ドラマ版 『東京物語』
世界の映画史に残る、小津安二郎監督の「東京物語」をリメイクするのは、普通に考えれば無理です。
しかし、それをやってしまったのがこのテレビドラマ。2002年フジテレビ。
舞台を(当時)の現代に移し、かつ小津調にこだわらなかったのが功を奏しました。当時は結構厳しい評価だったと思いますが、今になると当時の時代感も含めてなかなか味わい深い出来と言ってよいのではないでしょうか。
原作の脚本もうまく生かされていますし、あのとんでもないオリジナル・キャストにあまり重ねず、当時の名優たちを採用したのは正解だった。
というか、まあそういう方法しかなかったのでしょう。あまりに原作がすごすぎるので、「離れ業」に行くしかなかったと。
私も最初は思わずオリジナルと比べるような視点で観ていたのですが、すぐに全く別のドラマ世界として味わえるようになりました。演出の腹のくくり方というか、潔さというか、その結果でしょう。
どの俳優さんもきつかったと思いますが、杉村春子を敵に回した(?)室井滋は特に大変だったでしょうね。よく頑張っていますよ。
それにしても「東京物語」のテーマっていうのは、時代を超え、あるいは国すらも超える普遍的なモノなのですね。特に年を取ってくるとしみます。
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