カテゴリー「文化・芸術」の1000件の記事

2023.10.01

『幻の弦楽器 ヴィオラ・アルタを追い求めて』 平野真敏 (河出書房新社)

Th_81v1v6jjdqs_sl1500_ 日は小岩でセミナー。そして今日は高井戸で楽団の練習。ちょっと事情があって、今日は普段使っている4弦ではなく5弦のヴィオラを演奏していたのですが、演奏中一番高い弦、すなわちE線が切れてしまいました。

 まあ基本使わない弦なので切れても問題なかったのですが。ちなみにこの弦は三味線の黄色い絹弦でした。まあ、こんな奏者いないでしょうね(笑)。

 5弦のヴィオラと言えば、この本の主役ヴィオラ・アルタも、オリジナルはE線を加えた5弦だったようですね。結果としては、そのE線は廃止され、さらに楽器自体も消される運命にあった…。

 実はこの本の前身である『幻の楽器 ヴィオラ・アルタ物語』は10年ほど前に紹介しております。その後、残念ながら著者で演奏者の平野真敏さんは若くして癌でお亡くなりになってしまいました。

 幻の楽器や変な楽器に異常な興味を持つ(楽器だけでなく、幻・謎・変なモノ大好きな)私は、最近ではヴィオロンチェロ・ダ・スパッラを変な演奏法で弾くのにハマっています。しかし、それはあくまでディレッタント的な立ち位置。

 平野さんは全くそういうレベルでのアプローチではなく、アーティストとして本当に運命的にアルタに出会い、そして謎を解明していくことになります。

 そして、前著の記事にも書きましたが、とにかく文章がうまい!そういう人だからこそ音楽の神様に選ばれて、この楽器の復権を任されたのでしょうね。

 遺稿の「クロアステカ」にもその文才は表れています。発表するつもりはなかったかもしれませんが、しかしだからこそ、てらわない文章の素晴らしいこと。

 最近、この楽器、本が「ゆる音楽学ラジオ」で紹介されました。そちらもご覧ください。

 私もいつかアルタを弾いてみたいでね。

 

 

 

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2023.09.30

『黒本 五』 高城剛

Th_51ur62utgl_sl1500_ 宙人同級生(?)高城剛さんの「黒本」最新版。

 かつてポッドキャストで対談した時にも話題となった「日本式システム」の話が満載です。ちょうど、教育における「日本式システム」について講演する機会が続くので良き参考書となりました。

 江戸時代に流行った朱子学をもとに作られた管理システムは、200年もの間、私たち日本人を締め付け続けてきたわけですが、一方で生来勤勉かつドMな日本人は、それへも見事に適応して国力をある程度高めてきました。富国強兵です。

 しかし、そんな日本人の「健気さ」を見て脅威に感じたアメリカは、今度はそのシステムの破壊を始めています。

 さて、次もまた日本人は見事な適応を見せるのでしょうか。高城さんは悲観的ですが、私は案外楽観的です。

 「日本式システム」以外にも、「内緒」の話が満載のこの本。たしかに大手出版社からはとても出版できない内容ですが、考えてみればAmazon Kindleというアメリカの情報産物を利用して、それを堂々と発表しているあたり、さすが高城さんというところでしょう。

 かつて、権力者を逆利用して世の中を動かしていた出口王仁三郎や仲小路彰を彷彿とさせますね。

 王仁三郎と言えば、この本の中に、「出口王仁三郎という人物について」という項目があります。さすがの考察なのですが、最後に驚くべきことが書かれていました。

 彼と私は同級(一日違い生まれ)なのですが、お互い大学時代に王仁三郎に出会っていたのですね。完全にシンクロしていてびっくりというか納得してしまいました。

 彼の言う通り、「出口王仁三郎の再解釈は、今後の日本でも水面下で脈々と続くでしょう」。

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2023.09.28

神仏習合とケガレ思想(平安時代)|茂木誠 (CGS)

