カテゴリー「文化・芸術」の1000件の記事

2025.05.01

能『杜若』

Img_9938 岡二日目。大本のギャラリーを訪問し、ゆっくりお作品を鑑賞。母と伊都能売観音さまを引き合わせることができました。

 と思ったら、なんとギャラリーに知り合いが数人!それも最近お会いした人たち。

 最近そういうことが多いのですが、なんの示し合わせもなく、いろいろなところで知人とばったり会うのです。全国で。

 さて、時節柄、万祥池のカキツバタが満開でした。美しい。

 大本さんと言えば、万祥殿にある立派な能舞台も有名です。能をやってきた次女もその素晴らしさに感動しておりました。

 芸術を宗教の母とする大本さんでは、能も大変重要な修行の一つです。ちょうど二日後に「大本みろく能」が行われるところでした。

 能も流派がいくつかありますが、大本さんではその流派が皆仲良く集まります。象徴的ですね。

 ということで、今日は能「杜若」を鑑賞いたしましょう。

 

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2025.04.29

『だっこがしたい足くん』 そうた (Clover出版)

81hwpcqvl_sl1500_ 京は築地でセミナー。今日も楽しくお話させていだきました。

 さて、昨日は絵本作家でもある大宮エリーさんの訃報を受けて記事を書きましたが、先日の宍粟市でのセミナーにとっても素敵な絵本作家がゲストに来てくれました。

 そうたくん。「だっこがしたい足くん」という、とってもピュアかつユーモラスな絵本の作者。小学生絵本作家さんなのです。

 世間でいう発達障害「だった」そうたくん。彼が大切にして世界に広げようとしているは「だっこ」。

20250506-144930 この日、初めての彼との交流は「ピアノ」でした。言葉ではなく音楽の即興演奏コラボですぐにお友だちになりました。音楽で「だっこ」したのです。

 「だっこ」は愛でしょう。そうたくんは、お母さんの愛をたくさん受けて、発達障害から絵本作家に変身しました。

 この作品は、ある意味昔のそうたくんなのかもしれません。いろいろな意味での「だっこ」をしたいけれど、してもらいたいけれど、うまく表現できなかった。

 そんな自らをユーモアもまじえて客観的に描けるのは、小学生としてはある意味「異能」です。それを世間では発達障害と言ったりするわけで、そうした「異能」が生かされない学校教育、あるいは社会全体に、私は強烈な違和感と危惧を抱くものです。

Img_0013 この日、そうたくんは学校をサボって私の講演会に来てくれました。そして、8時間にわたり、じっと私の話を聞いていてくれました。私もうれしかった。

 彼は5月25日に「サムライ講演会」の決勝戦に出ることが決まっており、そのリハーサルも休み時間にやってくれました。「だっこは地球を救う」「パンダフル」…私は涙が止まらず困ってしまいました。

 決勝戦当日は、オンライン投票もできるようなので、ぜひ皆さん、そうたくんを応援してください!

 サムライ講演会

Amazon だっこがしたい足くん

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2025.04.28

追悼 大宮エリーさん

Img_5210 梨で学校のお仕事の日。

 残念なニュースが。尊敬する大宮エリーさんがご病気でお亡くなりになったと…。若すぎる。惜しすぎる。

 最初にエリーさんを意識したのは、大好きな「サラリーマンNEO」でした。すごい脚本家がいるなと。

 写真は2019年、初めてお会いした時のもの。私主催の忘年会に来てくれた時です。本当にマルチなお仕事をされている方で、私にとっては本当に憧れの方。お手本となるような方でした。

 忘年会後も時々連絡を取り合って、私にアドバイスくれる時も、逆に私がアドバイスさせていただくこともありました。

 レベルは違えど、お互いマルチな宇宙人ということで、不思議な共鳴のある関係だったと思います。

 コロナ後は私も忙しく、なかなかお会いする機会がありませんでした。最近では私も縁のある妙心寺の塔頭で襖絵の展覧会をやっていました。行きたかったけれど行けなかった。

 ただただ残念です。僭越ながら、少しでも御遺志を継ぐことができればと思っています。

 御冥福をお祈りいたします。

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2025.04.25

国語便覧(第一学習社)

 阪市内で中級セミナー。

 今朝こんなネットニュースが。

国語便覧、突如SNSで注目 まさかの過去最速完売「情報量えげつない」「これぞ教養」「コスパ最強」の声

 やっと世間が気づいたか。私はこのブログでも20年近く前に「第一学習社」の「国語便覧」をおススメしていたんですよ!

