カテゴリー「音楽」の1000件の記事

2022.08.15

バッハ 『シャコンヌ(オルガン版)』

 

 戦の日。毎年いろいろ思うところはありますが、まずは亡くなった方々のために祈りましょう。

 祈りの音楽という意味では、世界最高峰、いや宇宙最高峰と言って間違いないのが、バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータの「シャコンヌ」でしょう。

 ヴァイオリン一挺すなわち4本の弦のためにこの曲を作ったこと自体奇跡的です。しかし、実はその限られた音の裏側に、象徴的な世界が広がっていることが、祈りという未来への無限の可能性を示しているのです。

 そういう意味で、多くの作曲家、演奏家たちが、他の楽器のために(あるいはオーケストラのために)編曲を試みてきました。

 そのほとんどが、たとえば私のイメージとは微妙に違いがあって、これだ!というものにはなかなか出会えません。当然ですね。だからといって、自分には才能がないので編曲することはできません。

 はたして、バッハの脳裏にはどういう音が響いていたのか。それを考えるだけでも、実に興味深いし、楽しいし、夢があってワクワクしますね。

 そして、今日、今までで最も自分のイメージに近い、すなわち私が想像するバッハ自身のイメージにも近い演奏に出会いました。

 それがこの演奏です。アドリアーノ・ファルシオーニのオルガン演奏。これは正直びっくりしました。発見がたくさんありました。皆さんにはどう映るかわかりませんが、とりあえず私にとっては今のところベストな編曲です。

 なんとなくですが、この編曲って頭で考えたというより、ダウンロードしたのではないかと思えるんですね。そうとうに深い瞑想状態にならないと、こうはいかないのではないでしょうか。

 歴史の本当の意味も、その背後にあるのです。それを頭で考えるのではなく、まさに直観的にイメージすることこそ大切だと、最近強く感じるのでした。

 過去の意味は、そうして未来に決定されていくのです。楽しいではないですか。

 

 

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2022.08.14

14世紀と16世紀の音楽(作者不詳)

 バート・ヒルは様々な時代の鍵盤音楽を紹介してくれます。

 けっこう衝撃的だったのが、最近アップされたこの2曲。

 まず、16世紀の作者不詳の音楽。「ラ・ミ・レの上で」という曲です。循環するベースは「ラ・ミ・ミ・シ・レ・ラ」ですので、なんで「シ」が無視されているのかわかりませんが、上で展開するメロディが、近代和声的な音階を軽く超えていて楽しい。

 逆に新鮮に、未来的な音楽に聞こえますよね。これは面白い曲です。この時代の知られざる音楽を発掘するのもいいですね。

 

 

 次は1325年の作品。これも近代和声では禁じ手となっている平行5度が多用されており、これもまた逆に新鮮に感じられますね。

 平行5度進行はドビュッシーらによって復活するまで、近代ヨーロッパでは強く禁じられてきました。しかし、多くの民族音楽では当たり前に用いられる語法です。

 弦楽器の調弦の関係から、当然そうした平行5度や平行4度の進行というのは、ある意味自然なものでした。

 それが禁じられてきたため、私も含めて現代人には、そうした古代の響きが新鮮に感じられるわけです。

 私としては、これからの音楽は、あまりにも辺境の一部の地域(ヨーロッパ)で異常に発達した近代和声から解放される運命にあると考えています。

 

 

 

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2022.08.13

「みんな仲よく」の信念(サンリオ辻名誉会長)

