旅に出ておりました。
この日は石川県へ。まずファッション界のカリスマ坂矢さんを訪ねてフェートン&ティートンへ。
大勉強4以来の対談でしたが、またまた大盛りあがり。大勉強5はもうすぐ発売になるそうですが、もしかすると多少は私の言葉も採用していただけるかもしれません。
中でも自分としても楽しかったのは、「恋」と「愛」の違いについてのお話。
「恋愛」とまとめられてしまいがちなこの二つの言葉ですが、その出自からして全く違います。
言うまでもなく、「こい」は訓読みで「あい」は音読み。すなわち、「こい(こひ)」は大和言葉、「あい」は漢語(中国語)です。
「こひ」は「こふ」の連用形が名詞化したもの。「こふ(恋ふ・乞ふ・請ふ)」は「ほしがる」という意味です。
「愛」は日本に伝来した仏教においては性愛を表すことが多かったため、煩悩の最たるものと捉えられてきました。それが明治以降、特にキリスト教の「LOVE」の訳語として採用されたところから、悪い意味から脱して行くことになります。
恋愛とひとくくりにされ、男女の恋の意味にも使われ、また神の愛、親子の愛、兄弟愛、愛国心、愛校心など、汎用的な意味を獲得していくのです。
一般的に「愛」は「無償の愛」すなわち「相手がこちらをどう思うかは関係ない」という性質を帯びていきます。
一方、古い歴史を持つ「恋」は、基本的に異性間のものであり、よって無償の愛ではなく、あくまでも相手の気持ちも含めての感情です。
これはある意味皮肉なことですが、日本の文化、言語に多大な影響を受けたジョン・レノンが「LOVE」という名曲を作って、「恋」の本質を表現したことは画期的なことでした。
Love is wanting to be loved (愛とは愛されたいと望むこと)
この歌詞は見事に「こひ(恋ひ・乞ひ・請ひ)」の真意を説いてくれていますね。
つまりそういうことです。誰かに恋するということは、その人が自分のことを好きになって「ほしい」ということなのです。
皆さんも恋している時、恋していた時のことを冷静に考えてみてください。相手が私をどう思おうと関係ない、とにかく私はその人のことが好きだ、ということはあり得ませんよね。
必ず「こちらを見てほしい」「私のことを好きになっほしい」と思っているはずです。それこそが「恋」というわけです。
と、まあ、こんな感じの話をしまして、さらにそこから進んで行ったわけですが、もし気になる方は、大勉強の次号をお楽しみに。
恋がわかると愛もわかります。そうすると、たとえば仕事は愛であることがわかります。そういうことです。
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