ジャン=バティスト・ルイエ(ド・ロンドル) 『トリオ・ソナタ ト短調』
今日は、某音楽大学の学長さんとの合奏やら懇談やらを楽しみました。
今、全国の音大は大変な苦境に陥っています。かつて権威のあった大学は軒並み定員割れ。歴史と名前だけに頼っていたためでしょう。逆に新しい試みを怠らなかったいくつかの大学たちは、少なくとも経営的には下剋上を成し遂げていると思います。
今日お会いした学長さんの大学は後者。御本人はもともと本職は音楽畑の方ではありません。それが良かったのでしょうね。
このたび本職での長年にわたる社会貢献に対し叙勲の御栄があったとのことで、サプライズで音楽による祝福をさせていただきました。
学長さん、本職ではありませんが、ディレッタントとしては洋・邦両方の音楽を極めていらっしゃいます。今日も「初見大会」をご一緒させていただきました。
そのうちの1曲がこれ。ベルギー出身でロンドンで活躍したルイエのトリオ・ソナタです。ルイエは同姓同名の親戚作曲家がいるので、こちらは「ロンドンの」と呼ばれることが多い。本人もそのように称していたようです。
ルイエはオーボエ、フルート、リコーダーが得意で、そうした管楽器のための優れた作品を残しています。ベルギーで活躍していた同名の親戚ルイエも管楽器のための曲をたくさん書いているため、両者はずっと(今でも)混同されてきました。
今日使った楽譜にも「Jean-Baptiste Lœillet」としか記されていなかったので、正直演奏しながら「どっちだろ?」と思っていました。帰宅後調べたらロンドンの方だったと。ちなみに私はヴィオロンチェロ・ダ・スパッラで通奏低音を演奏させていただきました。
シンプルながらも、当時の管楽器どうしでは効果的であっただろう繋留音(非和声音)が巧みに配されている佳曲でした。
また年が明けたところで、新年初見大会が催される予定です。次は邦楽器でのアンサンブルもやってみましょうかね。
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