Mr.マリックの「超魔術」
大阪にてセミナー。今日もたっぷりお話しましたよ。自分で言うのもなんですが、さすがに教師を38年もやっておりますから、それなりの話術を身につけております。
とは言え、ほとんどの教師は話術の勉強をしていないので、まあ逆に話が下手すぎる。まずはしゃべるプロでなければならないのに。そんなわけで、私は全国の先生方に話術の指導もするわけです。
どの分野でも、他の分野の人からすると超能力的な技術を持っていないと、プロと称せないと考えています。私が7時間、ほとんど飽きることなく聴衆の意識を引き付けられるのは、少なくともそういう意識で仕事をしてきたからです…なんて言うとカッコいいですが、実際は無数の生徒のおかげです。なにしろ、彼らは「眠い、腹減った、早く帰りたい」人ばかりだったからです。強敵のおかげで必要以上に(笑)話術が身につきました。
多くの先生は、そこを「ハラスメント」で乗り越えようとしてしまうのです。すなわち、体育教師にありがちな「威圧」とか。あるいは成績というものを振りかざして生徒をコントロールしようとするとか。これが教室の、学校の実態ですよ。
と、一般読者にこんな愚痴を言ってもしかたないので、ここである分野の「プロ」の技、業を再確認してもらいましょう。
Mr.マリックさんの「超魔術」。私も当時ものすごく影響受けました。教員としてのある種の「ハッタリ」の原点はここだと言ってもよい。けっこう生徒をビビらせるのに「トリック」を使いましたから(トンデモナイ先生ですね〜)。
いや、今あらためて見ると、彼の「マジック」「トリック」の技術は並みではありませんね。「マリック」とはもちろんその両者のかけ合わせであって、つまり彼は人を騙していたわけではない。あくまで「超魔術」であって、超能力ではないということですね。
単なる手品(奇術)を超えた「魔術」という言葉を用い、さらにそこに「超」を付すことによって、今までなかった世界を予感させるところから始まり、よく観察するとわかるとおり、彼の「言葉」の妙、そして動きや間の妙、すなわち演出力の高さにも驚かされます。
これはやはり、ある意味での「超能力」と言えるでしょう。
今やYouTubeによって、そのタネはどんどん明かされている「マジック」「トリック」の世界ですが、タネを知れば知るほど、その超人的なテクニックに驚かされるというパラドックスが起きていますね。やはり「超能力」がなければ「プロ」にはなれないのだと思います。
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