 

 の日は軽井沢から飯能、そして奥多摩湖を通って山梨に帰ってきました。

 そして、現代を代表する禅僧山川宗玄老大師さまとお食事。般若湯を楽しみながら3時間にわたる問答。勉強させていただきました。

 仏教は深いし、未来的な可能性を秘めているなあ。

 考えてみれば、日本で日本的に発展した「禅」は、実は神道的でもあるのでした。特に「言葉」の「意味」にこだわらないところは、古来の「言葉を信用しない」につながります。

 今日の問答では、それを存分に楽しみました。

 茂木さんの語る「神仏習合」「本地垂迹」、そして「ちゃらんぱらん」もまた、日本的、大和的ですよね。これこそ大和魂です。

 「和」は「にこ」。「和々」は「にこにこ」。そう、私、よくセミナーで話しますが、「大和魂」って「グレートにこにこスピリッツ」なんですよね。すべてを笑顔で受け入れる。

 それが、排他的になり、「ナショナリズム」に変わっていくのはなぜか。そして、未来の「ナショナリズム」は、出口王仁三郎や仲小路彰の言う「(真の)グローバリズム」、「コスミカリズム」になっていくのでした。

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2023.09.27

仏教グローバリズムの衝撃/伝来から空海まで|茂木誠 (CGS)

 

 の日は仲間たちと皆神山と善光寺に行きました。

 皆神山の「天岩戸神社」は明らかに古墳です。石室がきれいに残っていますね。それが神社になっている。茂木さんの話にもつながってきます。

 ここは戦中、アマテラスの陵墓とされ、多くの軍人が訪れていました。もちろんそこには出口王仁三郎の影響もあります。そのあたりについては、こちらに書きました。山本英輔、山岸宏…。

 五・一五事件と皆神山

 時代を超えて人を、世界を動かしてきましたね。これからもきっとそうでしょう。皆神山はやばいです。 

 善光寺も面白かった。戒壇廻りはやっぱりすごい「装置」ですね。

 ふと思いましたよ。視覚はたまにはない方がいいなと。視覚に騙されていますから、私たちの日常は。特にこの動画時代においては。

 そう考えると、それこそアマテラスの「岩戸隠れ」には、また違った意味を見出すことができます。闇は決して悪いばかりではないと。

 善光寺はもちろん仏教寺院ですが、特定宗派に属するものではありません。それはある意味では神道や修験道の影響も強いということです。

 動画にもありますように、現代の私たちが考える以上に、神道と仏教は「同一」のものだったのです。

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2023.09.26

ヤマト連合国家vs中華グローバリズム/弥生・古墳・飛鳥時代|茂木誠 (CGS)

 

 きです。この日はリアルに諏訪大社や守屋神社にお参りしました。ちょうど国譲りの話もしました。私は国譲り神話について独特な解釈をしており、それは決して学問的な話ではないのですが、どこか茂木さんの語るところとつながっている気もします。

 オオクニヌシの和魂であるオオモノヌシを信仰した物部氏の話も出てきますね。オオクニヌシの荒魂が収まる諏訪に、和魂が会いに行く、しかしあの大断層(杖突峠)を超えられず、お互いに見える場所にいながら会えなかった、その場所が守屋山、守屋神社だと感じています。

 ユダヤのモリヤ山との関係を語る方もいますが、まあそれはファンタジーとして、実際あそこに行ってみると、あの大断層は脅威ですよ。今は国道が走っているとはいえ、古代においてはあの高低差はまさに「壁」。東日本と西日本を分ける「壁」です。行ってみないとわかりません。

 それにしても、外来である弥生系が神に王になっていく過程が面白いですね。ものすごく単純化してしまうと、縄文のところに弥生が来て、弥生が縄文に合わせたと。そして、合わせた方が「偉い」となっていく。これは面白いし、それこそ「日本的」「大和的」です。

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2023.09.25

古代日本人は狩猟民族だった!?〜後編〜|茂木誠 (CGS)

