『ハドソン川の奇跡』 トム・ハンクス主演 クリント・イーストウッド監督作品
昨日の「失敗の科学」でも失敗に基づいた成功例として紹介されていた「ハドソン川の奇跡」。
2009年に実際に起きた航空事故です。離陸直後、バードストライクによって両エンジンが機能停止し、機長の勇断によってニューヨークマンハッタンのハドソン川に不時着水した事故です。
乗員全員が無事、かつ住民などに被害なしという「奇跡」を映画化したのがこの作品。
この映画では、昨日の本の内容を踏まえて言うなら、機長の「成功」を「失敗」とし、「保身」のために「自己正当性」を主張しようとする、調査委員会や航空会社、保険会社との戦いの物語が展開します。
そう、「奇跡」の再現もよくできていて感動的ですが、それ以上に事故後(成功・奇跡後)に機長が巻き込まれる戦いにおいて、最終的に「事実」「正義」が勝つという物語の方により重心が置かれています。
なるほど、こういう裏のストーリーがあったのかと驚くとともに、どこまで人間は自分勝手であり、過去を書き換えてしまうものかということに落胆してしまいましたね。
現代の科学の発展が、過去の事実の改変を推し進める場合もある反面、それを阻止する力も持っているわけで、結局はそれを利用する人間の良心が問われるのだなあと感じました。AIが日常的になっていくこれからの時代においては、まさに私たちの良心が改めて問われることでしょう。
機長サリー役のトム・ハンクスが静かな演技で良い。クリント・イーストウッドの無駄のない演出にも好感が持てました。90分くらいに収めたのは正解でしたね。
Amazon ハドソン川の奇跡
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