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2023.12.04

バッハ『フーガの技法』を見る

 

 幹線の中で思わず全部見てしまった動画。そう音楽を「見る」という面白さ。

 それも最も幾何学的であるとも言えるバッハのフーガの技法。さらにその名演奏(もちろん生楽器)。

 この演奏、昨年紹介していました。非常に画期的な、ある意味未来的な演奏です。

 バッハ 『フーガの技法』 (オランダ・バッハ協会)

 演奏映像だけでも十分に「見る」楽しみがあったのですが、こうして音楽自体を映像化していただけるとは。

 打ち込み音楽を映像化するのは簡単ですが、こうしたライヴな生演奏を映像化するのは、いくらAIを使ってもめちゃくちゃ手間がかかると思うのですが。

 そのプロレスについては、こちらに詳しく書かれています。すさまじい手作業だったのです。

 この動画から確認できることは、音楽(すなわち時間)は未来からやってくること、過去は残響に過ぎないこと、つまり「今」という点には過去の余韻と未来への予兆が含まれているということです。

 「今ここ」問題は、現代の科学や哲学、宗教、そして私自身の大きな課題なのですが、この動画を全て見て、ある重要なヒントを得ることができました。

 そして、音楽は天使でもあり悪魔でもあること。晩年のバッハが行き着いたのは、宇宙の、そしてその雛型たる私たち自身の、そうした二面性であり、しかしそれらは二項対立するものではなく、昇華されてプロポーションを生むものであるということだったのでは。

 また、抽象的な「音符」の世界と、具体的な「演奏」の世界も同様に高次で融合されるということ。

 この動画の作者は様々な時代の音楽を可視化してくれています。すごいですね。ぜひいろいろ見てみてください。

 YouTubeチャンネル smalin

 

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