20220814-94829 ンリオ名誉会長辻信太郎さんのロング・インタビューが素晴らしかった。

「戦争だから仕方ない」みんなそう思っていた──サンリオ辻名誉会長が語る軍国主義教育の恐ろしさと、「みんな仲よく」の信念 #戦争の記憶

 サンリオは「山梨王」という都市伝説が生まれることからもわかるとおり、山梨が誇る世界企業となったサンリオ。

 サンリオの前身である「山梨シルクセンター」と仲小路彰の関係についてはこちらに書きました。

 今、私も全く想定外のところでシルクと関わることになっており、まったく不思議な運命を感じずにはいられません。

 私も辻さんと同じく、「みんな仲よく」「世界平和」を目指してのシルク活動です。

 シルク産業からキャラクター産業へと転身したのは、まさに時代の変化を先読みした辻さんの先見の明でした。

 明治時代以降の絹織物産業は、結果として多くの武器を生むこととなり、あの戦争を遂行させる原動力となりました。また、一方で、機械化から取り残された地方の絹織物従事者から仕事を奪い、結果として天理や大本のような新宗教を生むに至りました。

 その点、戦後の絹織物産業は一気に衰退しましたが、一方でそれは新たな産業を生み、そのうちの一つがアニメやマンガなどに象徴されるキャラクター産業です。

 キャラクターという物語の力は、まさに象徴の力であり、それは象徴的であるからこそ、物質的な奪い合いがなく、結果として平和を招来するものです。

 そして、今、私が手掛けている「シルク絃」の開発は、音という象徴の世界を使って世界を変えようというものです。まさに「みんな仲よく」の調和の世界を作りたいのです。

 辻さんのような成功が待っているのか、それとも失敗に終わるのか。今年はその大切な年になりそうです。山梨の偉大なる先人に学びながら、負けないように信念を持って頑張りたいですね。

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2022.08.12

「心の瞳」(合唱版)

 

 年もこの日がやってきました。37年前、私はあの日航ジャンボ機が御巣鷹の尾根に落ちる瞬間を目撃してしまいました。

 そのことについて詳細を書いた記事がこちらです。

 その瞬間が多くの方々の命の燃え尽きた瞬間だったと思うと、どうにもやりきれない気持ちになります。その時は全くそんなことは想像しませんでしたが。

 犠牲になられた方の中には坂本九さんもいらっしゃいました。

 今日、偶然、長女と家内が「一番いい合唱曲はなにか」を論議しており、結論がこの「心の瞳」になったのを聞いて、「今日は坂本九さんの命日だよ」と伝えたのでした。

 先日も、世界中で一番いい曲はなにかという話を家族でしていまして、そこでもやはりこの曲が一番ということになりましたっけ。それほどの名曲とともに坂本九さんは天界に旅立ちました。

 この曲は最後のシングルのB面。まさに最後の一曲ということですね。

 こうして世代を超えて愛され、歌い継がれていることに、坂本さんもあちらで喜んでおられることでしょう。

 この曲を歌う多くの中学生たちは、坂本九さんのことも、事故のことも、この曲が最後の曲であることも知らないでしょう。しかし、それでも良いのです。歌の力だけで充分です。

 荒木とよひささんの詩、三木たかしさんの作曲。どこをとっても完璧。世界中で歌われてほしい名曲ですね。

 あらためて犠牲になられた方々のご冥福をお祈りします。

 

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2022.08.09

追悼 オリビア・ニュートン・ジョン

 

 あ、私の青春の憧れがまた一つ…。

 オリビアを知ったのはこの曲が初めてでした。当時私は12歳。小学6年生でした。

 白人女性への初恋ですかね(笑)。ステキなお姉さまに対する憧れでしょうか。

 その後、私の大好きだったELOと共演し「ザナドゥ」をヒットさせた時は、不思議なもので恋が成就したような感覚になったものです。遠い存在だった憧れの女性が、急にこちら側に近づいてきたような。面白い感覚ですよね。

 アイドル的な外見と歌声でありながら、アーティスティックな楽曲や共演に恵まれたのは、やはり歌手としての実力、そのお人柄のなせるわざだったのでしょう。

 ガンと戦いながら、社会貢献をいつも考えてこられた方でした。昨年末には、日本国から「旭日小綬章」が贈られました。医療大麻の推進者としてもその界隈では有名でした。

 ご冥福をお祈りいたします。

 

