カテゴリー「経済・政治・国際」の775件の記事

2017.08.15

『731部隊の真実~エリート医学者と人体実験~』(NHKスペシャル)

 戦の日。昨日まで出かけていたので、たまっていた録画をいくつか観ました。その一つがこれ。
 人間性を奪う戦争の恐ろしさを感じずにはいられません。
 これを「捏造だ!」と言ってしまうのは簡単ですし、実際、アメリカやソ連の思惑がからんだ難しい事件であることはたしかです。
 南京事件などもそうですが、「なかった」と言ってしまうのは、やはり言い過ぎでしょう。かと言って「あった」として全面的に認めるのもどうかと思います。
 そう、8月15日にはいつも思うのですが、たとえば靖國の英霊たちも、まさに十人十色で、戦争で散ったことを無念に思い、国を恨む人もいれば、お国のために戦ったことを心から誇りに思っている人もいます。
 軍人に限らず、あの戦争を正しかったという人もいれば、いや間違っていたという人もいるはずでし、あの当時もいたはずです。
 いつかも書いたとおり、そうした無数の感情や志、未来への思いなどを十把一絡げにしてしまうのが「歴史」の残酷さだと思います。
 ですから、この番組をめぐって左右の人たちがお互いを認めず、罵り合ったり蔑み合ったりしているのを見ると、実に残念な気持ちになります。
 これもいつも書いているとおり、私たちは、自分の中にも、残酷な自分や弱い自分、ずるい自分、反対に強い自分や正義を守る自分、あるいは迷う自分などがいることを認めないといけません。
 一面的に過去の戦争を語ることが対立を生み、次の戦争を準備してきたという歴史的真実を忘れないことも忘れてはいけません。
 最近、かつて日中戦争に赴いた祖父が書いた本をあらためて読みました。私と同じ高校の教師だった人です。教育者として兵隊になり、戦後帰国してから再び教壇に立った祖父。喜寿を迎えた祖父が書き残してくれた大切な真実です。
 祖父は私にとっては本当に人間味あふれる、尊敬すべき人でした。そんな祖父が戦地でどのような体験をし、どのような精神状況におかれたか、その本には詳細に書かれています。
 ごく身近な人にのみ配布された私家本でしたが、非常に重要な記述も含まれていますので、近くこのブログで全文を紹介しようかと考えています。
 

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2017.08.14

【討論】これでいいのか?政治と宗教(チャンネル桜)

 田から12時間かけて富士山に帰って来ました。東北道や関越道は大渋滞ですので、日本海回り、山形、新潟、長野を経由するいつものコースをゆっくり走ってきました。
 なにしろ12時間も時間がありますから、車内では高校野球をラジオで聞いたり、いろいろな音楽を聞いたり歌ったり。そして、家族が寝ているスキを狙って(?)1.7倍速で聞いたのが、この討論。
 いやあ、実に面白かった。まあ最も興味のあるテーマですしね。そして、島田さんや上祐さんが参加している。すごいなチャンネル桜。水島先輩。
 彼らか参加したことにいろいろ批判もあるかもしれませんが、私の感覚としては、やはりお二人は重要なことをおっしゃっていると思いましたよ。
 そう、以前こちらにも書きましたとおり、オウム真理教事件は自分にとっては他人事ではないのです。他人事のように一方的に糾弾したり、忌避したりできません。
 彼らが(おそらく)そうであるように、自分たちなりの方法で、そこを乗り超えないと未来的真理には近づけないのです。
 …というわけで、時間があまりないので細かいことは書きませんが、とにかく面白いので、ぜひ聴いてみてください。それにしても、「政治=まつりごと」と誰も言わなかったのは意外といえば意外でした。核心すぎるのかな。

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2017.08.06

『ドラマ東京裁判 第3回&第4回』(NHKスペシャル)

 日の続き。後半です。
 たしかに映画としては描ききれない、テレビドラマだからこその表現もありますね。当時の映像をカラー化して挿入しているのもいい。リアル感が増している。
 さて、後半の一つのクライマックスは、例の東條英機の天皇に関する発言でしょう。昭和22年の大晦日のことです。この発言が「天皇無罪論」を揺るがすことになりました。
 しかし、年が明けて昭和23年1月6日の法廷の東條自身の発言で、それは見事に覆されます。
 あの見事な逆転答弁の裏には何があったのか。ドラマでも、キーナンと東條の打ち合わせがあったことが示唆されています。
 実は、その年末、あの田中隆吉は山中湖にいました。その田中を呼び出しアドバイスを与えたのが、仲小路彰です。仲小路は東京裁判の意味、特に天皇を護ることの重要性を語りました。
 大晦日、田中はキーナンから電報を受け取り、急遽東京に向かいます。そして、キーナンと会談し、結果として木戸幸一を通じて東條に仲小路からのアドバイスが伝わることになって、あの運命的な発言に生まれました。まさに仲小路彰が天皇を、日本を救ったのです。
 知られざる歴史秘話ですよね。
 広島原爆忌にこの秘話を書くというのも、なんとも運命的な感じがいたします。

