「なにわ」について
この日は新大阪にてセミナーでした。大阪で2日連続のべ18時間しゃべり倒しました(笑)。
昨日のキダ・タローさんの追悼記事では「なにわ」を「浪花」と表記しましたが、皆さんご存知のとおり「なにわ」に当てる漢字は何種類かあります。
浪花・浪華・難波・浪速…そのせいか、車の難波ー…ではなくナンバーは「なにわ」ですよね。「なにわ男子」も。「ナニワ金融道」はカタカナだ。
大阪はもともと湾の入り組んだ地域でしたから、「魚庭(なには)」が語源であるというのが定説です。一方、日本書紀には「潮が急なので浪速、または浪花と言う」との記述があるのですが、日本書紀や古事記の語源解説はけっこういい加減ですので注意が必要かと思います。漢字表記から引かれての語源解釈が多いのです。「なみ」が「なに」になるのはちょっと無理がありますよね。
ちなみに「難波(なんば)」は「なにわ」の音韻変化です。地名として、大阪では「なんば」、兵庫(尼崎)では「なにわ」と読むのは関西では有名な話でしょう。すぐ隣が読みが違うということでは、この前の「江古田(えごた・えこだ)」と同じような面倒くささであります。
「なには、なにわ、なんば」が指す地域も時代とともに変遷しているとのことで、その複雑さは関東人にはなかなか理解しがたいですね。
ただ面白いのは、浪花・浪華・難波・浪速、それぞれの文字によってイメージが変わってくるということ。地元の方がどんな感覚で使い分けているのか、ちょっと聞いてみたいところです。
ところで、「なにわ」と言えば能の演目にもありますね。「難波」…古くは「難波梅」と呼ばれた世阿弥作の脇能です。この「難波」は、王仁(おうにん)が登場し、また梅の木、そして「木華咲耶姫 」も重要な役を果たすなど、私にとってはとても看過できない作品です。
明日はそんな流れからか、聖地を訪れる予定です。
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