 我ら国語教員にとっては、便覧は良き教材であり、どこの便覧が一番いいか、各社から送られてくる見本、献本をけっこう隅々まで見るのですよ。

 で、ワタクシ的には第一学習社が一番いいなと思って採用してきたのです(最近現場では使っているのか分かりませんが)。ちなみに次にいいなと思っていたのが「浜島書店」版。

Img_9878 今も仕事場の机の上に、いつでも開けるように置いてあります。こんなふうに。「2024年度用 審査用見本」とありますね。

 昔より高くなったとはいえ、この情報量と質で約1000円(税込み)はたしかに安すぎる! 大人の教養書としては最高ですね。

 何よりグラフィック的に楽しいので、ふとめくって、ふと眺めて、ふと読み始めるという使い方にぴったり。

 考えてみると、自分の高校時代、数学の時間とかに国語便覧を読み漁ってたっけな。読んだページに印をつけて、3年間で全部読み終わった記憶があります。

 教科書よりも早く時代に適応しているのも良い。各社競って、日本語や文学についての最新トピックを取り入れようとしますからね。

 かつてセールスの方に聞いたことがあるのですが、便覧に関しては(も)、各社がお互いのものをよく読んである意味真似るので結果として似たものになるとのこと。まあそうなんでしょうね。

あとは、教科書も全般に言えることなのですが、だんだん大型化している。そして、一部デジタル化している。この第一学習社版も、QRコードで専用ページに飛んで、動画などを参照することができるようになっています。

 というわけで、私からもあらためておススメいたします。

 ところで、なんで国語だけ「便覧」なのでしょうね。あとはだいたい「資料集」なのですが。

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2025.04.16

食と五感

Img_9835 倉でセミナー。鎌倉というところも本当に魅力的ですよね。

 お昼はおいしいとんかつ、夜はとってもオシャレなディナーをいただきました。写真は「エビフライ」。初めてこういうの食べた!美味しいし食感が抜群。

 食は究極のアートですよね。五感すべてに訴えかける唯一のアート。

 味覚はもちろん、視覚、嗅覚、触覚、そして聴覚も。調理する時の音、食する時の音。そして最終的には第六感さえも刺激する。

 もちろん、空間も大切です。これは五感には入りませんよね。まさに「空感」とでも言うべきファクター。

 土地、場所という要素とも言えます。旅と食は切り離せません。

 そういう意味では「お酒」も同じようなアートですよね。もちろん料理とお酒のアンサンブルが最もぜいたくなアート。

 ここ数年は、毎日その土地土地の最高の料理とお酒をいただける幸せを、本当に痛感しております。生きている喜び。仕事する喜び。感謝。

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2025.04.15

スプーン&フォーク曲げ

↓click!
Img_9825

 京牛込にてセミナー。リクエストいただき、またまたスプーン曲げとフォーク曲げを披露いたしました。たまたまそこにあったものを許可を得て、というか頼まれて使用しました。

 とにかく私は「芸術品」として「飾れる」ように仕上げることにこだわっています。あといちおう「使える」ように曲げます。

 でないと、物に対して失礼ですし、はっきり言ってなんのためにもならない迷惑行為になってしまうからです(笑)。

 今回もまあまあ個性的に美しく曲げられたと思います。もちろん、皆さんが見ている前でスイスイと仕上げていきます。

 ユリ・ゲラーにもほめられた(?)この技は、はっきり言って超能力ではありません。普通の馬鹿力でもありません。技術です!

 ほしい方は、100円ショップとかで買って持ってきてください(高級なものは曲がりません!w)。

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2025.04.11

小林一三『清く、正しく、美しく』(風々齋文庫)

A1egbcnl9sl_sl1500_ 阪蛍池でセミナー。阪急宝塚本線で蛍池駅へ。山梨県出身、小林一三の一存で「麻田」が「蛍池」になったとのこと。由来となった「蛍ヶ池」はかなり離れていますが、結果として駅周辺の地名も「蛍池」に変わりました。

 小林一三といえば宝塚歌劇団。最近各地のセミナーで語っておりますが、ここ数年のジャニーズ、宝塚叩きは目に余るものがありましたね。ジャニーズに至っては消えてしまいました。

 先日書いた「ヤクザ」もそうですが、彼ら彼女らも「異形の者」。すなわち御神事に関わる人種です。

 それこそバッシング覚悟で誰かが言わなければならないので敢えて言いますが、ジャニーズは「残念なイケメン」たち、宝塚は「残念な美女」たちです。そう、背丈が「異形」なのでした(近年は以前とは違う傾向も見られましたが)。

 そして、双方ともファンのほとんどは女性。つまり、両者は「女性のストレス(荒魂)」解消という御神事に多大な貢献をしてきたのです。ここが大変重要。

 男性にとって女性の「自然の」荒魂は制御しがたい難物。それを清らかな方向に束ねていたのが彼ら、彼女ら。

 それは女性、男性双方にとって実に幸せな機能であり歴史的な結果だったのです。それを西洋的なコンプライアンスやら人権意識から、あのように消し去ろうとするのは、陰謀論嫌いな私とても何かの意図を感じずにはいられません。

