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2024.01.22

『シャイロックの子供たち』 池井戸潤 原作・本木克英 監督

91mw1lhpfl_ac_ul640_ql65_ 近ホテルに泊まる機会が増えました。APAホテルに泊まると、つい観てしまうのが映画です。

 けっこういい作品を無料で観ることができます。先週はこれを観ました。面白かった!

 まず感心したのは、役者陣の軽妙&重厚な演技ですね。柳葉敏郎さんと橋爪功さん、柄本明さんは素晴らしかったなあ。さすがですね。もちろん、阿部サダヲさんも、ちょうどいい存在感でしたし。

 池井戸潤さんの原作は昔読んだことがあったのですが、正直細かいところは忘れている上に、原作とは違う展開になるこの映画は純粋に楽しむことができました。

 かつては花形商売だった銀行員。教え子も金融機関に就職するのはエリートたちでしたが、今や最も大変かつ先が見えない仕事になってしまいましたね。

 この映画においても、「金」と「地位」を巡る様々な欲望、煩悩が渦巻いています。多くの小説やドラマ、映画がそうであるように、最終的には「勧善懲悪」「倍返し」的なカタルシスを味わうことができるわけですが、それってどこか劣等感をベースとした嫉妬心から生じる「煩悩」の表出でもありますよね。

 結果、煩悩vs煩悩になるわけでして、なんの解決にもなっていないというのが、現在の多くのエンターテインメントなのでした。

 昨今かまびすしい文春砲やらSNSの世界やらも、ほとんどが「嫉妬心」の発露であることが気になります。一瞬のカタルシスはあるとしても、根本解決になっていないので次のターゲットを探すことになる。

 なかなか私たちは「魂の大峠」を越えられませんね。シェークスピアの時代となんも変わっていません(苦笑)。

Amazon シャイロックの子供たち

 

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