『彼岸花』 小津安二郎 監督作品
今日は銀座七丁目で中級セミナー。
銀座七丁目といえば小津安二郎の愛した中華料理店「東興園」があったところ(火災で消失)。小津はとにかくこの店が好きで、いくつかの作品に登場しています。
「東京物語」で初めて小津作品に出た香川京子さんも、たまたま行った東興園で小津に出会ったのだそうです。
さて、小津作品と言えば、久我美子さんが亡くなりましたね。「お早よう」や「彼岸花」で久我さんの美しさは格別でした。
特に小津初めてのカラー作品となる「彼岸花」での、山本富士子、有馬稲子との共演はまさに美の競演ですね。
冒頭の東京駅の洒落た(下卑た)会話と、直後の謡「高砂」の高貴さのコントラストからして小津は絶好調です。そして佐分利信、北竜二、中村伸郎と来るからもう(笑)。
とにかく主役女優三人だけでなく、他の女優、俳優さんたちが素晴らしすぎるのです。本当に最高のヴィルトゥオーゾたちのアンサンブルのごとき幸せな時間が延々と続くのでありました。
アグファの独特の色味がいいですね。今やAIが勝手に動画を生成する時代になりましたが、小津の作品はの対極にあって永遠に生き続けることでしょう。これからさらに輝くこと間違いありません。ある意味AIに感謝ですよ。
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