山梨富士吉田で学校のお仕事。因縁のホットスポットですね(笑)。こちらは桜が少しだけ咲き始めました。
さて、久しぶりに富士山を眺めながら聴いて、まじで感動した演奏を一つ。
私もこの曲には異様なほどのこだわりを持っております。バッハのシャコンヌ。まさに宇宙一崇高な音楽です。
もちろんヴァイオリンで演奏するのが一番良いのは当たり前です。ですから私のようなヴァイオリニストは幸運ですよね。ちゃんと弾けなくてもチャレンジできるわけですから。
当然、この宇宙的最高傑作を皆さん、それぞれ自家薬籠中の楽器で弾きたいわけです。ですから、それこそ無数の編曲版がある。ピアノ、チェンバロはもちろん、オルガン、オーケストラ、チェロ、サックス、ギター…。
で、いちおう箏奏者の端くれであるワタクシ、当然挑戦したことありますよ、箏で。かつて某有名古楽祭で「お琴ブラザーズ」として活躍してましたから(笑)。そうそう、そのブラザーが昨年亡くなってしまいました…哀しい。
ブラザーともよくこの曲の話をしたっけなあ。そして、お琴(箏)でやってみたこともあった。もちろん玉砕しましたが。
そして、なんと25絃箏で、一人で(!)をそれを成し遂げてしまったトンデモナイ音楽家が現れました。女性です。木村麻耶さん。
いやあ、ホントすごい。テクニックとかではなく、その音楽性というか、この曲の解釈というか、本当に驚き感動しました。泣いちゃった。
箏をやったことある人ならわかります。まずとんでもなく難しいことをやっているということ。
そう、この曲って、ヴァイオリンで弾いても、やはり超絶技巧的な感動というのがありますよね。超絶技巧(難行苦行)と音楽の関係って、いつも考えているのですが、やっぱりなんかありますよね。感動のファクターとして。
とにかく見た目的にもかっこいい。おそらくバッハ自身がこの演奏を聴いたら(見たら)泣きますよ。素晴らしい。
カール・シャイトの編曲ということは、基本ギター版ということですよね。そして、それはほとんどオリジナルに近い編曲であり、余計な音があまり足されていません。
原曲もそうですが、この編曲版も楽譜のとおりたとえばピアノやチェンバロで弾くと、実に薄っぺらくなってしまいます。だからみんな音をたくさん足す。
しかし、この箏の演奏にはほとんどそれがない。しかし実に豊かな響きになっている。これは箏という絃楽器の優秀性を饒舌に証明していると言えるでしょう。もともと単音楽器ですからね、基本。
う〜む、これはぜひ生で聴いてみたい。できれば、絹絃で。
そして、やはりこういうタイプの演奏は生田流だなあ。山田流だとちょっと難しいかなあ。
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