江古田と秋葉原
一昨日、大江戸線に乗っていまして、「新江古田」駅を通過しました。この駅名、なんと読むかご存知ですか?
正解は「しんえごた」。そう、西武池袋線の「江古田」駅は「えこだ」なのに、こちらは「えごた」なんですよね。基本同じ地域のことを指しているにもかかわらず読みが微妙に違う。
この辺の事情については、まあ東京の方はご存知かもしれませんけれど、一般には以下のように言われています。
江古田は「えこだ」「えごた」? 西武と都営で異なる駅名の読み、なぜそうなった
なるほど。
日本語におけるこのような濁点に関する変化というのは案外ありまして、そう地名で有名なのは「秋葉原」ですね。もともと「あきばはら」だったのが「あきはばら」になった。秋葉神社がありますから、もともとは「あきば」。しかし省略形としての「秋葉」は「アキバ」と戻るから面白い。
濁点位置の交替の例はほかにもたくさんありますが、もっと多いのは濁点の有無による読み方の違いですね。地名で有名なのは先日も通った「米原」。駅名は「まいばら」ですが、インターチェンジ名は「まいはら」です。
ちなみに「原」の読み方は多様です。たとえば名前でも、「桑原」は「くわはら」だったり「くわばら」だったり、「梶原」が「かじはら」だったり「かじわら」だったり。
日本語学的、音韻論的にも説明できるところですが、それよりも心理的な影響が大きいものと思われます。地名や名字は多くの人が利用するため、ある種の派閥のような対立構造もできやすい。そこで相手との差別化を図るために、濁点や半濁点を利用するという文化があるのです。
皆さんの周りにもきっとこういう現象があるに違いありません。探してみてください。
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