カテゴリー「スポーツ」の189件の記事

2010.01.12

『プロレスは生き残れるか』 泉直樹 (草思社)

79421741 局、私の人生は、正しい「歌」と「言葉」と「肉体芸術」の伝承のためにあるのだなあと思います。
 それらを無理矢理まとめると「祭」ということになりましょうか。まずは神仏の存在という「モノ」があって、それを現し世に「コト」としてうつす(写す・映す・移す・遷す)作業です。
 現代は、まず我々を超えた「モノ」の存在を忘れてしまっています。全てが自分たち人間の世界観、ものさしで展開しています。特に本来の「神」に代わる悪神「カネ」はたちが悪い。我々は悪神の示す「勝ち負け」だけで自らの幸不幸を語るようになってしまいました。
 そうした「カネ」を価値基準とした世界からは、まず「祭」などという実に非論理的、非生産的なものが切り捨てられます。
 何度も書いているように、負の祭祀を司ったヤクザさんが消え、その鏡像たる皇室の権威も蹂躙され、もうこの国日本はすっかり乾いてしまっています。残念です。
 そうした世の動きとともに、衰退してしまった「モノ」と「コト」。その一つがプロレスです。もののけたちの肉体による供宴。神仏に捧げる非日常的マレヒトの来訪。
 この本では、そのような文化史的な考察は皆無ですが、しかし、この十数年で起きたプロレスを取り囲む変化が、比較的冷静に語られています。
 プロレスマニア的には、やや深みが足りないという感じもしますし、私の読んだ単行本やムックからの引用が多く、まあ復習には良かったかもしれませんけれど、少し物足りなかったかなあ。
 しかし、よくあるプロレス本の胡散臭さや過度なマニアックさがなく、一方でずぶのプロレス素人が書いたような痛さもなかったということは、ある意味今までにない距離感の良書なのかもしれません。
 他の分野でもあるんですよねえ。たとえば宝塚みたいに。極度に分かる人と全然分からない人に分かれる世界が。プロレスもその最たるものでしょう。ですから、一般書籍としての距離感が難しい。
 特に、先ほど書いたような世の中の現状ですから、我々プロレスファンは、まるで時代遅れのお変人のように扱われてしまう。総合格闘技というエセ(!)スポーツの方が、単純ですしカネになりましたからね。つまり、私たちの物語を紡ぐ力、創造力やら想像力やらがどんどん欠乏していっているわけです。
 おっと、またそっちの視点になってしまった。ええと、この本では、そのような視点ではなく、どちらかというと経営的な視点やトレーニングのあり方などが中心となっています。つまり、業界側の話。
041031_kak_zen_08_mutou_b そういう意味で面白かったのが、全日本プロレスの武藤敬司社長と内田雅之取締役、そして道場で若手の教育役を担っているカズ・ハヤシ選手の現場の声でしょうかね。リアルで興味深かった。
 なかなかインタビューなどの協力が得られなかった中、結局多くを語ってくれたのは全日本プロレスだったようです。そんな姿勢にも、全日の「自由」な発想が感じ取れましたね。いまだに閉鎖的なところも多いですし。
 昨日も全日の1月3日後楽園ホール大会をテレビで観戦しましたけれど、たしかに見事なパッケージ・プロレスでしたよ。武藤社長のプロレス観や経営センスに、私は違和感はありません。正しいかどうかは分かりませんけれど、一つのプロレス道であることは認めます。実際に今、非常に安定感がありますからね。
 私は一方で、現在の全日とは違った方向性を持ついくつかのプロレス団体の関係者の方ともご縁があります。私からしますと、どれも間違っていないように感じるんですね。もともとプロレスはその定義すら難しいほどに混沌として幅広く、奥の深い世界です。いろいろなシステムや目標があっていいですし、それらの微妙な行き違いや、奇跡的な交接というのが、プロレス的物語世界の面白さですから。
 この本の中でも話題になっていた「非合理的なスクワット」なんかも、両方の考え方があっていいと思うんです。その多様性こそがプロレス的世界だと思いますから。武藤選手のように「そんなことしたから膝が壊れた」として若手にそれを強要しないのも一つの考え方ですし、宮戸優光さんのように新年早々若手とスクワット1000回やるというのもいい。
 私はスクワットなんて50回しかやったことありませんから(笑)、全然無責任な考えなんですけど、なんとなく信じたいんですよね、その「非合理的、非科学的トレーニング(単なるしごきとも言われる)」から生まれる「何か」があることを。もしかすると、武藤選手も今の輝き(頭じゃなくてオーラ)があるのは、その無駄なスクワットのおかげかもしれません。膝が動かないからこそ生まれた、あの武藤ムーヴは、もう完全に芸術の域に入っていますから。
 まあ、そんな無責任で根拠のない「信じたいもの」こそが、神仏を招く「物語」なのだと思いますよ。
 そういう意味では、業界の危機に際して、単に大同団結したりするのも危険と言えば危険です。他の業種とのコラボレーションも慎重でなければなりません。プロレスには常に、我々凡人がタッチできない「聖域」があってほしいものです。「わからない」ことの面白さを失わないでほしい。
 なんか頭の中がまとまらないうちに書きなぐっているので、文もまとまりませんね。すみません。私の意見を一言で書いちゃいましょう。
 「プロレスは生き残れるか。衰亡か、復活か」…その答えは、実は、プロレスラーやプロレス業界側にあるのではなく、それを観る、そして囃す我々や我々の社会の側にある。
 だからこそ前途多難なのです。でも、私はあきらめません。
 結局、この本はある意味「武藤本」でした。三沢光晴さんの死をきっかけとして書かれたというこの本が、「武藤本」になってしまったというのは、なんとなく皮肉なような気もしましたが…いや、三沢さんも武藤さんも、観客やファンの立場に立つ冷静さを持っているように感じますから、ある意味両者とも「王道」の継承者なのかもしれませんね。
 昨年末、富士吉田が生んだ天才、フジファブリックの志村くんが急逝してしまいました。残る富士吉田出身の天才武藤敬司には、まだまだ頑張ってもらいたいところです。近いうちにぜひお会いしてお話してみたいと思います。

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2010.01.05

『新春! 歌まつり2010』 (NHK歌謡コンサート)

20100106_62356 そるべし!二葉百合子。
 昨日のブッチャー&テリーというレジェンド(おっと長州力もいたっけ)もすごかったけれども、こちらはさらにすごい。芸能生活75年って…。いったいおいくつなんだ?と思ったら、3歳でデビューしているので78歳とのこと。
 そして、その二葉百合子さんの歌がうまいのなんのって。衰えるどころかますます味が出ている。
 今日の「歌謡コンサート」は700回記念ということで「新春! 歌まつり2010」と銘打っての拡大版でして、以下のようなそうそうたる演歌歌手の皆さんが出演され、名曲を熱唱していました(ううむ、一人KYな人がいるぞ…彼は78まで歌えるのだろうか)。

