おやじは大きかったなあ(岡田茂吉)
西宮でセミナー。今日も盛り上がりました。
セミナーのテーマの中心に立つのが出口王仁三郎。まさに巨人。スケールが大きすぎてその全体像は凡人にはつかみきれません。「群盲像を評す」。私も群盲の一人。
そんな巨人王仁三郎について、かつて弟子であった世界救世教教主の岡田茂吉はこんなふうに語ったと伝わっています。
以下、王仁三郎の孫の一人、出口京太郎さんの名著「巨人 出口王仁三郎」から引用させていただきます。
「おやじは大きかったなあ」
このころ、東京の大本大森支部長をしていたのが岡田茂吉である。のちに世界救世教教主となるのだが、この岡田と王仁三郎については、おもしろい話が残っている。
大本ではむかしからお守りを出しているが、いつのころからか、岡田は自分でそのお守りを出しはじめた。自分の支部の信徒に下付したりしていたのだが、そのうち、このうわさが大本の幹部の耳にはいり、けしからんふるまいと激怒した幹部たちは、岡田をむりやり、王仁三郎のもとへひっぱってゆく。こってり油をしぼってもらおう、というわけだったのだろう。
幹部の口々に告げるご注進をひととおり聞き終えた王仁三郎は、やがて、隅のほうで小さくなっていた岡田を前へ手招きした。
岡田は百雷一時に落ちることを観念して、ひたすら平伏した。すると、王仁三郎は岡田の耳もとに口を寄せ、他の者に聞きとれぬくらい低い声で、
「ああいうて、みなが怒るよるからな、みなにわからんよう内緒でやれよ」といったものである。
岡田はいまこうやって一つの教団をひきいてみて、自分の部下でかってにお守りなど出す者が出たとしたら、とてもほっておけるものではない、と語りながら、
「おやじは大きかったなあ」
とつくづく述懐している。
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