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2017.08.05

『ドラマ東京裁判 第1回&第2回』(NHKスペシャル)

 年末放送されて物議を醸したドラマの再放送がありました。今日と明日二日間で全4回を放送。
 今日は前半の第1回と第2回。
 昨年末見逃したうえに、今回も放送されるのを知らなかったため、あとからある人に聞いてネットで観ました。なるほど、よくできたドラマですね。
 今日放送された前半に関しましても、いろいろ書きたいことがありますが、スミマセン、時間が本当にないので、あらためていつか書きます。
 やっぱりパル判事の存在感ですね。私も彼の言うことが一番真実に近いと思います。このドラマでのパル判事の描き方はなかなか秀逸ですよ。保守派の論壇からは批判もありましたが、かなり実像に近いと思います。

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2017.08.03

第3次安倍内閣

Th__20170804_114902 閣改造。第3次安倍内閣が誕生しました。難産でしたね。
 だいたいが、改造しなければならない理由が「身から出た錆」でしたからね。マスコミや野党が異常倒閣運動をしていることも事実ですが、たしかに安倍政権自身の油断、傲りというものもありました。
 安倍総理も記者会見の冒頭、深々と頭を下げましたね。これは長期政権にはありがちなことです。人生と一緒ですよ。それをどうプラスに転換するか。そこが実力の見せ所です。
 さて、今回の人事、一番のサプライズはやはり河野太郎さんの外務大臣就任でしょう。お父様の河野談話の件もありますし、過去の外務省批判もあります。親中・親米ですし、原発反対ですし、安倍さんとは相容れない部分が多いはずです。
 米中韓、そして北と微妙な関係にある現在、あえてこのような人事をしたことは、もしかすると大成功につながるのかもしれませんね。私たち国民のあずかり知らぬところでのパワーバランスというのがあるのでしょう。
 ちなみに河野太郎さんの奥さんと私は、小学校の同級生。憧れの帰国子女でした(笑)。まさか河野洋平さんのところのお嫁さんになるとはねえ…彼女、いつかも書きましたが、私の天敵だった(?)向山洋一先生の秘蔵っ子でした。
 野田聖子さんの総務大臣も話題になっていますが、私はそこはあまり気にしていません。
 それより、ワタクシ的に最も注目するのは…厚生労働大臣に就任した加藤勝信さんです。加藤さんとは、間接的にではありますが、今とてもとても近い関係にあります。
 医療界の、それこそ強力な岩盤規制に風穴をあけてもらいたいところです。期待していますが…働き方改革の方で忙しくなっちゃうかなあ。
 そして、加藤さんは拉致担当大臣も兼任します。何度も書いてきたとおり、横田めぐみさんは私の同い年の幼なじみです。父親どうしが同じ職場で、同じ社宅で遊ぶ仲でしたから、とても他人事とは思えません。
 そういえば、田原総一朗さんが総理と会談し、政治生命を懸けた大冒険を…と言っていましたが、その冒険は、小泉総理が、ちょうど同じように支持率の下がった時に敢行した北朝鮮訪問、首脳会談に近いものなのでしょうか。
 そのあたりについては、また後日書きたいと思います。
 いずれにせよ、安倍さんに替わる人物が、与党内にも野党にも見つからない現在、安倍さんをより良い方向に修正していくのがベストだと思いますので、私は現内閣を応援、そして批判していきます(上から目線ですな)。