「北酒場」/細川たかし
「北国の春」/千 昌夫
「命くれない」/瀬川瑛子
「襟裳岬」/森 進一
「たてがみ」/長山洋子
「みれん酒」/石原詢子
「祝い酒」/坂本冬美
「関東一本〆」/二葉百合子
「おさななじみ」/坂本冬美・長山洋子
「心のこり」/細川たかし
「星影のワルツ」/千 昌夫
「銀座の恋の物語」/山川 豊・石原詢子
「炎」/冠 二郎
「アメリカ橋」/山川 豊
「まつり」/北島三郎
「さよならはダンスの後に」/倍賞千恵子
「冬景色」/安田祥子・由紀さおり
「雪」/安田祥子・由紀さおり
「冬の星座」/安田祥子・由紀さおり
「千の風になって」/秋川雅史
「天城越え」/石川さゆり
「舟唄」/八代亜紀
「冬のリヴィエラ」/森 進一
「帰ろかな」/北島三郎

 それぞれ当然うまいし、個性もあって良かったわけですけれど、やはり、ダントツの存在感というか、まさに会場を巻き込んだ「芸」を見せつけていた(聞かせていた)のは二葉百合子さんでした。演歌の歴史を語るのには、やはり昭和初期までの浪曲ははずせませんね。
 つくづく演歌とプロレスの世界って似ているなと思いました。この前キラー・カーンさんもそんな話してましたよ。彼は両方の世界をきわめましたからね。
 浪曲や長唄を知らないで節回しだけで歌おうとする若手歌手が多いのは、本当のプロレスリングを知らないで飛んだり跳ねたりする若手レスラーと同じです。
 素人がカラオケをやるように、素人がどんどんリングに上がっているというのも似ています。
 それ以前に、年齢とともに「味」が出るというのも似ていますし、人生が反映する、人生を聞かせる、見せるというのも似ています。
 レジェンドに頼っていて、新人が育ってこないというのも似ていますかね。いったい10年後はどうなってしまうのでしょうか、両方とも。
 昨日も今日も、中堅どころでイマイチ技が単調なの人がいましたね。部分部分はうまいんだけれど、全体としての大きなうねりや、リズム感が足りない。そんなところも共通していました。
 実は今まで何度も書いてきましたが、「本来の」ヤクザがいなくなったのも、両世界の衰退に関係しています。特に地方のヤクザ。最近、地方で歌謡ショーやプロレスが行われなくなったでしょう。こうしたフィクションとリアルの交錯する舞台が、日常に混入しなくなってしまったのは、我々にとって大きな損失ですね。
 それにしても、二葉百合子さん、すごかった。どれだけ努力しているのだろう。他の歌手たちが「日本一!」と言っていましたが、それってお世辞でもなんでもない。実際、彼女たちの先生ですしね。今の演歌界を引っ張る大御所たちを育てたんですから、そりゃあ日本一でしょう。ということは、当然「世界一」ということでしょう。

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2010.01.04

『レッスルキングダムIV in 東京ドーム』 (新日本プロレス)

↓赤虎敗れる。
20100105056 このところ想定外のことが続き、やや疲れていたのでしょうか。夕方から寒気がして、いや〜な予感がし始めました。まさかここに来て新型インフルエンザじゃないだろうな…。
 実際体温を計ったら微熱がありました。しかし、その数時間後には平熱に戻り、すっかり元気になってしまった。なぜか…。
 それはプロレスをたっぷりテレビ観戦して、大いに興奮し、大声を出して応援し、レスラーの方々からたくさんの元気をいただいたからでしょう。いやあ、素晴らしい大会でした。
 ええと、まず最初に書いておきます。昨年末の格闘技イベント「Dynamite!! ~勇気のチカラ2009~」、いちおうひと通り観ましたが、本当にいろいろな意味で気分を害しました。いよいよ総合格闘技も終わりだなと思いました。来年末はないかもしれませんね。
 ちょっとだけ愚痴らせて下さい。
 まず、石井慧と吉田秀彦。これはしょっぱすぎた。これもいちおう興行的にはメインの一つだったわけですよね?ちょっと考えれば分かることですけれど、デビュー戦がメインになるようなスポーツなんてあるわけないじゃないですか。それもそいつがベテランに勝つと思われているなんて…。いや、アマチュア時代を経てのゴールデン・ルーキーだったらまだ分かりますよ。違う競技をやっていたんですから。いや、柔道対決だったらメインでいいです。金メダリスト同士の。ですよね?
 そして、静岡の恥、格闘家の恥、青木真也。もう何をか言わんやですよ。試合内容というか、あの結末を見せられて不快である上に、なんすか、あの態度!プロとして観客に見せるべきものが全く分かっていない。もう格闘界追放でいいです(苦笑)。あんなのを祭り上げているようじゃ、総合格闘界も終わりですね。
 ああ、ちょっとすっきりした。正月の間、ずっといやな気分だったんで。スミマセン。
20100105086 さあ、それに比べてこちらの対抗戦は良かったなあ。プロレス的世界こそ年末年始に必要なものですよ。いやあ、ホント病気も治っちゃう。もうすっかり元気ですよ。
 一つ一つの試合について語っていると長くなるので、肝心なポイントだけ語ります。
 まず、前半の最後、68歳のアブドーラ・ザ・ブッチャーと65歳のテリー・ファンクの試合。これはもう涙ものですね。それが新日本のリングで実現しているんですから。なんというか、感慨無量としか言いようがありませんね。まさに新年に大黒様と毘沙門天という異国の神が降臨したという感じですね。
 もちろん、これはスポーツなんていう狭い範疇におさまるものではありません。宗教儀式です。試合内容とか両者の動きとか、そんなことはどうでもよくて、あの存在感、オーラ、観る人の思い、それでいいのです。ウチの夫婦はもう入場の音楽だけで号泣してましたから。このあたりで、私の体調も復活しましたね、まじで。
 試合後の二人の神のコメントが対照的で面白いですね。
テリー「生まれた時からレスラーで死ぬまでレスラー。なんて素晴らしい世界なんだろう」
ブッチャー「若い人に言いたいのは弁護士か医者になったほうがいい。プロレスラーなんかなるもんじゃないよ」
 素晴らしいですね。自らの立場、キャラクターを生かしきっている。そして、加えて最後にブッチャーが「人間は誰でもそうだが、父親が1人、母親が1人。とにかく両親を大事にしろ」と言っているのは、なんとも感動的ではないですか(笑)。
20100105037 後半の新日本とノアの対抗戦も良かったですね。対抗戦ならではの緊張感とともに、若手の伸び伸びとしたせめぎ合いが実に刺激的でした。プロレス界もようやく復調の兆しが見えてきたという感じです。
 最後のメイン、中邑真輔対高山善廣、当然ごひいきな高山選手を応援していたのですが、結果は中邑選手の防衛でした。説得力は圧倒的に高山選手でしたが…まあ、しかたありませんね。
 やはりプロレスは「気持ち」が大切です。レスラーたちの「気持ち」が何万人もの人に元気と勇気を与えるのがプロレスです。そこが、単純な勝敗を競うスポーツとは、一線を画しているのです。やはり一種の「祭」ですね。
 というわけで、今年もプロレスをたくさん観て、プロレスの勉強をして、プロレスラーの方とお話をして、自分も「心のプロレスラー」として進化していきたいと思います。

