カテゴリー「映画・テレビ」の1000件の記事

2024.04.15

COTEN RADIOショート やなせたかし編

3baaf3ef1777e10d831f3f8d8a54a2c2cd406112 こ数日かけて全部聞きました。感動いたしました。

 やなせたかしさんと戦争や平和については、やなせさんの生前にこんな記事を書いています。

 「君もアンパンマンになれる!」

 そこにも書いたように、作品アンパンマンには彼の戦争体験と、そこから得た「愛すべき悪」(ばいきんまんに象徴される)思想が色濃く表れています。

 そんなやなせさんの人生と世界観、そして作品について、やなせさん自身の言葉を中心にわかりやすくまとめたこれらの番組。ぜひ多くの方々に聞いていただきたいですね。

 やはり優れた子供向け作品というのは、「未来の大人」にために作られているのだなと痛感いたします。そしてそれを得意としているのが、日本文化の特長でもあります。

 本来の「教育」とはこのようになされていくのではないでしょうか。そのためには「先生」たる大人が、その時代的体験から深く痛感し、そして思索しなければならないということあり、また単なる直接的表現ではなく、まさに「未来的」表現をすべきなのではないでしょうか。

 コテンラジオさんは、そういう教育表現をしているすぐれた「若い大人」の集団だと認識しております。

 来年度の朝ドラは、やなせたかしさんと奥様が主役だとか。とても楽しみですね。大河ドラマでもいいのではないでしょうか。

 

| | コメント (0)

2024.04.10

『アイアンクロー』 ショーン・ダーキン監督作品

Flyer_1jpg 晴らしい映画でした。丁寧に作られていました。監督のエリック家への愛、プロレスへの愛、人間への愛がたっぷり込められた名作です。

 プロレスを知らない人もぜひ観てほしい。人生の明暗を分かりやすくエンファサイズして見せる神事がプロレスです。それはフェイクであって良いし、そうあるべきでしたが、なんとエリック一家にはあまりにリアルに不幸が襲いました。

 フリッツ・フォン・エリックの息子たちの多くが、若くして病死または自殺してしまったのです。

 しかし、こうして残されたケビンを中心とした家族愛、兄弟愛の物語として昇華された結果、ようやく彼らは救われたのではないでしょうか。映画とプロレスの機能は似ている。鎮魂という意味では能も同じですね。いずれもスポーツではありません。

 映画では、幼くして亡くなった長兄は最後に登場するとして、のちにプロレスラーになった4人の息子のうち3人が亡くなったことが描かれていたのですが、実はリアルにはもっと多くの不幸が彼らを襲っていました。しかし、そこまでリアルに表現するとあまりにも重い、特殊な物語になってしまうと判断したのでしょう。監督はあえてそこは避けています。

 そう、末弟のクリスのことです。一人体が極端に小さかったクリスもプロレスラーになりましたが、だからこその不幸が彼を襲いました。

 そのあたりについて、息子たちとダラスで試合をしていた谷津嘉章さんが語ってくれています。映画とは違ったリアルな衝撃があります。谷津さんがケリーと同じく義足で復帰したという意味でも。

 

 エリック一家の呪いと言われるこの不幸の連鎖の元凶は、この映画でも描かれているとおり、間違った父性愛にあったのでしょうか。そこにはいくら議論しても結論できない難しさがあると思われます。

 映画でも上手に女性性や母性が救いとして表現されていたと同時に、信仰の無力さというか、キリスト教の父権性の問題も描かれていたと感じました。

 ただ、大変短い人生であったとしても、彼らは立派に利他的な天命を果たしたとも言えるわけで、それが最後に近い天国のシーンで感じられたのは救いでした。

 ぜひ劇場でご覧ください。ちなみに、プロレスの再現シーン、細部にわたってお見事でした。役者陣、ステロイド使ってないか心配になっちゃいました。

| | コメント (0)

2024.04.06

『新プロジェクトX 東京スカイツリー 天空の大工事 ~世界一の電波塔に挑む~』

S01001_s 京スカイツリーの見えるところで、この番組を観ました。

 名番組がこのタイミングで復活ですか。

 旧シリーズ、私も大好きでしたし、ずいぶん教材としても利用させていただきました。

 それが、最近の風潮からか、あれこそ「ブラック」「ハラスメント」の昭和的精神論であるかのように非難されるようになりました。

 NHKもああいう番組はもう作れないなと思っていたら、なんとなんと、ほとんど旧シリーズのフォーマットそのままで復活!