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2017.07.31

昭和32年の「ICBM」

 28日、北朝鮮が2度めのICBM発射に成功しました。防衛大臣の不在に合わせたタイミング。そして、いよいよ、アメリカ本土が射程距離に入り、トランプ大統領もちょっと本気になったかもしれません。
 さて、ICBMとは日本語で言うと「大陸間弾道弾」。英語ですと、 intercontinental ballistic missile 。
 なんとなくICBMというと、最新兵器のような気がしますが、案外歴史は古く、第二次世界大戦のドイツのV2ロケットにまでさかのぼります。
 V2を改良パワーアップさせたA9、A10の二段ロケットミサイルは、ヨーロッパからアメリカ大陸を直接攻撃することを目標に開発されつつありました。終戦前にはすでに開発を断念していたようですが、もし完成していれば、それこそ初めてのICBMとなり、実際に使用された可能性もあります。
 その技術は冷戦下のソ連にひきつがれ、実質的な初めてのICBMは、1957年のスプートニク1号の打ち上げに使用されたR-7ということになりましょうか。
 そう、米ソ冷戦下での両国の宇宙開発競争には、大陸間弾道ミサイルの完成、実用化を誇示する意味合いもあったわけですね。
 さて、1957年といえば昭和32年です。その昭和32年の、「新宗教新聞」を読んでいましたら、なななんと、「ICBM」という単語が出てきていて驚きました。はあ、やっぱりスプートニクの成功は、分かる人にとってはまさに大陸間弾道弾の完成を意味していたわけですね。
 なにしろ、それを書いたのは、当時防衛庁顧問だった富岡定俊。富岡定俊といえば、名海軍少将であり、あのミズーリ艦上での降伏文書調印に立ち会った人物です。
 そして、昨日の川添浩史、坂倉準三らと並び、戦前、戦中、戦後を通じて、仲小路彰に私淑した人物です。
 その富岡が「新宗教新聞」に書いた記事を御覧いただきましょう。

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 戦後の富岡は山中湖の別荘におり、ますます仲小路彰の教えに強く影響を受けるようになっていました。戦後、富岡をある意味有名にした「未来予測」「未来学」は言うまでもなく仲小路のそれそのものです。
 仲小路も実戦現場で活躍し続ける富岡に敬意を表しており、喜んで富岡のゴーストライター的な役どころを引き受けていました。
 この新聞の記事も、その宗教観、歴史観、平和観、国連観など、いかにも戦後の仲小路彰という感じがします。というか、文体も仲小路そのものと言っても良い。
 すなわち、仲小路明は、昭和32年の段階において、ICBMの脅威、それも未来的な脅威を予知していたとも言えるのです。そのあたりの慧眼はさすがですね。
 はたして、この記事にあるような役割を、今後日本はできるのでしょうか。
 よく見たら、この記事が書かれたのが1957年8月29日とあります。スプートニク1号の打ち上げ成功は10月4日。なんとまあ、これもまた一つの未来予知のようなことになっていますね。驚きです。
 蛇足になりますが、当該記事の左下にあるPL教団の野球の試合の告知。あのPL学園高校の硬式野球部の創部が昭和31年ですから、前年ですね。ここから50年にわたるPL野球部の栄光の歴史が始まるわけです。
 そして、今年2017年、実質的な廃部となりました。なんとも言えない歴史の残酷さというか、世の中の栄枯盛衰を見るような気がします。


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2017.07.30

シルクセンター@横浜

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 前も紹介しましたが、昨日演奏会の合間に再び訪問いたしましたので、ここに紹介します。
 一昨日、本当に不思議すぎるご縁で、シルクに関する大きな大きな前進を実感することができましたことを、その時に直観しましたとおり、高松宮妃喜久子さまにご報告感謝申し上げてきました。

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 そう、横浜のシルクセンター内にあるシルク博物館には、喜久子さまの揮毫になる、かつての「シルクギャラリー」にあった「絹の道」の看板や壁飾が展示されているのです。

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 昭和39年(私が生まれた年です)の東京オリンピックを中心に何年間か、「日本の絹を世界の女性に」というコンセプトで作られた高輪光輪閣の「シルクギャラリー」。それについては、今調査してまとめているところですので、近いうちにどこかで発表できると思います。

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 見事な「有栖川流」の文字ですよね。高松宮家は有栖川流の祭祀や芸道を継承しました。有栖川家に続き、高松宮家も断絶してしまったので、現在それを継いでいるのは秋篠宮家とうかがっております。
 少し話がそれますが、競馬の高松宮記念に関係して「シルクロードステークス」というのがありますが、この名称は高松宮家とシルクロードとの深い関係をさりげなく示しています。
 シルクギャラリー(財団名シルクロード・ソサエティ)に関わっていたのが、表面上は川添浩史(象郎)ら。裏には当然山中湖の仲小路彰がいました。そのコミュニティーの一角で重要な地位にあった建築家の坂倉準三。コルビュジェの弟子である彼がこのシルクセンターの設計を担当しました。たしかにこれぞモダニズムというべき、斬新かつ実用的な建物ですね。今でも新しさを感じます。

