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2024.06.15

『流浪の月 U-NEXT限定 未公開映像特典』

Img_6293 の日は秋葉原で中級セミナーでした。中級セミナーは内容が決まっていないので何が飛び出すか、自分でもよくわかりません(笑)。

 初級編でもいちおうシナリオのようなものはありますが、毎度アドリブなので微妙な違いが面白いらしく、5回も10回も聴きにくる人がいるくらいです。ありがたや。

 そう考えると、毎回カットされている話もあるわけです。積極的にカットする場合もあるし、泣く泣くカットする場合もあります。

 映画づくりでもそうですね。両方あると思います。

 積極的カットを強く感じ、学ぶことができたのが、昨日の「流浪の月」の「U-NEXT限定 未公開映像特典」。契約者しか観ることができませんがおススメしておきます。

 公開された作品は2時間強。実際に撮影されたものは4時間。つまり半分はカットされているわけですね。

 それらを観せていただきながら、李監督と編集の今井さんの解説を聴けるというぜいたくな特典。

 本当にそれぞれのシーンが良いシーンで、もう一本別の映画ができてしまいそうなクオリティーなのです。監督も「こんなに未公開シーンが充実している映画はない」とおっしゃる。

 それを積極的に捨てるとはいえ、やはり泣く泣くの部分もあるのではないでしょうか。時間と労力を費やした役者さん、スタッフのことを考えるとますます愛おしくなります。

 ただ、監督さんが最後に語ったように、それぞれの公開されなかったシーンの全てが、公開されたシーンに生きていることでしょう。私たちの人生や日常がそうであるように。

 映画に限らず多くの「作品」の、そういった裏側に思いを馳せることも大切でしょう。それは目の前にいる人に対しても同じです。

 そして私たちも自らの人生を編集する、すなわち多くのシーンをカットし捨てて生きていかねばならないのでした。

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