 当然この第1回も批判の対象になるでしょうね。感動ボルノとか。男尊女卑だとか。しかし、やはりあえてこういう時代だからこそ、昭和的な、いや古典的なアンチテーゼをぶっ放したNHKさんには、それこそ感動いたしました。

 なんだかんだ言っても、あれだけの構造物を地上に建てるのはとんでもない難事業。そこに精神論や根性論、そしてキーワードにもなった「花見」「飲み会」が必要だったことも事実なのです。

 それを全てブラックとかハラスメントとか言って否定するのは、事実を直視しない卑怯な態度だと私は思います。

 学校で働いていることもあって、たしかに必要以上のブラックや根性は排除したいと思ってきましたが、必要な部分も正直あるんですよね。というか、生徒をはじめ、私含めて未熟な大人もみな、それを求めているところがある。

 つまり、ブッダにはなれないのです。だから難行苦行も必要。だいいちブッダ自身も悟りの過程として難行苦行を選択しましたし。

 苦労自慢は犬も食いませんが、しかし、苦労から生まれた誇りは、万人の栄養になります。少なくとも短期的なサプリにはなりえますね(笑)。

 はたして、NHKはどこまで「不適切にもほどある」番組を作り続けることができるのか。これからも注目です。

| | コメント (0)

2024.04.04

TAXIめし リターンズ(ミヤテレ)

 

 日のオッペンハイマーとは対照的かもしれませんが、最近ハマっている映像作品(?)がこちら。

 全日本プロレスを観戦する機会が増え、特に注目しているのが斉藤ブラザーズ。体も大きいし、相撲で鍛えた安定感、悪役というキャラクターづくりも上手く、双子のハーフということも加えて、なかなかの逸材です。

 あっそうそう、最近VM解散のため悪役やめたんですよね。その悪役をやめる一つのきっかけがこの番組とも聞きます。なにしろこの番組では素が出すぎて、全然悪役じゃなくなっちゃうので(笑)。

 毎回、その外見とのギャップが萌えなのですが、今日はこの回を紹介しましょうか。もう、うさぎちゃん、お馬さんと言っている時点でヒールではない(笑)。

 そして、この番組の素晴らしいところは、その「食レポ」…ではなく、「食いっぷり」にあります。やたらと言葉を弄しての(つまり美味しんぼ的な)食レポが横行する中、レスラーの食いっぷりだけで食べ物の美味しさを伝えるこの形は、実は基本なのかもしれません。

 このとんかつ回、タクシーの運ちゃんも交えて、なんとも言えない味を出していますね。

 今後本来のベビーフェイスに転向する斉藤ブラザーズ、どんな闘いを見せてくれるか楽しみです。会場に応援に行きます!

| | コメント (0)

2024.04.03

『オッペンハイマー』 クリストファー・ノーラン 監督作品

 

 阪梅田で鑑賞。すごかった。

 映画としての評価についてはいろいろな人が語っているので、私は私なりの感想というか思索の一部を記録しておきます。

 「我は死なり。世界の破壊者なり」

 オッペンハイマーは自らをヴィシュヌ神の化身クリシュナになぞらえ、このように語りました。ここでの「我」とは、まさに「我」の発見の産物である西洋近代科学そのものでありましょう。

 一見、「我」を排除するかのような科学は、実は「我」の化身であったという皮肉。これは今西欧社会が直面している危機そのものでもあります。

 そうしたパラドックス的な表現がここかしこに見られました。被爆地を描かないことよって描いていたのもその一つでしょう。音楽や音声もそのような効果を狙っていましたし、また、粒が波になり、波が粒になるような、観る者の分析的理解と感情の行き来にも、そうした傾向が感じられました。

