんな身近なところで行われていた(すなわちすぐ近くに彼女たちかいた!)というのは、地元の人もほとんど知らなかったのでは。
 そのお宅は地元でも有名な古い豪邸で、私ももう何千回もその前を通り過ぎ、いつかその内部を見てみたいと思っていました。そして今日その夢がひょんなことからかなった。
 もう、とにかく素晴らしいの一言でした。同行した方々も「すごい」という言葉しかでない。
 MVでも印象的な障子の格子模様。本当にいろいろなパターンがあり、そのどれもが実にモダン。90年前とは思えないセンスです。
Th_img_1609 その他襖や襖絵、欄間や床柱などなど、こだわりと贅沢の粋を極めた造りで、その職人技術と依頼人の美意識の高さにただただ驚嘆するばかり。
 完成が昭和3年といいますから、ちょうど今年で90年ということになりましょうか。メインテナンスも行き届き、素晴らしい保存状況です。今は住居としては使用していないということですが、かつてはそこには料亭があったり診療所があったりしたとか。下吉田地区のかつての隆盛を偲ばせる建物です。
 太宰治の「富嶽百景」で財布を落とすシーンの場所付近でもあるので、太宰も何度か訪れた可能性があります。
 様々な歴史的人物の書画もあったり、かつての主人の交友の広さや人徳を感じさせます。
 それにしても、こんな身近にこんな素晴らしい文化財があるとは。外見から想像していた以上で驚きでした。なんとかもっと多くの人に知ってもらいたいと思いましたが、どうでしょう。自治体としてもなんとか支援していただけないでしょう。
 乃木坂のスタッフはどういうルートでこのお宅のことを知ったのでしょうね。たしかに映画やPVの撮影には最高だと思います。そういう形でもいいので、ぜひもっと世に知られてほしい。もちろん地元の人にも。
 またゆっくり拝見させていただく約束をして、玄関の門をくぐると、そこには現実の「今」が。本当につかの間のタイムスリップでありました。ありがとうございました。

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2018.05.26

身毒(インド)から生まれた二つの名作オペラ

Th_fly761 日は横浜でラモーの「優雅なインドの国々」を演奏してきました。素晴らしい歌手や演奏者の皆さんと共演できて幸せです。いろいろアクシデントがありましたが、それもまた楽しめました。
 ご存知の方には釈迦に説法ですが、ここで言う「インド」、すなわち18世紀前半のヨーロッパにとっての「インド」とは、今のインドを指すのではなく、非ヨーロッパ圏全体を指す言葉でした。
 その証拠に、このラモーのオペラ・バレエで取り上げられている国々は、トルコ、ペルー、ペルシャ、アメリカとなっています。いわゆる「東インド」と「西インド」ですね。
 この「インド」という言葉は、もともと大河(インダス川)を指すサンスクリット語の「シンドゥ」やイラン語の「ヒンドゥ」がヨーロッパや中国で訛ったものです。
 ちなみに「シンドゥ」に漢字を当てたのが、「天竺」や「身毒」です。のちに中国でも訛って、玄奘三蔵が「印度」という漢字を使い、現在に至っています。
Th_cfddcf_50fa38ac36de415bbc2d741a6 「身毒」というと、思い出すのが「身毒丸」ですね。「しんとくまる」と読みます。そういえば昨年、万有引力の身毒丸を観に行き、JAシーザーさんにお会いしましたっけ。
 この「身毒丸」は、謡曲「弱法師」の元になった中世の説経節「しんとく(俊徳)丸」を折口信夫が翻案した「身毒丸」を、さらに寺山修司が前衛演劇にしたものです。ちなみに三島由紀夫も現代能「弱法師」を書いています。
 折口がなぜ「しんとく」に「身毒」を当てたのか。これは明らかではありませんが、折口のことですから、当然かつてインドのことを「身毒」と書いていたことを知ってのことでしょう。「しんとく丸」もある意味仏教説話的でありますから、インドのイメージと、「身毒」という字が持つ、なんともおどろおどろしいイメージを重ね合わせたのだと思います。
 寺山はその「身毒」という字のイメージをさらにおどろおどろしく発展させたわけです。
 そう考えますと、インダス川から始まり、ヨーロッパではラモーのオペラ・バレエの名作「優雅なインドの国々」が生まれ、日本では寺山の見世物オペラの名作「身毒丸」が生まれたわけですよね。
 ある意味かなりいい加減だけれども、人間の想像力の連鎖によって豊かな文化が創造されたことに感銘を受けますね。
 両者とも、人間が抱く未知なる世界への憧れと恐れが表現されていると思います。エキゾチックな「モノ」への興味そのものでしょう。その中心に「大河」があるのは、実に面白いことです。

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