 

 日の続きとなります。茂木誠さんの歴史講座。

 実は旅先の一つが「諏訪」でした。この動画にもその「諏訪」が登場しますね。

 断層、磁場、レイライン、遺跡と神社。私が皆さんにお話した話を茂木さんもそのまま語っています。パクったわけじゃないですよ(笑)。これが日本文化の基本ですから。

 ミシャグジ、御頭祭、御柱祭、モリヤ山…本当に諏訪は面白い。古くて新しい。そこに富士山と出雲を絡めると実に面白いんでよね。

 アマテラスが弥生的で、スサノヲが縄文的というのはその通りです。スサノヲは騎馬民族的とも言えますが、だとしたら馬の皮は剥がないかなあ。

 まあとにかく茂木さんのおっしゃる通り、中国(唐)という巨大国家の存在が、私たちを「日本人」「大和人」として目覚めさせたのは事実でしょう。

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2023.09.24

古代日本人は狩猟民族だった!?〜前編〜|茂木誠 (CGS)

 日は29日です。旅に出ておりまして更新が途絶えておりました。頑張って追いつきます。

 というか、手抜きで動画紹介を続けます。

 茂木誠さんの歴史解説シリーズです。「日本を取り戻す」をコンセプトとするCGSの動画。CGSは現在参政党代表の神谷宗幣さんが10年前に始めたチャンネルです。

 

 

 「言挙げせぬ国」「日本人は根本的に言葉というものを信用していません」…よくぞ言ってくれました。私もよく講演などでその話しますよね。

 江戸時代後期からの誤った「言霊信仰」には正直うんざりします。特に昨今のなんちゃってスピ系の方々「言霊信仰」「文字信仰」は全く的外れで気持ち悪い(苦笑)。

 狩猟民族、山の民、森の民…たしかに日本のベースはそこにあります。個人的には「日本」は取り戻さなくともちゃんと私たちの中に生き続けていると思います。

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2023.09.23

富士学苑中・高ジャズバンド部 第21回リサイタル「Night and Day」

Th_-20230924-124352 日からの泊まりの仕事を終えて帰宅しまして、ちょいと仮眠をとったあと、夜はふじさんホールへ。

 今日はウチの学校のジャズバンド部のリサイタル。サブタイトルが示すとおり、今年はなんと昼夜二部公演。演歌歌手並みのスタミナと集客力ですね(笑)。

 昼の部はOGにして、先日の山野ビッグバンド・ジャズ・コンテストで「最優秀ソリスト賞」を受賞したサックス奏者の渡邉瑠菜さんがゲスト。

 そしてなんと夜の部は、彼女の師匠でもあり、日本を…いや世界を代表するサックス奏者である本田雅人さんがゲスト。生徒たちにとっても夢のようなステージですね。

 そう、そんな生徒たちのドキドキ・ワクワクが実にいい方向に表れたコンサートとなり、私を含むお客様皆さん全員が、幸せな時間と空間と波動を共有することができました。素晴らしい。そして感謝。

 やはりステージ上の演奏者自身が、その場を楽しまないとダメですね。ただ練習の成果を発表するだけなら、それはまさに「発表会」に過ぎません。発表会の客席は、それをただ聞いたり評価したりするだけ。それもつまらないものです(大概自分の身内が活躍する場面以外は眠くなる)。

 今日は本当にステージと客席が喜びと感動(ドキドキ・ワクワクと涙)で交流できた、まさに「ライヴ」だった思います。生きてて良かった!