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2022.08.01

ポール・マッカートニーが語る、ビートルズのヒット曲誕生の裏側と軌跡

 

 れは本当にヤバい動画です。感動を通り越して、敬虔な気持ちにさえなりますね。

 こうしてポールがお元気で、こうしてビートルズの名曲の解説をしてくれるなんて、それこそ夢のような話です。

 やはり、世界の音楽史の中で、ポールとジョンの二人での共作、競作というのは画期的というか、実は空前絶後のことなのではないか。

 その後もこのレベルでの複数人による作詞・作曲というのはありませんから。

 本当に奇跡的な出会いだったのですね。そして、ジョージが魅力的なリフを作る。リンゴは実は全体のコンダクターの役割をしている。

 もっともっとたくさんの楽曲について、解説していただきたい。おそらく皆さん、そう思ったことでしょう。

 それにしてもすごい記憶力ですね。天才はいつまでも天才なのでした。

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2022.07.30

フィンガー 『アリアと変奏 ニ長調』

 

 日のモンゴルのバンドとは正反対の音楽ですね。

 こりゃ、たしかにヨーロッパはモンゴル帝国にやられちゃうはずだ(笑)。

 この可愛らしい曲を作ったゴットフリート・フィンガーは、モラヴィアの出身。つまり、チェコの東部。それこそ1241年のモンゴル帝国の神聖ローマ帝国侵攻の最前線ですよね。

 この時はなぜかモンゴル軍は侵攻をやめて撤退してしまうのですが、モラヴィアでは自分たちがモンゴル軍を撃退したという伝説が語られました。

 それから500年近く経っているフィンガーの頃にも、モラヴィアではそのような伝説が残っていたはずです。

 そんなことを考えながら世界の音楽を聴くのも楽しいものです。

 私は今、シルク絃ガンバを練習中なのですが、これもまた、世界史の「もし」を考えると面白いですよね。モンゴルやトルコがもう少しヨーロッパに食い込んでいたら…。

 そのガンバで、この曲を弾いてみたいのですが、楽譜がどうしても見つかりません。耳コピするしかないか。録音もこのチェコのガンバ奏者、ペトル・ヴァグナーのものしかありません。彼は2019年に50歳で亡くなってしまいました。

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2022.07.23

コスパ最高ヘッドフォン ST-90-05-H (アシダ音響)

Th_71vjuzekgl_ac_sl1500_ 楽関係者の友人から勧められて購入しました。

 うん、たしかに素晴らしい!今までもいくつかのヘッドフォンを使ってきましたが、明らかにベストな製品です。

 音に関しては、見た目からは想像できないほど低音が良い。最近の日常でのヘッドフォンの使用傾向からして、低音がある程度強調されるのは当然ですが、なのにボゴボゴ・モワモワせず、非常に解像度が高い。

 なんか久しぶりに、輪郭のはっきりした低音を聴いたような気がします。ベースライン大好きな私からすると、これは実に嬉しいことです。聞き慣れた曲が全然違って聞こえる。

 ロック、歌謡曲、バロック、フュージョン…これは楽しいぞ(笑)

 逆に高音は落ち着いていて、長時間聴いていても全く疲れません。最近の、特にイヤフォンはキンキン・シャンシャンうるさいのが多い。年寄りにはキツイです。

 ボーカル付近の中音部は、やや引っ込んだ感じを受けましたが、おそらくエージングしていくともっとバランスが良くなってくるのではないでしょうか。

 同様にピアノの音は、今のところちょっとイマイチ。繊細さは素晴らしいのですが、艶が足りない感じがします。しかし、これもおそらくこなれてくるものと思います。

 ちなみに一番すごいと思ったのは、パイプオルガンを聴いた時です。声部がくっきり分離して聞こえる。感動。

 そして、なんと言っても、このデザイン!

