【戸塚宏】令和の今、体罰を語る
今日は山梨の私学研修で講師を務めさせていただきました。新時代の生徒指導ということで、20世紀的な軍隊教育からの脱却を前提にいろいろお話させていただきました。
当然、体罰や暴言、恫喝や威圧、無視や差別などの精神的攻撃も否定しました。それは時代の流れとして当然のことではありますが、一方で前時代のあの教育手法が完全に間違っていたとか、意味がなかったとか、そんなふうには思っていません。
時代によって解釈や価値観が変化するのは当たり前です。百年も経てば評価が180度変わることもがいくつもあることは、歴史を勉強していれば分かります。ものごとはそんなに単純ではありません。
ある意味無垢な進歩史観から、まるで前時代の人間が愚かであったかのような言い方をする革新主義者もいますし、その反対に「今どきの若者は」に代表されるような間違った保守主義者もいます。
かと思うと、今日も例としてお話しましたが、今やっている甲子園の抱える軍隊性についてはどちら派も看過してしまったり、まあ非常に人間の価値判断はいい加減なものであります。ノスタルジーなどの感情が論理を超えてしまうわけですね。
さて、では皆さん。皆さんはこの炎上している動画を見て、どのようにお感じになりますか。私は一概に肯定も否定もできないのです。かなり複雑な感情になりつつ、冷静に分析するのですが、それでもやはり一つの結論にはたどり着けていません。
人が複数死ぬ事件を起こした人が語っているという前提は一旦外してみてください。その上で、彼の語っていることをどう解釈、判断しますか。
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