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2010.01.01

謹賀新年 2010(年賀状公開)

 けましておめでとうございます。
 昨年は、忌野清志郎さん、三木たかし先生、三沢光晴さん、マイケル・ジャクソン氏、そして志村正彦くん、加えてスティーヴ・ウィリアムス選手と、私たち家族にとって、本当に大切な大切な人たちを失ってしまいました。
 今年は、そうした方々の功績と遺志を踏まえ、正しい音楽文化、プロレス文化を継承すべく家族一同頑張ります!皆さま、よろしくお願いいたします(不二草紙もよろしくです)。
 個人的には、準備してきた中学がいよいよスタートしますので、そちらをまずしっかり運営していきたいですね。自分の人生の集大成になるよう努力いたします。
 ↓今年の年賀状です。相変わらずお馬鹿ですけど、どうぞ初笑いにお使い下さい!まずは笑いが一番ですよね(私たち家族はどこにいるでしょう?ww)。
2010_1

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2009.12.23

天龍・太宰・ジャズ・バスケ…

Phot1223_2 皇誕生日です。おめでとうございます。今年は御即位20年ということもあり、特にめでたいではありませんか。
 何度も書いてますが、なぜに日本人は異教の神の誕生日は祝うのに、天皇陛下の誕生日は祝わないのでしょうか!?私は昨夜(イヴ)は、しっかり日本酒呑んで御祝しましたよ(笑)。
 いやあ、飲みすぎた。しかし私はしっかり早起きしまして、6時半からのNHKホリデーインタビューを観ました。ミスター・プロレスこと天龍源一郎さんのインタビュー。これが朝から泣けた!!
 福井放送局、いい番組作ってくれました。いやあ、国家的祝日の朝に、公共放送から天龍のテーマ(サンダーストーム by 高中正義)がかかるなんて…。ハッスルや全日本プロレスの映像が流れるなんて…。もうそれだけでも感動の朝です。
 「故郷の人々に支えられている…」そう言って目に涙をためている59歳の現役プロレスラー。あの長い長い沈黙が、本当にいろいろなことを語ってくれました。素晴らしい編集でした。テレビというメディアで、これほど「沈黙」が多くを語ったのは久しぶりではないでしょうか。うん、もう一度「七勝八敗で生きよ」を読み直そう。ビル・ロビンソン先生と組んで大切なことに気づいたと言います。ああ、一度お会いして天龍さんの生の言葉を聞きたいなあ。
 さて、その感激を胸に、二日酔いの頭を抱えながら、私は散歩にでかけました。武蔵境の駐車場から、東に向かいます。向かった先には三鷹の街があります。
Img_0174 三鷹と言えば、太宰治ですね。禅林寺。去年の10月、とんでもないいたずらを仕掛けてきた太宰と、1年ぶりの再会です(笑)。今年は生誕100年。いつもより多くの花が供えてありました。
 いやはや、昨夜からの流れもあってか、太宰、いろいろ訴えかけてきましたよ。鳥肌立ちまくり。太宰も、こうして二日酔いで三鷹の街を何度歩いたことでしょう。考えてみると不思議な縁がありますね、太宰とは。
 来年度から私が勤めることになるであろう新設の中学校の校舎が建った場所は、「富嶽百景」「律子と貞子」「服装に就いて」に登場する旅館があった場所なんですよ。まさに「池のほとり」です。そこが自分の職場になろうとは…。
Img_0182 1年前のハプニングの舞台となった「三鷹市芸術文化センター」の地下で、ちょうど今日まで「三鷹市市制施行60周年プレイベント生誕100年記念写真展 太宰治の肖像」という展示をやっておりましたので、そちらも開館直後に観てきました。今まで見たことのない、貴重な写真がたくさんありましたね。意外に表情が豊かで健康的に見えました。でも、やっぱり年の割にふけて見えるかな。
 記念にパンフレットとマグカップを買ってきました。マグカップは、来年度職員室で使おうっと。うちわはおまけにいただきました。「季節外れですが…」…たしかに(笑)。
 さて、太宰の気配を連れたまま、私は三鷹の駅に向かいました。なんとも味のある街ですな。またゆっくり歩いてみよう。
Img_0178 次に向かったのは、赤坂です。先日浅草ジャズコンテストでグランプリを獲った我が校のジャズバンド部「ムーン・インレット・サウンズ・オーケストラ(MISO)」が、B♭というジャズ・バーで、日本大学のビッグバンド「Rhythm Society Orchestra」とジョイント・ライヴを行なうのです。先日の浅草には自分の演奏会のために行けなかったので、今回は絶対に行かねば。
 会場は満員。学校関係者だけでなく、一般のジャズ・ファンや報道関係の方々も大挙押し寄せました。本当に注目を浴びていますね。生徒たちも、そして私たち関係者も本当に幸せです。
 富士学苑高校も日大もそれぞれ、ジュニアとレギュラーに分かれての全4バンド。最後は共演。とっても楽しかった。大学生の演奏については、今までコンペティションやプロの講評がある場でしか聴いたことがなく、その時にはある意味私も厳しい言葉を使って批評をしてきたのですが、今回は純粋に楽しめました。これが本来だよなあ。やってる方も、聴いてる方も楽しいのが音楽、ビッグバンドの魅力ですからね。
 高校生は高校生なり、大学生は大学生なりに、それぞれの「若さ」…良い面、悪い面含めて…が出ていて面白かったとも言えます。ジャズに限らず、音楽に限らず、その世代なりの表現や課題があって、それでいいわけですね。特にジャズは、年齢とともに深めることができる(すなわち身体性の関わる部分が比較的少ない)ので、彼らの将来への期待でワクワクしました。若いっていいなあ…。だって、歳をとってどんどんいい方向に行くわけですから、未来に楽しみしかないじゃないですか。
 もちろん、私もまだまだ発展過程だと思っていますよ。なるべく長生きして、どんどん深めていきたいですねえ。最近、体の衰えが、プラスなこと、いいことだと思えるようになりました。若いと身体性が出しゃばりすぎるんで。
 さてさて、続きましては…今日はイベントがめじろ押し!…、ええと、代々木で行われているレスリングの天皇杯にも行きたかったんですよね。復帰した山本聖子と伊調馨の試合、観たかったなあ…。
Img_0179 でも、今日はそれ以上に重要な試合があったんです。それは、また教え子たちの活躍の舞台であります。我が校の女子バスケットボール部の全国大会(ウインター・カップ)の1回戦があったのです。場所は東京体育館…おっとその前に、医学部目指して浪人中の教え子に調査書を渡す仕事もあった。千駄ケ谷の駅で待ち合わせ。そして、彼女も連れて東京体育館へ。
 主力の日本代表選手が直前にケガをしてしまい出場できないという状況の中でしたが、よく頑張りました。なんとか1回戦を突破いたしました。バスケットボールというスポーツは、特に攻守の入れ替わりが激しく、また、休む間の少ない競技ですから、観ている方もハラハラドキドキ。ある意味、野球などとは違い、実力通りの結果が出やすい競技でもありますね。だから今日の対戦相手とは、実際に実力が拮抗していたということでしょう。
 あいつら、いつもは教室で明るく楽しく接している生徒たちなんですけど、こうして全国のコートの上に立っているのを観ると、本当に全くの別人に見えますね。偉いなあ。
 バスケットボールは、ある意味ジャズとは正反対で、身体性、身体能力の占める割合の非常に高いものです。スポーツの中でも、特にそういう傾向が強い。だからこそ、この若さ、この瞬間の輝きというのが美しさを伴うのでしょう。厳しい世界ですなあ…。
 さてさてさて、最後のイベント、プロレス観戦(SUPER J-CUP)…と行きたかったのですが、さすがに体力がなくなり、また時間的に当日券を買うこともできず、断念いたしました。いやあ、もう充分お腹いっぱいですよね。早朝からものすごく濃い時間を過ごさせていただきましたから。
 というわけで、武蔵境に戻り、車内でコンビニのお弁当を食べて、帰宅いたしました。ああ、疲れたけれど実に楽しい天皇誕生日でありました。さて、明日は仕事&教会で奉仕です。私も頑張ろっと。