 私の最初のヘッドフォン体験は、父親の「ナショナル」製のそれでした。まさにこの配色。レトロかわいいですよね。

 シンプルだからこそ非常に軽い。オンイヤータイプというのも、私にとっては助かります。中程度の遮音性を求めますし、結局一番耳が疲れない(音響的にも肉体的にも)のは、このタイプなのです。

 ケーブルの質感もいい。これは丈夫そうです。長さも絶妙。

 最近、尊敬する友人の影響で、首にヘッドフォンをかけて出歩こうと思っているのですが、これは逆にオシャレかもしれませんね。

 6600円というお値段からすると、とんでもないコストパフォーマンスですよ。おススメします。Amazonだとプレミアがついて高くなっていますので、公式オンラインショップからお求めになると良いでしょう。

アシダ音響オンラインショップ

Amazon ST-90-05

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2022.07.22

橋幸夫 『股旅 '78』

 

 時だョ!全員集合を観ていたら、この曲が流れてきてビックリしました。やばい、カッコいい!

 この曲は知らなかったなあ。なんと橋幸夫137枚目のシングルだそうです。78年の時点で137枚かあ…。

 78年といえば、私が最新の洋楽に目覚めた年。ディスコブームの年でもありました。

 この曲もお聴きのとおり、ディスコ音楽を意識していますね。それを「股旅」でやってしまうところが、いやはや、日本というのはすごい。

 橋幸夫さん、ご覧のとおり、三度笠にパンタロン(笑)。見た目的にもかなりのインパクトですね〜。

 作詞は阿久悠さん、そして作曲は井上忠夫(井上大輔)さん、編曲は高田弘さん。この番組でのゲイ・スターズの演奏もカッコいいですね。

 歌詞もなかなかシュールです。リアルタイムで観ていたかもしれませんが、記憶にないということは、私、若気の至りで見た目から拒否していたのかも(トイレに行っていたとか)。

 いや、この曲は現代に蘇らせたいですね。だれかカバーしてくれないかなあ。自分でやればいいのか(笑)。

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2022.07.19

ロバート・ヒル(チェンバロ)が弾くアート・テイタム

 

 日は、紅白にも出場した憧れの歌手の方が、突然遊びにいらっしゃいました。注目している若手俳優さんもご一緒で、さらにビックリ。

 もちろんある方からの紹介だったのですが、昨夜突然ご本人から電話がかかってきて、「スケジュールが空いたので遊びに行きます!」という超展開。山口家はいったいどうなっているのか…自分でもよくわかりません(笑)。

 2時間ほど濃いお話をさせていただきましたが、やはり音楽はジャンルで分けない方がいいなと思いました。それは芝居にも当てはまります。

 ついつい後付けのジャンルにとらわれてしまい、自由な表現を見失ってしまうのは、プロの世界でもよくあることですね。

 さて、そんな余韻に浸っていたところ、ロバート・ヒルさんのジャンルを超えた素晴らしい演奏が公開されていたので、ここに紹介します。

 様々な鍵盤楽器を演奏し、さらに電子音楽にまで手を伸ばし、古典作品を換骨奪胎してしまう自由人。いや、これこそ本来のアーティストのあり方なのではないでしょうか。そういう意味で尊敬しております。

 で、今回は、ジャズの大御所アート・テイタムのピアノ演奏をチェンバロにて再現してくれております。完コピかというと、決してそういうわけではなく、チェンバロの特性を活かし、また特にフランスバロックの演奏様式を意識して(たぶん)、現代風…いやいやバロック風に料理してくれています。

 いやあ、これはいいですねえ。チェンバロとジャズも案外相性がいいかも。

 もとの演奏もいちおう聴いてみましょうかね。アート・テイタムは神です。視覚をほとんど奪われていたのに、いやだからこそのこの豊かで自由な音世界。

 それこそ、楽譜という枠組み、あるいはシナリオという枠組みから、いかに自由になれるかというのも、プロの表現者の一大テーマでありましょう。

 

 

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