 そう、時間へのこだわりも含めて、ノーラン監督のこだわりは、まさにそうした反二元論的な世界観なのだと思います。

 はたして人類の智慧とは愚なのか賢なのか。映画の根幹部分さえも揺れ続けています。

 文明とは、人間の我欲によるエントロピー減少の所業です。そして、文明破壊の「爆発」とは、それを一気に自然に戻す、エントロピー増大の仕組みだとも言えましょう。

 これは最低でもあと3回は観ないといけないかも。この作品を通じて、もっと気づきたい。そう思わせる傑作でした。

 クリストファー・ノーラン監督インタビュー全文 映画『オッペンハイマー』で描いた“核の脅威”

| | コメント (0)

2024.03.29

『シルバー假面』 実相寺昭雄 総監修・原作・監督作品

04704023b5b36f3b4a5f95711d64bb1c_640 日も濃い一日でした~。上野から新宿、靖国神社から神保町。いろいろな方とお会いし、不思議なご縁を感じることばかり。これが当たり前になっていますが、感謝は忘れないようにしたいと思います。

 さて、今日は家内の誕生日でもあるのですが、もう一人私の人生に多大な影響を与えたアーティストの誕生日です。

 実相寺昭雄。

 子ども時代のウルトラマンやウルトラセブンの洗礼に始まり、青年期からはATG映画、そして大人になってからはオペラなど、本当に彼の作品群にはある意味翻弄され続けてきました。もちろん心地よい翻弄。

 そんな天才、いや奇才、いやいや鬼才の遺作となったのが、この「シルバー假面」です。

 一昨日、「シルバー仮面」の話を少し書きましたよね。あれを絶対的な駄作と自ら断じていた実相寺昭雄が、最晩年にリベンジを図り、駄作を通り越した問題作を作ってしまいました。

 今日は午前中、彼が教授を務めた東京藝術大学のすぐ横で、この作品を鑑賞いたしました。映像の舞台もすぐ近く、谷中や不忍池。感慨深い。

 う〜ん、それにしても、死ぬまで実相寺は実相寺でしたねえ。

 スタッフにも懐かしい名前が並んでおりますし、キャストも先日亡くなった寺田農さんをはじめ、いわゆる実相寺組の面々が多数登場し、結果として遺作にふさわしい「混沌」となっております。

 「故郷は地球」から「故郷は宇宙」というあたり、時代的にも仲小路彰の、グローバリズムからコスミカリズムという思想にもつながるなあと。

 そして、大正という時代のフィクション性(たとえば自然な日本語ではない漢文訓読調の日本語が世を覆ったり)を逆手にとって、未来的リアルを描くというある意味ずるい手法。

 やはり、実相寺自身が監督した第1話が一番面白い。

 寺山修司的な見世物小屋風情、性の変換、ドイツの混入、クラシック音楽の嘘っぽさ、卍と鉤十字の重ね合わせ、安っぽいCG…もちろん、映像や音声における実相寺節は言わずもがな。山本邦山の尺八だけがホンモノっぽい(笑)。

 まさに「不適切にもほどがある」の極地。

 全く両極端と思われるでしょうが、私は小津安二郎と実相寺昭雄が好きなのです。どちらも徹底したフィクション性を追求しているから。やり方はずいぶん違うけれども。

 こういう鬼才はこれからも現れるのでしょうか。

 

 

| | コメント (0)

2024.03.27

秋山歌謡祭2024

Img_5217 京で変態の会。時代の最先端をゆく若者たちを中心に40名の皆さんにお話をしました。

 今日もあっという間の5時間独演会。そのあとの懇親会も楽しかった。

 参加者の方で元吉本の漫才師で、今は健康に関する本も書いている方がいました。さっそく彼と漫才をやろうという話になりました。いや、最終的に3人になったからコントかな。

 3人でコントと言えばロバート。そして突出したピン芸人と言えばロバート秋山。ということで、帰宅後これを鑑賞。この人はホンモノの天才。

 普通に歌もうまいし、作詞作曲の才能もある。特に「ありそうな」曲を書くのが上手。この人も多くの天才クリエイターと同様に、少年の頃の思い出が創作のベースになっていますね。西川貴教さんが歌いたくなるのもわかる。