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2009.12.20

ドン引き…

20091221_94218 日の藤波辰爾(辰巳)さんのお話の中で、あの必殺技ドラゴンスープレックスを初めて出した時のエピソードがありました。マディソン・スクエア・ガーデンでのWWWFジュニア初戴冠の試合ですね。
 御存知のように、あの試合はホセ・エストラーダ選手から、この危険極まりないフルネルソン式のスープレックスで3カウントを獲りました。あの技は本当にあの時初めて実際に使ったとのこと。それまでは、ゴッチさんのお宅にあった人形相手に何度も練習したらしい。しかし、その人形は手が短く、フルネルソンをするのも困難で、よくすっぽ抜けていたとか(笑)。
 それで、この試合の後、喜び勇んで控え室に帰ったら、なんか他のレスラーたちが「ドン引き」していたというのです。それほど危険な技だったということでしょう。それをいきなり出してしまった。それもタイトルマッチでやってしまった。そういうプロレス的事情なのでしょう。
 あの技を繰り出してしまった裏事情(と思われること)も、お話しされていましたが、とにかく、自分は喜び勇んで、みんなが祝福してくれるだろうと思ったら、控え室全体が凍りついたような「シーン」とした雰囲気になったいたとのことです。みんなの冷たい視線が…。
 のち、ドラゴンスープレックスは危険すぎるということで「禁じ手」にまでなりました。
 さて、全然関係ないけれども、かなり関係した今日のお話です。
 今日は、私たち夫婦はある英会話スクールのクリスマス会にゲストとして呼ばれました。我らが歌謡曲バンドのドラ息子(ドラム担当)が、そのスクールで働いている関係です。
 それで、6曲ほどクリスマス・ソングを披露したのですが、なんとなく会場の雰囲気が「ドン引き」していたように感じたのです(笑)。
 それはたぶん、ウチのカミさんがいきなりドラゴンスープレックスを出したからだと思います(笑)。
 ちょっとあの空気を説明するのは難しいのですが、えっと、たぶんこういうことです。
 なんというか、ウチのカミさんというのは、お調子者というか、ずうずうしいというか、厚かましいというか、傍若無人というか、そんな性格なんですよね。
 昨日のスネークピット・キャラバンの2次会でも、けっこう酒飲んで、それで素晴らしい諸先輩方を相手に、まったく臆せずベラベラ話しちゃうんですよね。いわゆるKYであるとも言えますし、ある意味プロレスラーとしていい素材である(?)とも言えます。
 バンド活動なんかしていても、どこで何をやろうと、そこにどんな人がいようと、相手がプロであろうとなんだろうと、全然緊張とかしないんですよ。ある意味すごい。
 一緒にやっている私としては、まあ助かることも多いのですが、反面時々「おいおい…自重しろ!」と心で思うこともあります。古語で言うところの「かたはらいたし」という感じ。すなわち「傍らにいて、こっちの心が痛む(恥ずかしい)」わけです。
 で、それを押しつけられる人たちは、気持ちが「ドン引き」になり、結果としてその場の空気もまた「ドン引き」になることがあるんですね。それでも、彼女はそんな空気さえも全然気にしません。
 今日は、英会話スクールの会でしたから、当然外国人の先生方もたくさんいますし、日本人の講師の方も英語教育のプロでいらっしゃいます。そういう所でたとえば英語の歌を披露する(それも寸前まで歌詞すら覚えていない)のって、普通に考えればかなりのピンチな状態というか、やりづらい状況じゃないですか。
 しかし、彼女は全然緊張しないどころか、ステージに上がった途端「ハ〜イ、エプリバディー!」みたいなノリになっちゃって、自分が単なるゲストであることも忘れ、英語でまくし立てるまくし立てる。そして、「リピート・アフター・ミー」みたいに、歌の歌詞の発音練習までさせちゃってる…笑。
 本人いわく、そうしてくれと言われた、とのことですが、さすがに外国人の先生にまで、「リピート・アフター・ミー」させちゃうのはどうかと…。遠慮というものがないのです。
 まあ、私は「ああまたやってる」程度にしか思わなかったのですが、生徒である子どもたちや、その親御さんたちは、「いったい、あの人は誰?」みたいな感じで、はっきり申して凍りついていました。微妙な空気になってましたよ(笑)。
 そりゃ、いきなり、出ていってあれはないよな…。つまり、いきなり知らない日本人がリングに上がって、ドカンとドラゴンスープレックス出しちゃったようなものですよ(笑)。お客さんや講師の先生方、みんな首折れちゃいましたね、きっと。
 で、そんなことを、会が終わって「ああ、楽しかった」とか言ってるカミさんに言いましたら、「そうか…」と少し反省していました(笑)。そして、あることに気づいたのです。
 今日は地元の大きなホテルのパーティールームでの演奏でした。いつもは路上やら店先やらでやることが多い我々としては、それこそMSG並みのゴージャスさじゃないですか。それで、彼女、勘違いしちゃってたみたいなんです。すっかり自分に酔ってしまって、自分が「ホテルのディナーショー」で歌っている気になってしまっていたと(笑)。おいおい!どうりで、今にもステージから降りて、各テーブルを回りそうな雰囲気になっていたはずだ。あぶねえ、あぶねえ…(笑)。
 ま、それにしても、我々のバンドはボーカルだけじゃなくて、みんなある意味厚かましいですよ。今回も練習ほとんどなし、リハなし、楽譜もなし、構成も確認せずいきなり本番ですから。それでもなんとかなっちゃうのは、ある意味プロ以上?名レスラー揃いということでしょうかね。
 ↓終わりの尺が全員違う…いったい誰が正しいのか?笑

