『東京暗黒街・竹の家』 (サミュエル・フラー監督作品)
広島でセミナーでした。懇親会では地元の方々といろいろ歓談。当然(?)「仁義なき戦い」の話も(笑)。広島と呉の言葉や文化の違いなども面白かったなあ。
第一次広島抗争が落ち着いた頃、ハリウッドB級映画監督の雄、サミュエル・フラーが日本の「ヤクザ」を交えたトンデモ・アクション・サスペンス映画を撮影しています。1955年(昭和30年)のことです。
そうちょうど70年前の今日、その冒頭部分の撮影が山梨県富士吉田市で行われたのです。これがまさにトンデモない。
2月7日から9日まで、富士山麓電鉄(現富士急行線)を運休させて、そこに国鉄から蒸気機関車(C12)を走らせるという「暴挙」(笑)。
当時のアメリカと日本の力関係がよくわかります。なにしろ富士山麓電鉄はオファーを断ったのに、国や県からプレッシャーがかかり、地元の人たちの利便を無視した3日間の臨時運休をせざるを得なくなってしまったのですから。
ちょうどこういう記事が今日出ていたので読んでみてください。
【今日は何の日?】2月7日=映画撮影のため、富士急行が異例の3日間運休(1955年)
富士吉田には、この日のことを覚えている方もいるでしょうね。けっこう盛り上がったらしい。蒸気機関車が走るというのもレアですが、たしかにアメリカの巨大撮影隊に加え、ロバート・ライアン、早川雪洲、山口淑子(李香蘭)らが来訪したのですから、そりゃそうでしょう。
この冒頭部分の鉄橋はどこでしょうね。富士吉田駅(現富士山駅)と河口湖駅の間とのことですから、あそこあたりかなあ…。
それにしてもこの映画、フジヤマ・ヤクザ・ゲイシャというステレオタイプをふんだんに取り入れたB級作品であり、当時は国辱的だとの意見もあったようですが、今となっては戦後日本の都会と地方を、初めてフルカラー・シネマスコープで鮮明に記録した「記録映画」として高く評価されています。
まあツッコミどころ満載ですけれど、70年経ってみると一周回って、当時の日本き風景がある意味未来的にさえ感じられてしまうから面白い。
特に最後の浅草松屋屋上の遊園地で繰り広げられる銃撃戦は最高です。
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