 瑠菜さんやバンドの中高生ももちろん上手でしたが、いやはや何と言っても本田雅人さんの圧倒的な存在感には全聴衆&全共演者が度肝を抜かれましたね。

 何度か彼の生音を聴いたことがある私は、ある程度予測して(会場最後方で)彼の音を待ち受けていたのですが、そのエネルギーの高さと言ったら、まあ本当にすごすぎて、正直「ため息」と「涙」しか出てきませんでした。

 隣の野球部関係の先生も、「音楽はあんまりよくわからないけど、これはとにかくすごい世界だということだけはわかった!」と言っていました。私は「そう、大谷翔平の次元だよ」と説明しましたよ、思わず。

Th_-20230924-172242  そんな神と共演できる生徒たちは幸せです。うらやましい…と思っていたら、なんと副顧問兼ヴォーカリストのウチのカミさんが、本田さんと共演しているではないか!カミさんの歌に本田さんのサックスが絡んでくれている!wwwww

 ありえない僥倖です。最近どうもウチのカミさんは歌の神様に気に入られているようで、信じられない人たちと一緒に歌ってばかりです。ありがたや。もちろん本人も大興奮、大感動しておりました。

 いやまずは、このように多く人に信じられない幸せを用意してくれた、顧問の大森先生に心から感謝と敬意を評します。おそらく日本一忙しい校長先生ですよ、本当に。ご苦労さまでした。そして、ありがとうございました。

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2023.09.20

『戦後GHQに禁止された神秘の植物「大麻」』 中山康直×川嶋政輝

 

 イフワークの一つが絹と麻の均衡的復活です。

 先日、サトマイさんの動画を紹介しましたが、今日も麻について良い内容の動画がアップされていたので紹介します。

 とにかく麻は万能な植物なのですよ。その安全で万能な植物を禁止したのは、動画で語られているとおり、その裏に石油産業があったからです。

 さすがに20世紀的な石油文明は終焉を迎えつつあるので、こうして麻の「再発見」が進むことは当然の成り行きです。

 前にも書きました通り、かつて世界中で栽培され活用されてきた麻の中でも、特に日本産の麻の品質は非常に高かった。さらに最近の農業技術を応用すれば、日本の一大産業になりえます。「JT=ジャパン・タイマ」という時代が本当に来ると思っています。

 まずは医療用、そして産業用でももちろんOK。この動画でも紹介されているように、ヘンプカーは大変面白いですよね。20世紀的石油産業の象徴たる自動車がヘンプに回帰していくとしたら、まちがいなく世界は変わります。

 今、自動車産業内では、石油産業の上に乗っかったままの「電気」が異常なまでに持ち上げられていますが、その虚妄もそのうち暴かれるでしょう。

 中山さんは同じ静岡県出身の同年代ということもあり、その活動に注目してまいりました。今後何かの形でコラボできればと思います。

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2023.09.17

アニメ映画『犬王』 (湯浅政明監督作品)

 

 日の動画でも紹介されていたアニメーション映画「犬王」。

 娘が能をやっていることもあって興味深く鑑賞いたしました。こういう作品好きだなあ。境界線を感じさせない世界観。

 お変人のワタクシからすると、観阿弥も世阿弥も犬阿弥(道阿弥)も相当ロックなアーティストでした。

 今では能というと静かで眠くなる舞台芸術のように思われていますが、あの時代はその時代性とも相まって、能楽はかなり過激な野外フェスでした。

 そのあたりの空気感を、現代のロックと融合させることによって、見事に表現しているのがこの作品だと言えます。そうした時代を超えた融合に違和感を抱くとするなら、その人は時代や歴史や伝統というフィクションにとらわれているのでしょう。

 そういう意味でも、できれば劇場で鑑賞したい作品ですね。実際、この映画では現代の風景が額縁のように配置されていますが、私たちの側も現実の風景から隔離される空間と時間が必要です。

 近年の名作ドラマ「俺の家の話」の時も、能楽界がざわつきましたが、この映画についてはどうだったのでしょう。伝統に対して失礼だと言った人もいましたが、はて、観阿弥や世阿弥、犬王が現代に生きていたら、もっと過激な作品を世に問うていたのではないでしょうか。

 特に犬王は、世阿弥が「こいつ最高!」と評価したアーティストでしたからね。

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