 ところで、「ドン引き」という言葉、比較的新しい言葉です。もともとは映画のカメラ・ワークの用語だとのこと。ものすごい「引き」の絵ですね。
 「ドン」というのは「ドS」とか「ど真ん中」とかいう時の「ど」の変化形だと思われます。江戸時代には「どう因果」などと「どう」としても使われていました。「very 」とか「just」の意味ですね。語源はなかなか分かりづらいのですが、もしかすると「いと」かもしれません。
 いずれにしても、「ドン引き」させちゃいけませんな。しかし、藤波選手もそうですが、ある意味「ドン引き」させちゃうくらいのKYさがないと、一流になれないのかもしれません。「ドン引き」させる「何か」とは「常識破り」「怖いもの知らず」なものであって、それまでの日常を破るものなのですから(笑)。

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2009.12.19

藤波さんと…細江さんと…またまた夢実現

Uni_3446 日もまた、今年を象徴するような濃〜い1日でありました。夢がどんどん実現していきます。ありがたいことです。
 本日は仕事を早退して、まずは事務処理で病院へ。私たち夫婦はその足で東京は高円寺へ向かいます。そう、今年、まさに私たち夫婦の運命を変えたプロレスの勉強会「スネークピット・キャラバン」に参加するためです。
 思えば今年2月、昨日の記事の主人公桜庭和志選手を講師に迎えた「スネークピット・キャラバン・サイエンス」で、勇気を振り絞って初参加させていただいて以来、マスクド・スーパースターさんの時以外は、高山善廣選手木戸修さん、そして今回の藤波辰爾さんと、本当に夢のような名レスラーの方々のお話を聞く機会を得ることができました。それも「生徒」はいつも十数人という、とんでもなく贅沢な会です。全く夢のようなことです。
 う〜む、毎回濃いけれども、今回もまた…。目の前にあの藤波辰巳(現辰爾)さんがいる…ドラゴンが私たちに話しかけてくれる…夢のようですよね。私も藤波さんと長州さんの試合に大興奮した、高校時代を思い出します。お二人ともいまだに現役バリバリなんですから、それだけでもすごいですね。
 日本プロレス時代から、新日本プロレス時代、海外遠征、そして現ドラディションに至るまで、本当に貴重なお話ばかり。いつものように「プロレス生き字引」流智美さんの名司会ぶりも冴え渡ります。
Uni_3452 馬場さん、猪木さん、カール・ゴッチさん、ホースト・ホフマンさんなどの話はもちろん、その他いったい何人の名レスラーの名前が挙がったことでしょう。プロレスから総合格闘技に至るまで、本当に幅広く深いお話が続くこと3時間近く。私は知らないことばかりですが、他のキャラバン・メンバーからはこれまたマニアックな質問が飛び交います。す、すごい世界。
 細かい話の内容はとても書ききれませんけれど、シロウト丸出しの私の記憶としては、「自分を崩さない」ジャンボ鶴田、「プロレスを知り尽くしていた」ディック・マードック、というあたりが特に印象に残っています。ゴッチさんの「まずコンディション、次に頭、最後に力」という言葉も重いですね。これはプロレスに限らず全ての仕事に当てはまりますからね。あとはスクワット9000回を4時間半ぶっ通しでやったというお話…(笑)。
Uni_3465 夢のような時間はあっという間に過ぎます。会終了後はサイン&写真撮影に応じてくださいました。柔和な笑顔が福々しく、そして神々しく、そして、なんと言っても、そのサインの美しさたるや!これだけでも立派な芸術ですよ。書にはちょっとうるさいカミさんも感心しきり。
 さて、この夢のようなキャラバンが終わると、私たち夫婦は本日の次なる重要なミッションを遂行すべく、青山に向かいました。考えてみると、とんでもない連続技です。
 実は以前紹介した土方巽の写真集「鎌鼬 KAMAITACHI」の新版が発刊されることになり、その出版記念写真展が行われているのです。そして、今日はたまたま撮影者である写真家細江英公さんのサイン会があるとのこと。細江さんには個人的にいろいろと報告しなければならないことがありましたので、急行したというわけです。それにしても、日にちも時間も見事に私たちのために調整されている…としか思えません。
Uni_3115 青山の会場に到着すると、ちょうどサイン会が行われていました。私たちはもうすっかり板についた突撃力を駆使して、細江さんにご挨拶。およそ2年ぶりです。その間、鎌鼬の里(それはすなわち義母の実家なのですが…)を何度か訪れ、鎌鼬の重要な登場人物の方々とお会いしたり、いろいろな写真を撮ってきたりしましたので、それらを報告。
 その中でも、やはり、この写真には驚き、そして満面の笑みで「土方が来たんだ!土方が置いたんだよ!」とおっしゃっておられました。いやあ、今考えても本当に不思議です。なんで、あそこにああいう形でスイカの食べカスが置いてあったんだろう。あまりに不自然で出来過ぎです。カミさんに言わせると、ああいうスイカの食べ方は普通しないと。あれは土方一流の食らいつきの跡としか思えないとのこと。
15 で、今日展示されている写真を見て気づいたのですが、これってあの土方が田んぼでふんばっている(笑)写真と同じ方角を撮っていますね。たまたまです。山の稜線で分かりました。それもまたビックリ。もしかして、本当に土方巽が私たちを迎えて下さったのでしょうか。そして、細江さんにも茶目っ気たっぷりのメッセージを送ったのでしょうか。本当に不思議です。新版が出るというのも、私知りませんでした。そんな記念すべき年に、たまたま静岡の地震のおかげで、秋田行きが9月になったというのも不思議でなりません。
 さて、そんな感動も束の間、我々は今度は阿佐ケ谷へ。スネークピットの二次会に合流です。これがまたすごかった。みんな熱いし濃いし、面白すぎ。私もそうとう変わった集団に属してきましたが、ここが今までで最高の個性派集団ですね。プロレス的な興味ももちろんですけれど、他称(?)「オタク研究家」としては、実に面白いサンプル多数(失礼…笑)。ちなみに女性はウチのカミさんともうお一方ベテランの方がいらっしゃるのですが、それがまたいいスパイスになっておりまして、もう何というか、素晴らしい世界でありました。特に流さんのテンションが最高潮でありました(笑)。面白すぎ。
Uni_3455 みんな語る語る。プロレスの過去、現在、未来。いろんな意味でとてもここには書けない、あの面々ならではのお話ばかり。ただ一つ言えるは、みんなプロレスを愛しすぎているということ。命がけであるということ。そして、みんな人間が大好きで、また少年少女の夢を持ち続けているということ。みんなみんな若い!目がキラキラ輝いている!たくさんたくさんパワーをいただきました。
 主宰の宮戸優光さんをはじめ、キャラバンのメンバーの皆さんにも温かく迎えていただきまして、本当に私たち夫婦は幸せ者です。今後ともよろしくお願い致します。
 というわけで、今日もまた濃い一日でありました。人生面白いことばかりです。とにかく動いてみること。そうする、どんどん新しい出会いがあります。思ったら即行動。迷ったら前に進む。行けばわかるさ!

