3度目の『翔んで埼玉2 琵琶湖より愛をこめて』
今日はカミさんと三島へ。久々に一緒に映画を観ました。クリスマスイヴを二人で過ごすのは何年ぶりか(苦笑)。
そう、3日前に観た「翔んで埼玉2 琵琶湖より愛をこめて」をまた観てしまいました。3度目です(笑)。
昨年は夫婦で「RRR」にはまって4回観ましたが、今年は翔んで埼玉です。何度観ても笑えるし発見もある。ホント素晴らしすぎる映画ですよ。
今回は新たにいくつか発見というか、気づきがありました。
まず、あの時間も空間もごった煮な世界観って、霊界物語みたいだなと。現代であり、近世であり、古代であり、未来であり、なぜかフランス革命風であり。
それがどういうわけか不自然ではなく自然に融合してしまっている。これこそ「和」の精神ではないでしょうか。「和」とは「にこにこ」です。「にこにこ」は全て包容(抱擁)する。「にこにこ」は様々な境界線を消し去る。
その象徴的なシーンが、私の一番好きなシーン、恒例の出身地対決の掉尾、藤原紀香さんが和歌山出身だとバレるところ。あそこで滋賀解放戦線側が紀香さんを提示した際、神戸市長であるはずの彼女が「えっ?私?」と言うところです。
役柄と本人の境界線が一瞬なくなる瞬間。実は、そこへの布石として、ずっと私たちはリアル夫婦である、愛之助さんと紀香さんのきわどいストーリーを味わってきていたのです。
そして、いよいよリアル紀香が顕現したところで、大阪市長たる愛之助さんはブチ切れして、奥さんに「大阪湾に沈めたれ!」と言う。見事な虚実皮膜の曖昧化ですね。
あと、今回感じたのは、この大阪に対する滋賀や埼玉の戦いって大東亜戦争的でもあるなと。滋賀自身が犠牲になることによって、虐げられた植民地を解放する物語。そうすると「行田タワー(ミサイル)」の存在には、歴史的フィクションとしてのリアリズムが付与されます。私たち日本人は溜飲を下げることができますね。
それから、あのBL世界について。宝塚的でもあり、ジャニーズ的でもあるある種の茶番的世界におけるBL表現は、非常に重要な日本文化の継承です。現実世界ではそれが非難の対象になっている今だからこそ。
女優に耽美な男性役を演じさせるのは、間違いなく宝塚文化ですが、そこにGACKTというリアルな耽美男性を絡めつつ、いつもぎりぎりキスを回避するあたり、実にうまい演出であると感じました。
「首」も思いっきりBLでしたし、なんでしょうこのBLブームは(笑)。
あっそうそう、愛之助さん演じる大阪府知事、嘉祥寺晃(かしょうじ・あきら)ですが、その響きから仲小路彰(なかしょうじ・あきら)を思い浮かべるのは、私と家内くらいのものでしょうか。これって偶然?それとも…。
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