『幻の弦楽器 ヴィオラ・アルタを追い求めて』 平野真敏 (河出書房新社)
昨日は小岩でセミナー。そして今日は高井戸で楽団の練習。ちょっと事情があって、今日は普段使っている4弦ではなく5弦のヴィオラを演奏していたのですが、演奏中一番高い弦、すなわちE線が切れてしまいました。
まあ基本使わない弦なので切れても問題なかったのですが。ちなみにこの弦は三味線の黄色い絹弦でした。まあ、こんな奏者いないでしょうね(笑)。
5弦のヴィオラと言えば、この本の主役ヴィオラ・アルタも、オリジナルはE線を加えた5弦だったようですね。結果としては、そのE線は廃止され、さらに楽器自体も消される運命にあった…。
実はこの本の前身である『幻の楽器 ヴィオラ・アルタ物語』は10年ほど前に紹介しております。その後、残念ながら著者で演奏者の平野真敏さんは若くして癌でお亡くなりになってしまいました。
幻の楽器や変な楽器に異常な興味を持つ(楽器だけでなく、幻・謎・変なモノ大好きな)私は、最近ではヴィオロンチェロ・ダ・スパッラを変な演奏法で弾くのにハマっています。しかし、それはあくまでディレッタント的な立ち位置。
平野さんは全くそういうレベルでのアプローチではなく、アーティストとして本当に運命的にアルタに出会い、そして謎を解明していくことになります。
そして、前著の記事にも書きましたが、とにかく文章がうまい!そういう人だからこそ音楽の神様に選ばれて、この楽器の復権を任されたのでしょうね。
遺稿の「クロアステカ」にもその文才は表れています。発表するつもりはなかったかもしれませんが、しかしだからこそ、てらわない文章の素晴らしいこと。
最近、この楽器、本が「ゆる音楽学ラジオ」で紹介されました。そちらもご覧ください。
私もいつかアルタを弾いてみたいでね。
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