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2009.12.18

『独創力。−人間「桜庭和志」から何を学ぶのか』 桜庭和志 (創英社/三省堂書店)

88142188 やあ勉強になった。これは新しい中学の保護者に必読本として読ませなきゃ。まじで。私の思っていることがたくさん書いてある。
 一見草食系でありながら、実は…。昨日の記事の写真にもありましたけど、「ギャップ」というのは「萌え」や「燃え」にとって非常に重要な要素であります。
 桜庭和志選手はまさにそれを体現しているプロレスラーです。ある意味勝ち負けが全てとも言える総合格闘技の世界で、40過ぎてもまだ多くのファンを惹きつけ続ける彼は、本当に特別な存在です。
 一見、ぬ〜ぽ〜としていて恥ずかしがり屋…典型的な秋田男の彼が、リング上では獲物を狙う「マタギ」に変身する。たしかにぞくぞくします。10月の試合は、まだまだ彼がそういう意味で全く衰えていないことを証明していました。
 そんな彼に、ウチのカミさんが突如はまったのが、あの3年前の大晦日。ヌルヌル事件(対秋山戦)の夜のことでした。
 それからどういわけか、八郎神社のお導きまであって、この本にも重要な人物として登場する桜庭選手の御両親と懇意になり、さらに今年とうとう私もスネークピット・キャラパンで御本人とお会いしていろいろ勉強させてもらう機会を得ました。全く不思議なご縁であります。
 今回、カミさんはもちろん出版記念サイン会に出かけていったわけでして、私が読んだこの本にもちゃんとサインが入っております。いったい何枚のサインがあるんだ?ウチには(笑)。
 ほとんどストーカーのように追っかけしているウチのカミさん。まあ、私も大好きな選手ですから、全然いいんですけどね。そうじゃなかったら、ちょっと夫婦間に亀裂が入るよな(苦笑)。
 なんだか桜庭選手、ウチの夫婦のことはしっかり覚えてしまっているようです。すみません。
 今回はおみやげにまんさくの花を持っていきました。カミさんの郷里のお酒です。翌日の彼の日記に「飲みすぎた」みたいなことが書いてありましたが、もしかしてウチのせい?w
 なんだかんだ、桜庭選手に日本酒差し入れするの3回目だもんな。格闘家に酒ばっかり送っていいんでしょうか(笑)。
 さて、そんな話は置いておいて内容に行きましょう。
 まず、彼の御両親や彼自身の「教育論」が素晴らしい。まさに現代の子育てに欠けているものが、そこにしっかりあります。
 単純なことです。「やってはいけない」と「やってみたら」を言う勇気と責任です。すなわち「ダメなものはダメ」と言うことと、「やめとけ」と言わないことです。
 これは私の仕事の上でも、案外難しいことです。適当に見て見ぬふりをしたり、(自分に降りかかる)リスクを想定して「やめとけ」と言うのは簡単なことであり、ある意味そういう先生になるのは楽です。しかし、それが本当の教育になるかというと、もちろんそんなことはありません。
 実はこの楽な生き方は、ワタクシの「モノ・コト論」で言いますと、自己中心的で随意的な「コト」を判断基準とした考え方でして、そこからは何も創造されないんですね。
 一方、その時の自分にとっては負担となる桜庭家流の考え方は、まさに他者本意で不如意的な「モノ」を判断基準とするものです。これにはまさに他者の未来や自己の未来に対する責任を負う勇気と覚悟が必要です。
 彼の説く「独創力」は、実はそういう所から発しているように思えました。
 雪国秋田の「何もない」自然の中で育った彼。ウチのカミさんと全く一緒のことを言っているので面白かった。何もないから、何でも遊び道具やおもちゃになり得る。実際、カミさんは今でも遊び道具や遊びを創造する天才だと思います。特に自然を相手にした時はすごい。私や娘たちはひたすら感心するばかりです。そして、それはゲームやテレビなんかに振り回されているよりも、ずっと楽しい時間を提供してくれます。
 これもまた、「コト」より「モノ」なんですね。いつも言うように、私の言う「モノ」は世間一般に言う、物質や商品の「モノ」ではなく、自分の外部全体を表す語です。「コト」は内部。脳内。私から言うと、商品などは人間の脳内が作り上げる物ですから、「コト」に属します。
 桜庭選手の書く、「最近の子どもは、問題を処理する能力は長けているが、問題を創造することが不得手」というには大納得です。それこそ今の子ども(大人も)「コト」にどっぷりつかっていて、「モノ」に触れていないからでしょう。
 また、彼が、下積み時代の不条理なシゴキ(それはまさに不随意な「モノ」です)を、ある意味あっさり受け入れ、苦痛に思わないでこなしていくところなども、やはり自己の欲望や願望に強いこだわりを持っていないことを思わせます。そういう自分の思い通りにならないことをこなしていくうちに、いろいろな苦難やアクシデントという「想定外」に対処できるようになると。その通りだと思います。
 今の教育界には、そういう「若い時の苦労」がないんですよ。子どもをお客様だと思って丁重に扱っている。そんな子どもが、忍耐力のある、そして創造力のある大人に育つわけがありません。ただ、不満を漏らし、現状から逃げてしまう人間に成り下がるだけです。
 彼がいろいろなオファー…対戦相手であったり、ルールであったり…を、「いいですよ〜」と言ってどんどん受け入れ、そして、試合で想定外の展開にも焦らず対応し、さらに常に観客の反応を肌で感じながら観客のための試合をする、そんな姿はまさに「モノのふ」であります。
 そう考えると、前田日明さんが桜庭選手を「武士(もののふ)の中の武士(もののふ)」と称したのは、実に本質を見極めた至言であったということが分かります。
 私は来年度から新設なる中学の運営を担当します。私は生徒たちに、どんどん「想定外」な、「未知」な、ある場合には「不条理」な体験をさせていきたいと思っています。お仕着せや、単なる「コト」の暗記や、快適だけではいけません。中学までは「モノ」と戦うことが重要だと思っています。
 それができていれば、高校では本人に全てまかせられます。そこで初めて「自主性」が活かされます。「独創力」がなければ「自主性」もクソもありません。単なる「自由奔放」なんて絶対に許しませんよ。
 本当にいろいろ勉強になり、そして、自分の考えを強く支えてくれた良書でありました。皆さんもぜひ御一読を。