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 シルクセンターの完成は昭和34年。シルクギャラリーもその頃に始まりました。当時の仲小路の文献を読むと、シルクロード、聖徳太子、絹が一つのキーワードになっていることがわかります。
 仲小路独特の歴史思想の一つである、「日本に世界の文物が集合し、そこで純化・高度化して、それがまた世界に戻っていく」という発想の一つの象徴としてシルクがあったのでしょう。そしてそうした役割を果たす日本人の理想像としての聖徳太子。
 そんなわけで、シルクと富士山の関係も非常に重要になってくるわけですが、一つ山梨関係で面白いことがありますので、少し脱線しますが紹介しておきます。
 横浜のシルクセンターに刺激されたのが、山梨県でも昭和35年に県の団体施設として「山梨シルクセンター」を開設しました。それを引き継ぎ、株式会社にしたのが辻信太郎さん。そうです、今や日本が世界に誇る企業となった「サンリオ」の前身が「山梨シルクセンター」だったのです。
 ある意味、辻信太郎さんが、キャラクター・ビジネスの分野において、仲小路彰の夢を実現したということですね。その後、ご存知のとおり、日本のシルク産業は斜陽の一途をたどるわけですが、そこからあのキティちゃんが生まれ、世界中で愛されているというのは面白い事実です。
 辻信太郎さん、今年90歳になられますが、まだまだ現役で頑張っておられます。辻さんの独特の平和思想も、どこか仲小路彰につながるような気がします。歴史の「綾」というのは実に面白いですね。

シルクセンター公式

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2017.07.27

蓮舫さん辞任

Th__20170728_151429 日は蓮舫さんと稲田さんの辞任に関する報道が重なりました。
 今井絵理子さんの不倫疑惑やら、先だっての豊田真由子さんのハゲー事件など、まあ、最近はたしかに「女性が輝く(炎上する)」ニュースが多いですね(笑)。
 蓮舫さんの代表辞任はなんとも唐突な気がしますが、ある意味ここまで持ったのが奇跡というか不思議ではあります。
 野田さんという強力な後ろ盾があっての蓮舫さんだったはずですが、どこかで勘違いが始まって、なんだか自分に酔ってしまったところがあったのではないでしょうか。
 その結果、多数のブーメランが突き刺さり、いよいよ回りからもソッポ向かれて辞任というのが、一番合っているように思います。
 ここ数日でにわかに「解散風」が吹いてきたのも一因かもしれません。私のところにもあるところから「解散あるよ」との情報が入ってきました。どうも小池さんの動きを警戒しての早期解散総選挙という流れのようですね。やめた方がいいと思いますが。
 小池さん(国民ファースト)は恐るに足らずです。いくら安倍一強が揺らいでいるといっても、それに代わる経済政策や外交政策を実現できる人は、残念ながら今はいませんよ。小池さんが新党を作ったとしても、また民進党の二番煎じで終わってしまうでしょう。
 蓮舫さんも小池さんも、しょせんタレント崩れの政治家もどきですよ。もうそろそろ、そういうタレント崩れ政治家もどきには、本当の政治は任せられないと、国民も気づくべきです。
 政治はある意味「忖度」の集合体です。国民や国民の生活を第一といっても、直接そこに働きかけるのは難しく、社会を未来的に良い方向に変えて、間接的に国民のためになることをするしかない。そこで重要なのは、やはり人脈であったり、場合によっては金脈であったり、権威を使って忖度させる技術であったり、案外そんなもんです。
 そうしたシステムは国民には見えにくく、また人間のサガで、ついつい権威に対して嫉妬心を抱いてしまいますから、政治家は批判にさらされることが多くなってしまう。
 とは言え、今の日本の社会状況は、国際的に見るとかなり安定しており、また恵まれているわけで、それなのに国民の嫉妬心が発動して、国会まであらぬ方向に行ってしまっている状況は、かなりおかしいと思わざるを得ません。
 蓮舫さんがやめることによって、そうしたある種の劇場型政治が終わることを祈ります。はたして後釜はだれなのか。前原さん、枝野さんでは新味がない。
 かと言って、我こそはと思っているコニタンやタマキンは勘違い野郎ですし(笑)。ますます混迷しそうな気配。
 安倍内閣としては、ここに来ての支持率低下は可能性としては織り込み済みでしょうし、長期政権になって、たしかに緩みも傲りもあったと思いますから、ちょうどいい引き締めになっているのではないでしょうか。
 ま、とにかく、蓮舫さん、お疲れ様でした。本当にお疲れだと思います。ちょっと休んでください。

