『ビリーバーズ』 城定秀夫 脚本・監督作品
城定監督の作品にハズレはありませんが、この作品は特に印象に残る名作でした。
ピンク映画の巨匠という言い方は、もう古いでしょうね。ピンクの味わいを活かし、動員第一の大掛かりな映画とは一線を画して、日本映画を良き伝統を継いでくれている重鎮と言っていいでしょう。
新興宗教とエロ。最近もいろいろな宗教団体やカリスマが屹立する団体内のセクハラや性加害が問題になっていますよね。だからこそ非常にリアルです。
原作の漫画は読んだことがありませんが、こういうテーマのこういうストーリーもまた日本の青年漫画らしい。
なんで急に見ようかと思ったかと言うと、静岡のセノバで北村優衣さんの広告を見かけたからです。セノバの広告は季節ごとになかなか素晴らしい。
冬バージョンはこれです。魔法よ、溶けるな。
この映画の見どころはなんといっても、北村さんの体当たりというか全身全霊の演技でしょう。ここまであっけらかんと青空の下で脱ぐかという感じです。
あまりに特殊な状況のストーリーなので、そのキャラクターづくり、演技は難しかったと思いますが、実に見事。完璧です。
もともと「汚れた世俗よ、さようなら」なはずなのに、結局どんどん汚れていく…しかし、リアルでもよくあるように、そこにまた違った意味を持たせてある意味「昇華」「止揚」させてしまう男の「理性のずるさ」と、それを誘発してしまう女の「本能のずるさ」のごった煮が、ある意味美しい。
そう考えると、これって特殊な状況ではなくて、案外日常なのかもしれませんね。
まあ、とにかく素晴らしい作品です。何度も観たいですね。
Amazon ビリーバーズ
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