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2009.11.29

内藤大助 vs 亀田興毅

Ba0911298901nsbig_2 やあ、いい試合でしたねえ。ついこの前、久々に辰吉対薬師寺のビデオを見直して感動したばかりだったのですが、それを上回る興奮をおぼえました。
 今日は朝からスポーツ(格闘技)観戦三昧でした。午前中は娘の発表会にちょこっと顔を出し、その後河口湖へ。そう、今日は河口湖日刊スポーツマラソン。全国から1万人以上のランナーが集まる大きなイベントです。
 私の勤める学校では、前日に河口湖畔の清掃を行なったり、陸上部や野球部が設営や運営のお手伝いをしたり、ジャズバンド部が沿道で激励演奏をしたり、いろいろな面で協力しています。そんな関係からか、昨年は大会翌日有森裕子さんがわざわざ本校までお礼にいらしてださいましたっけ。
 今年は知り合いの彼氏がフルマラソンに参加するということで、その知り合いをフィニッシュ地点までお送りしました。彼には内緒でゴールで出迎えるという算段です。あまりに多くのランナーが続々ゴールするので、果たして見つけ出せるか心配だったのですが、お見事出会えたようで良かったぁ…安心しました。
 しっかし、皆さん偉いですね。私なんて前日に湖畔の清掃で4キロほど歩いただけなのに、もう足は痛いし、腰も痛いし(笑)。ひたすら純粋に「道があるから走るのだ」とおっしゃるそうですが、私のようなぐうたら人間とは、皆さんレベルが違うようです。ストイックだなあ。マラソンは自分との闘い。折れない心…まさに格闘技ですね。
 午後はサムライTVで全日本プロレスの「武藤敬司デビュー25周年興行」をゆっくり観戦。好試合の連続に大興奮。ちなみに武藤選手はウチの学校の母体となっているお寺の檀家さん。ご近所さんです。
 そして、夕方は大相撲千秋楽。結びの両横綱の一番は、先場所同様なかなかの迫力。白鵬も一歩一歩双葉山に近づきつつあるなと感心。
 そして、夜はボクシングであります。
 カミさんは一方的に内藤選手の応援に回っていました。子どもたちも内藤びいきだったかな。私は両選手とも好きなので、とにかくいい試合を!と思って比較的冷静に観ていました。結果として、両者のいいところが存分に現れた好試合となり、満足です。もちろん、判定に不服はありません。
 亀田選手というか、亀田家についてはいろいろとバッシングがありましたけれど、やっぱり彼らなりにとんでもない努力を積み重ねているわけであり、どこにそんな親子、兄弟がいるのかといつも私は言っていたのです。もちろんランダエタ戦のようなショッパイ、あるいは痛い内容の世界戦もありましたけれど、それってどちらかというと、彼自身の責任ではなくマスコミやボクシング界の問題だったのでしょう。
 あの試合からすると、本当に素晴らしく成長したと思いました。アウトボクシングの美しさというか、そう、なんだかとってもキレイに見えました。逆に内藤選手の方が雑に感じられた。ある意味亀田選手の横綱相撲だったように見えます。
 いやあ、内藤選手も悔しいと思いますよ。チャンピオンもある意味完璧に自分の試合をしたと思います。しかし、それ以上に亀田選手の内容がよかった。結果として、まるで挑戦者の試合内容のように映ってしまった。ジャッジは最終的にはそういう部分を見ますからね。
 とにかく、シロウトには想像できないような深い駆け引きや読み合い、そしてこの試合に至るまでの研究と精進が、ああいうハイレベルな緊張感と興奮を生むのだと思いました。結果として、TBS的な演出が空しく浮いていたのは面白かった。やっぱり格闘技は演出ではなくて試合内容なんですね。そんな当たり前のことを再確認させてくれました。
 本当に両選手にはありがとうと言いたい。そして内藤選手、お疲れさまと言いたい。少し休んでください。また近いうちに、宮田ジムを訪ねてみようかな。猫ちゃんにも会いたいし(笑)。
 亀田選手、もっともっと自らのボクシングを窮めて、美しいチャンピオンになってもらいたい。それだけの素質は充分持っていると思いますから。
 最後に、今日一日を通して思ったこと…はたして、自分の人生には真剣な闘いがあるのであろうか!?これでいいのか!?自分。今からでも遅くないのかなあ。そろそろ、はったり・ちゃっかりのごまかし人生はやめた方がいいのでは…。