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2017.07.23

妹尾大さん講演 「創造的な働き方」の考察

Th_images_2 工大教授の妹尾大先生の講演をお寺で聴くという、実に不思議な体験。
 妹尾さんは経営工学の若手研究家。現代的な経営学と古典的な修行道場という、一見「場」違いな関係の中に、興味深い「禅味」が浮かび上がりました。
 考えてみると、禅宗の修行道場というのは、完璧にシステマチックに動いている場所であり、それも数百年間の智慧の終結としてのシステム。まさに最大効率の経営を目指したものだとも言えましょう。
 いろいろ心に残ったことがあるのですが、いくつか思い出したものだけ記します。
 今回の研修のテーマ「黙して語る」に関連して、「暗黙知」と「形式知」という言葉が出てきました。
 これはワタクシ流に言いますと「モノ」と「コト」というのと同じですね。「暗黙知」とは、言語化されない(コト化されない)実感、意識化されない身体的な知ということになりますか。
 それが禅で言う「不立文字」であり、「教外別伝」とも言えます。「今ここ」であり、たとえば言語化された過去などは、「屑」すぎない。
 全て「コト(言語・記録・記憶・形式)」などは、時空を超えるがために、いらぬ煩悩、妄想ともなりえます。禅はそれを強く戒めます。
 しかし、面白いのは、何度かこのブログにも書いたとおり、そうした「モノ」性の維持のために、「コト」を利用することがあるということです。
 禅の修行の作法などはその最たるもの。極度に厳格な形式にはまる、それも意味を飛び越えて、ある種の強制によって、その枠組にはまることによって自由を得るというパラドックス。
 私がよく言う「コトを窮めてモノに至る」というやつですね。
 妹尾さんの話に「過去の成功体験を捨てる」「過去の成功体験から逃れる」という内容がありました。この過去(コト)という妄想(もうぞう)から逃れるのは、たしかに禅の目標とするところですね。
 そういう意味で、最近の消費傾向、興味志向が、「みんなが持っているもの」よりも「誰も持っていないもの」に移行しているという話は興味深かったですね。
 流行とは情報であり、それはどう考えても「過去」のコトです。誰かが着ていたとか、どこかで流行っていたというのは、ほんの1分前でも過去の情報にすぎません。それに影響を受けていた時代が終わり、今ここの実感、ひらめき、あるいは未来的な期待というモノが重視されるようになってきた。
 そういう「モノ」を作るのがうまいのが、たとえばアップルであったりするわけです。スティーヴ・ジョブズが禅狂いだったのは、なんとも運命的、象徴的ですね。
 イノヴェーションが「新結合」であるというのも、モノ性、すなわち「他者性」「他力」「縁起」を象徴しているようで面白かった。
 一人のカリスマ経営者が垂範してきた時代が終わり、多くの凡夫たちがそうした指導者に刺激されることによってレベルアップし、「現場」が有機的なそれこそ「現・場」になっていく、そんな近未来像を想像させる講演でした。
 この講演を、普通の大学やらホールやらで聴いても、自分としてはこういう理解はでなかっただろうなあ。やっぱり「場」は大切なのか。環境というモノ(外部)によって縁起する「我」。素晴らしい禅体験でした。
 もちろん、実生活において、たとえば学校経営、あるいは各種団体やイベントの運営などにおいても、非常に参考になる内容の講演でした。ありがとうございました。

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2017.07.14

田中英道『聖徳太子の和と悟り』

 中英道さんの聖徳太子論を紹介する記事が続いています。そんな中、ちょうど今日、またこの番組が放送されました。
 「ほとけ」は「ブッダの形」か。なるほど。仏像信仰なんですね。そして、日本の「権威と権力」の基礎を作ったのが聖徳太子だというのも納得です。
 「和」を「やわらぎ」と訓むか「にぎ」と訓むかについては、一昨日書きました。
 私は「和」を英語で説明する時、「global familism」と表現しています。まさに「家」であり、そういう意味で、田中さんの言うとおり「国家」という日本化した漢語があるわけで、それは「nation」とは全く違うわけです。そして、「八紘一宇」「八紘為宇」という概念をも生んだと。
 家の構成員として「役割分担」をするというのは、まさに仲小路彰の「グローバリズム」の発想と同じですね。異論もあるのを承知で言いますが、戦後の仲小路のグローバリズムは、戦前、戦中の「八紘為宇」の巧みな言い換えという部分もあると思います。
 いずれにせよ、聖徳太子という偉大な思想家の影響が、今の日本にもしっかり息づいているばかりでなく、今後世界に広がっていくことを期待します。田中さんのご著書が英訳されるのを楽しみにしています。

Amazon 聖徳太子 本当は何がすごいのか

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