C.F.アーベル 『ヴィオラ・ダ・ガンバの為の易しいソナタ集』
今日は山中湖と埼玉の某市でヴィオロンチェロ・ダ・スパッラの演奏。仲間の皆様のおかげでいろいろな発見があって面白かった!
演奏した曲の中にこれがありました。息子アーベルのヴィオラ・ダ・ガンバの為のソナタ集です。お父さんアーベルは第バッハと親友でした。そして息子どうしも親密。そう、息子アーベルはバッハの末子ヨハン・クリスティアン・バッハとともにロンドンで活躍していました。
この「ヴィオラ・ダ・ガンバの為の易しいソナタ集」もロンドンで作曲されています。いかにもアマチュアを楽しませようという意図に満ちた作品ですね。技術的に、ガンバのパートも通奏低音のパートも非常にシンプルで、私たちアマチュアでも初見で楽しむことができます。
音楽的にも、全て同じ構成でできており、また最後の第6番以外は天真爛漫な長調の曲ばかりです。真ん中の緩徐楽章も全て長調ですからね。そして短調の6番がなんとも際立ちます。アルビノーニとかモーツァルトなんかも短調に数少ない短調の曲に名曲が多いじゃないですか。時代性でしょうか、面白いですね。
そして、息子アーベルの特徴の一つとして、ガンバのパートをト音記号(すなわち1オクターヴ上)で表記するんですよね。これはたぶんヴァイオリンやフルートなどでも演奏しやすくするためでしょう。
そのおかげでヴィオロンチェロ・ダ・スパッラでも演奏しやすい。ヴァイオリンのつもりで弾けばいいので。ところどころヘ音記号になって面食らいますが(笑)。
父バッハの友人であったホフマンが作ったと言われるヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ。ガンバ&チェロ弾きだった父アーベルも当然知っていたことでしょう。また、息子たちも演奏したかは別として楽器の存在は知っていたと思われます。
いろいろなことを妄想しながら、私はいつものように肩に乗せて楽しく演奏いたしました。なにしろ「肩のチェロ」なので。
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