昭和音楽大学簗瀬進学長の最終講義
今日は昭和音楽大学の学長、簗瀬進先生の最終講義にお招きいただき受講してきました。
「モーツァルトと啓蒙主義の時代」
これがめちゃくちゃ面白かった!勉強になりました。
3月をもって学長を退任される簗瀬先生は、弁護士であり、憲法の先生であり、政治家でもあり、そしてご自身もリコーダーを演奏する音楽愛好家です。
コロナも挟んだのべ10年間にわたり、副学長、学長として大学を導きつつ、アマチュア音楽家としても活発に活動され、最近は私も一緒にアンサンブルさせていただく機会が増えつつあるところでした。
今日の講義の内容は、まさに「目からウロコ」。今まで、バロック後期から古典派の音楽の歴史的な背景というのは、いわゆる年表的な感覚ではわかっているつもりだったのですが、いやあ、こういう「政治的」な背景があったのですね。
啓蒙主義、農奴解放令、革命思想、近代憲法観、そしてヨーゼフ2世やルソーの影響はもちろん、なんといっても啓蒙思想の体現者としてのフリーメイソンの存在の大きさ。
なるほど〜の連続でした。モーツァルトがフリーメイソンであることは知られていますが、たしかにそんなモーツァルトを生んだのは、間接的であれ、テレマンであったというのは、まさに目からウロコでしたね。
講義の中で、簗瀬学長ご自身がリコーダーを手にして、大学の先生方とのアンサンブルも聞かせていただきました。それがテレマンとバッハだったというのも象徴的。
たしかにテレマンはギルドを中心とした自由都市をその活躍の場として、裕福になりつつある庶民のために数千曲を作曲した、ある意味初めての近代作曲家ですね。私が中学時代からテレマンが好きだった理由が、今日なんとなくわかりました。
反面、最後に演奏されたバッハは、やはり「神の音楽」ですね。だいいち、あんなにテクニック的に難しい曲だと庶民から見放されますよ(笑)。
何度か書いているように、そんなバッハは未来(たとえばモーツァルトの出現)を予感したのか、次男の名付け役を友人テレマンに頼みました。実際テレマンは自身の「フィリップ」をバッハ次男に与え、そしてその次男は父の望みどおり(?)大衆的に成功する作曲家に成長してゆきましたし、末っ子クリスチャンは直接モーツァルトに影響を与える存在になりました。
ある意味父は反面教師だったわけですね。いや、父はあそこまで「神」の音楽を徹底して昇華することによって、「前時代」を終わらせたのでしょうか。
いずれにせよ、本当に密度の濃い2時間半の講義でした。簗瀬先生、ありがとうございました。そしてお疲れ様でした。これらかは山中湖で存分遊びましょう!
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