 メ~テレらしい中途半端なゴージャスさとチープさが絶妙ですね(笑)。メモ少年もプロのようなアマのような、作り手のようなファンのような微妙な感じだし。

 そう、秋山さんの「ありそう」も虚実皮膜なんですよ。こういう「あわい」こそ上質なアートの世界なのでしょう。

 

| | コメント (0)

2024.03.26

故郷は地球

 川聡宇宙飛行士の会見の記事を読みました。

 古川聡飛行士が帰還会見 「故郷は地球」実感

 「故郷は地球」といえば、私たちの世代からすると、一つはウルトラマンの23話ですね。ジャミラ登場の名作「故郷は地球」。まさに宇宙飛行士の話(古川さん意識したのかな)。悲しい話でした。

 ウルトラマン 「故郷は地球」~イデ隊員、魂の叫び

 さらに子どもだった私の心に暗く影を落とした、もう一つの「故郷は地球」。そう、シルバー仮面の主題歌です。佐々木守&実相寺昭雄は罪深い(笑)。

 

 

 

 あの当時、私もあまりの暗さ、渋さに耐えられず、裏番組のミラーマンに引っ越してしまったクチです。

 大人になってから見ると、圧倒的にシルバー仮面の方が面白いのですがね。子どもにはキツかった。

 ちなみに「ミラーマンの唄」も名曲です。対照的に明るい音楽。好きだったなあ。

 

 ところで、あれから50年以上たってますが、案外宇宙開発は進んでいませんよね。それだけ平和になったということでしょうか。宇宙ロケットは米ソ冷戦の兵器開発競争の一面がありましたから。

| | コメント (0)

2024.03.25

ドリフの楢山節考

 崎二日目。こちらも面白すぎる会となりました。まるでドリフという神展開(笑)。

 まじめに一番盛り上がっていたところで、とんでもないアクシデントが!w

 本当に見事なドンガラガッシャンでした。怪我もなくて良かった。まさにドリフ的体当たり演技(?)。

 ということで、ドリフの名作を思い出したので、一つ紹介します。前半のまじめな展開だからこその後半の面白さ。今日のセミナーもこんな感じでした(笑)。王仁三郎P、やるな。

 楢山節考がはやっていたのを逆手にとって、これですからね。これは外国の方々にもウケるでしょう。ドリフ、カトケンには無数の名作コントがありますが、私は原作とのギャップという面でもこれが一番好きですね。

 ちなみに「楢山節考」は山梨のお話です。こちらを参照ください。

| | コメント (0)

2024.03.23

追悼 寺田農さん

2024032300000050dal0006view 好きな俳優、寺田農さんが亡くなりました。非常に残念です。

 彼の出演作は基本全て好きです。それは本当に単純に彼のことが大好きだからです。

 文芸作品からアダルト・ビデオまで。どれも彼が出演すると深みと渋みが増します。主役を張ることは多くありませんが、その絶妙な存在感は主役以上。作品の質を大きく上げていたと思います。

 彼に底流するのは前衛芸術です。

20240325-95702_20240325095701 そう、農さんのお父様は寺田政明。池袋モンパルナスの重要画家です。油絵が専門ですが、私は彼の装幀、挿絵が好きです。尾崎士郎、司馬遼太郎、檀一雄、野坂昭如らの本に華を添える存在でした。

 池袋モンパルナスと言えば、岡本一平、熊谷守一、小熊秀雄、桂川寛、そして山梨は西桂出身のウルトラマンシリーズ怪獣造型で名を馳せた高山良策…。

 その系譜は戦後、安部公房、勅使河原宏ら戦後前衛芸術の流れつながってゆきます。それはATG映画の世界にもつながっていくわけで、農さんにも大きな影響を与えたことでしょう。

 そうした文化的なベースがあってこその彼の演技、存在感であったことは忘れてはなりません。

 また、自らAVを監督するなど、常識や枠組みにとらわれない自由なチャレンジ精神の源泉も、実は太く力強い日本文化の伝統の上に成り立っていたのでした。

 御冥福をお祈りしつつ、あらためて農さんの作品、そして政明さんの作品を鑑賞してみたいと思います。

| | コメント (0)

より以前の記事一覧