『スピリチュアリズム』 苫米地英人 (にんげん出版)
今日は京都は亀岡という因縁の地でセミナーをやらせていただきました。ある意味では日本的スピの「大本」とも行って良い地です。大いに盛り上がりました。
そんな私はいわゆるスピ系だと思われることが多いのですが、実は完全に反スピです!
講演やセミナーでも「あなたは次のうちどれですか? なんちゃってスピ、勘違いスピ、金儲けスピ」なんていう意地悪な質問するくらいですから(笑)。
つまり、そういうニセモノの世界にはうんざりしていて、しかしホンモノのスピがあると思っている、あるいは感じている人間なのです。
ですから、この本はバイブル。ちょっと古いのですが、ある意味今を予言しているとも言えます。
時代はオウム後、オーラの泉のころ。苫米地さんの江原さんに対する言葉は厳しい。いや、江原さんはただ未熟だと言ってるだけか。マスコミに対する舌鋒が鋭いのです。
それから私も多大な影響を受けており、昨年はお会いして私が関わった著書をお渡しする機会もあった中沢新一さんへの批判も厳しい。
たしかにオウムの現場で「脱洗脳」に関わった人ですからね、苫米地さんは。
キンキラキンでこのタイトルですから、きっと当時はそっち系の人たちがつい手に取ってしまったのではないでしょうか(苫米地さん自体十分アヤシイし)。
しかし、内容は完全に反スピ。これは作戦でしょうね。
ただ、科学の補集合世界は常にあると思っていますし、そこに人間がアクセスすることができるということは、たとえば音楽や宗教を通じて体感しているので、そういう意味ではたしかに「霊的人間」だとは言えるかもしれません。
この名著で苫米地さんは「スピリチュアル=オカルト」と断じています。その通りでしょう。かつて(1970年代)オカルトと称されたものが、オウムの事件を通じて批判の対象となりましたが、その潜在的なブームはずっと(古代から連綿と)続いており、それを金儲けに使えなくなったことに危機感を抱いたマスコミ・メディアが「スピリチュアル」というソフトなイメージを作り出したということです。
そのあたりを、私はずっとなぞって生きてきたので、よ〜くわかります。
出口王仁三郎についてのページもあります。比較的好意的に書いていてくれて、ちょっと安心しました。
苫米地さんがこの本で言いたいことは、最後の「おわりに 生と死とスピリチュアリズム」に簡潔に表現されています。今でもはやっている「なんちゃってスピ」は、2500年前にお釈迦様が否定した、アートマンの存在、永続性、すなわちバラモン教の差別意識や輪廻転生思想やカルマの影響を受けているということですね。
そして、それがチベット密教やヒンドゥー教につながり、のちのヒトラーのナチズムやオウム真理教を生んだということは重要な指摘ですね。
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