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2009.11.03

バロック vs プロレス

1_2 の中では、両者はほとんど同じものでして、全然矛盾していません。だから正確には「vs」じゃないか。今日はまさにそういう日でした。
 今日は、まずは横浜の開港記念会館にてカメラータ・ムジカーレのコンサートに出演いたしました。今回で49回目の定期演奏会。超長寿団体であります。私は今回はバッハ親子、そしてヴィヴァルディを演奏。ここのところ忙しくなかなか練習の時間が取れなかったのですが、まあ、そこは経験でなんとか乗り切りました…かな?
 ま、私もなんだかんだヴァイオリン歴30年ですからね。ずいぶんと長く続けてきたものです。そして、長く続ければそれなりになるものです。仕事もそうですし、結局人生もそう。つまり、日々我々は熟達していくわけで、やっぱり年月を重ねること、歳をとることは素晴らしいことであり、なにも憂えることはありませんよね。アンチ・エイジングの意味が分かりませんな。
 さて、49と言えばですね、今年アントニオ猪木さんがデビュー49年です。今日、その猪木さんの率いるIGFのプロレス興行「GENOME10」が水道橋のJCBホールで行われました。
 実はですね、カミさんと娘たちはですね、一生懸命ガチ&アドリブでリングに…いやいや舞台に上がっている私の所へは来ず、なななんと、そっちに行っていたんですよ。ま、私も自分の試合…いやいや演奏会がなければ、当然行ったわけですが。
 で、私は自分の興行…いやいや演奏会が終わってすぐに水道橋へ向かったんです。時間的には最後の3試合くらいは立ち見で観られるかなと思ったので。
 そうしたら、まあ水道橋周辺は妙に混んでいる。そりゃそうです。今日は日本シリーズが東京ドームで行われていたんですよね。ちょうど試合開始時間くらいに到着してしまったので、全然駐車場がない。
 結局JCBホールを目の前に眺めながら路駐して、家族の帰りを待つはめに。なんとも寂しい。すぐそこで熱い闘いが行われているに…。
 小一時間むなしく待って、我が家の女性軍3人と落ち合いました。3人とも大興奮です。いいなあ、いいなあ。
 いやあ、試合も興行も全体として非常に良かったようですが、ウチの3人はそれ以上に素晴らしい体験をしたようです。
 ウチは最近、妙にいろいろなプロレスラーの方々とご一緒させていただくことが多いんですよねえ。今年になってから突然です。それこそ、私もカミさんも、懲りず飽かずに30年40年プロレスファンを続けてきたんですよね。それがこういう形で急に実を結び始めている。そして、そんな両親に育てられている娘たちも、自然にそのゲノムを伝承している…(いいのかな?w)。
 まず試合前に、たまたまIGFリング・ゼネラル・マネージャーの宮戸優光さんとバッタリ会ったそうで、「ああ、どうもどうも」とご挨拶。それだけでも周囲のお客さんからすれば、なんなんだ?このおなごどもは?という感じでしょう。不思議なご縁ですよね。ありがたいことです。
 私も宮戸さんとは、ここのところ個人的にいろいろお話させてもらっていて、いろんな刺激をいただいたり、勉強をさせていただいたりしています。そう、最近の私の中学設立に関する一連の仕事もですね、団体立ち上げ、団体経営の経験豊富な宮戸さんから、たくさんのヒントやらやる気やらをいただいてここまで来たという感じなんですよ。来年4月旗揚げ戦って感じですから。まじで。
 それから試合後、まず2メートル25センチの巨神兵モンターニャ・シウバ選手にも会ったそうでして、娘たちはあの大きな手で握手してもらったそうです。リング上では生けるモノノケ、生けるナマハゲのような恐ろしさですけど、とってもとっても優しかったそうです。キラー・カーンさんがこの前言ってましたけど、「大きい人は優しい」というのは本当ですね。馬場さんとかもそうですし、だいたい動物も大きい方が穏やかです(笑)。いいなあ、娘たち。ちょっとうらやましい…。
 そして、そのあとですね、娘たちはさらに貴重な体験をしたようです。ジョシュ・バーネット選手を見つけた上の娘が、親譲りの突撃力を発揮したらしく、一人でダーッとジョシュのところへ駆けていったそうです。そして後から肩を叩いたと。やるな、娘。普通のファンは遠巻きに眺めるしかできないスーパースターですよね。
Photo_2 そして、試合前にジョシュのために買ってきたという、ウルトラマンの指人形5体(含ブースカ)の入った袋を手渡したらしい。その時は「アリガトウ」と言って行ってしまったのですが、そこはすかさずジョシュといちおう面識のあるカミさんがフォローを。得意の(?)英語で、「これは娘たちがあなたのために選んだウルトラマンの人形です」というようなことを言ったら、「オ〜!?」と言って、その場で袋を開けてくれたそうです。そして、ウルトラセブンを取り出して、「イイヨ〜!!」と言ってくれたとか。娘たちにとってこんなに嬉しいことはないでしょう。アリガトウ、ジョシュ。
 その後、家族みんなでアントニオ猪木酒場での打ち上げに参加する予定でした。しかし、私も一試合(?)終えたあとでしたし、子どもたちもかなり疲れていたので、泣く泣く帰途につくことにしました。こんな時は遠くに住んでいることが悔やまれたりします。
 私は帰宅後テレビで今日の試合を全て観ました。いやあ、素晴らしい興行でしたね。正直今までで一番良かった。プロレスの原点を垣間見たような気がしました。
 大男同士の肉体的なぶつかり合い。特に若い選手に顕著だった気持ちのぶつかり合い。一撃必殺の技の迫力。決して派手ではないけれども見どころ満載のインサイドワーク。お客さんとの一体感。レジェンドたちはお客さんが期待する「定番技」を全て見せ、猪木さんはじめユーモアも忘れない。こういう多彩な空間こそプロレスの醍醐味です。もちろん、試合後の選手とファンの交流も。
 ううむ、いろいろ印象に残る試合がありましたが、今回はワタクシ的にはタカ・クノウ選手が良かったかなあ。高校生同士のデビュー戦対決にも心から感動しましたし(内容はまだまだなのは当然ですが)、応援する鈴木秀樹選手の初勝利も純粋に喜びたいと思います。負けたけれども高山善廣選手の強さを再確認しましたし、澤田敦士選手も見直しましたよ。気持ちが前に出る選手はいいですね。すなわち声が出るということです。
 でも、やっぱりジョシュの強さが一番光ってたかなあ。やっぱりすごい男です。そんな男にウルトラマンの指人形あげちゃうウチの娘って…笑。
 ちなみに上の写真は、パンフレットと3枚の闘魂タオルとウチに残った指人形3体です。バルタン星人、ガッツ星人、シーボーズ(?)です。
 おっと考えてみると、ウルトラマングッズは高山選手にあげた方が良かったんじゃないかな。いや、もう持ってるか(笑)。

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