 「清く・正しく・美しく」は、宝塚歌劇団のモットーであるとともに、日本神道のモットーであったはずです。

 あらためて小林一三のこの本を読んでみましょうか。一三が、宝塚少女歌劇を、西洋音楽による歌舞伎として認識していたことがわかります。一見、西洋的なものに阿っているかに見えますが、実はあくまで日本人の生活の中の「娯楽」、すなわち西洋的労働の反対側にある「日本的芸能神事」の新型を生み出そうとしていたことに気づくでしょう。

 伝統的男性歌舞伎の反対側とも言えますし、面白いことに「高校野球甲子園劇場」とも対を成すことがわかります。高校野球もまた「清く、正しく、美しく」であり、それはエロチシズムが巧妙に排除された「神話」の世界なのでした。

 そして、それがともに兵庫県で行われていることに驚きさえ覚えるのでした。六甲山おそるべし。

Amazon 清く、正しく、美しく

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2025.04.03

神田明神という混沌

Img_9700 田明神参道わきにて中級セミナー。寛永寺とともに江戸の鬼門封じである神田明神。なんとも良い雰囲気を持っています。

 だいこく様、えびす様、まさかど様という三神を祀るというのがいいじゃないですか。

 この日も話しましたが、日本の祭りは二元論に陥らず、聖俗混沌しています。ご利益のためなら「祟り」の力をも借りる。荒魂で荒魂をコントロールするというのも日本的です。

 神田明神のそうした良さは現代にも見事に引き継がれています。

 たとえばお隣アキバから流れ込んだオタク文化をも見事吸収していますし、もう長いことプロレスの現場でもあります。

 今年ももうすぐLLPW-Xの奉納興行「生き抜く力」がありますよね。今年もまた神取忍とダンプ松本の絡みを観られるのか。昨年のメインイベントの様子を観てみましょう。最高ですね!

 

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2025.04.02

綾小路きみまろ『爆笑スーパーミニライブ』

 津2日目。中級編セミナー。会場のカレー屋さんのカレーも美味しかった!

 私のセミナーは「漫談」のようだとよく言われます。たしかに毒舌(愛あるディスり)がたくさんありますしね。悪口を笑顔で言い合えるのが本当の友情ですから。

 というわけで、漫談の心の師匠は綾小路きみまろさんです。

 私の話のオーディエンスもマダムが多いですからね。マダムの笑いのツボを押さえることはとても重要です。

 とはいえ、さすがにここまで直接的に「女性性」をディスることはできません(笑)。ここまでの境地になるには、まだまだ修行が必要です。

 私はどちらかというと「女性性」というより、「人間性」…一般的な意味でのそれではなく、「人間」の「サガ」…をディスりまくりますからね。

 まあ、よく聴いていると、きみまろさんも「女性」だけでなく「男性」をもかなりディスっていますよ。つまり、彼も「人間性」を面白おかしくおちょくっているのです。

 ここまで、日常のマイナスを笑いに変えるとお互いスカッとしますよね。もう、どうでもよくなる。これでいいのだ!と。

 尊敬しております。

 

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2025.04.01

『アルプススタンドのはしの方』 城定秀夫 監督作品

320_20250406174001 津温泉でセミナー1日目。上野から特急草津・四万で移動。移動中、この映画を観ました。

 先日、横浜高校の優勝で幕を閉じたセンバツ高校野球。セミナーでよく話しますが、高校野球、特に「甲子園」はスポーツではありません(こちら参照)。

 あまりに独特な世界ですから、反対側からすると「気持ち悪い」ことになりますが、だからといってそれだけではすまされないモノ(なにか)がありますよね。

 私も批判的に語る時もあるにも関わらず、あの世界が大好きです。その一筋縄でいかない、不思議な「興奮」を実に上手に表現したのが、この「アルプススタンドのはしの方」でしょう。

 まさに反対側であるはずの「演劇部の女」や「優等生の女」や「野球部やめた男」が、いつの間にかその「興奮」の中で「興奮」していく様子を描いた戯曲。そう、高校演劇の名作の映画化がこの作品です。

 私の大好きな、そして尊敬する城定秀夫さん、さすがです!

 超低予算で、ここまで深く、感動的、ある意味煽情的な作品を撮ってしまうのですから。いやあ、これはある意味「禅的」な表現でもある。

 野球のシーンは皆無です。歓声や打球音といった「環境音」によって、世界を想像させつつ、そこに埋もれるはずの「会話」や「気持ち」を見事に掘り起こし、ドラマに仕立てる。

 もちろん、原作の脚本の素晴らしさもありますよ。しかしやっぱり城定監督の手腕だよなあ。さすが「どんなジャンルやお題でも傑作に仕上げる映画料理人的な職人監督」。

 これはおススメです。私も主人公たちと同じ気持ちで、批判、冷視から「興奮」に至ってしまいましたよ。

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