『越境する紅テント〜唐十郎の大冒険〜』(NHK アナザーストーリーズ 運命の分岐点)
あらためて唐十郎さんのすごさを実感できた番組でした。
結果として忌日が同じだったという因縁のライバル寺山修司。私はどちらかというと寺山派だったのですが、この年齢になってみると、もっと若い頃に唐さんに触れておけばよかったと思います。
大学時代、音楽のみならず、演劇やら映画やら舞踏やらにも傾倒しておりました。演劇人であった姉の影響もあって寺山の方に行っていたんですよね。
そう、考えてみれば根津甚八さんともご縁があったんですよ。彼は都留市の出身。彼の親戚の方には大学時代ずいぶん可愛がってもらいましたっけ。
ただ二人に共通する「社会への挑戦」や「虚実混淆」については、今の私にも強く影響を与え続けていると思います。
いや、最近それを忘れていたなとこの番組を観て思ったのですよ。なんとなく居心地の良いところに安住してきたなと。ちょうど勇気を必要とする挑戦案件が来ていたので、唐さんにも励まされたような気がしたのです。
昨日の王仁三郎も「芸術は宗教の母」「芸術は天地創造の原動力」と言っております。まさに社会に挑戦する芸術家だった王仁三郎。
番組で特に心に残ったのは、中村勘三郎さんへの影響でしょうか。歌舞伎が本来、庶民に近かった、すなわち反社会的でさえあったということを思い出させてくれたと。
きっと能もそうだったのでしょう。アバンギャルドが伝統芸能になってしまった。それは芸術としての死を意味するのかもしれません。う〜む、やっぱり能のこともやらねばならないのかなあ。
唐さんが常に「今」と戦っていたように、世阿弥なら「今」とどんなふうに戦うであろうか。そんなことを考えさせられました。
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