『ゴジラ−1.0』 山崎貴 脚本・VFX・監督作品
現場(日比谷)で鑑賞してきました。
いや、想像以上に素晴らしい出来の映画でしたね。細かいことは抜きにできるほど、全体的なクオリティが高かった。満足度高し。
少なくともシン・ゴジラよりは数倍感動いたしました。泣きました。特にあのテーマが流れるシーンでは。
なるほど、オリジナル・ゴジラは「戦争」の暗く濃い影の産物ですよね。そこを過去にとって未来である現在において、ほぼ完璧な形で描いたものと感じました。
「生きろ!」というテーマはどこかで聞いたことがありますが、それもまさに未来的現在だからこその感覚。さまざまな過去と未来が錯綜し、交響する現在をリアルに感じることができたのは収穫でした。
銀座から山手線をはさんで位置するここ日比谷も思いっきり破壊されていました。そういう時空、あるいは虚実を超えて感じられるリアリズムの源泉はどこにあるのか。
シナリオや演技の巧みさもその一つでしょうが、やはりVFXの質の高さに依拠する部分が多かったと思います。
今まで感じてきたCGの不自然さが全くと言っていいほど感じられなかったのは、おそらく監督のミニチュアに対する敬意と愛があるからではないでしょうか。
実写、ミニチュア、CGがいい具合にミックスされ、映画的リアリズムに昇華されていたように感じました。そして、それを最大限に活かすカメラワーク(というのか?)。
ストーリー的にはある意味盤石すぎる鉄板モノですが、ラストに畳み掛けられる「どんでん返し(いい意味での裏切り)」が、ある種の潔さになって、物語をしっかり着地させつつ、しかし最後に「大団円」ではないことを思い出させる効果を生んでいたと思います。
まさに「生きろ!」はゴジラにも向けられた言葉だったのですね。
ぜひもう一度観てみたい作品ですね。きっと4Dでも面白いでしょう。世界でヒットするといいでしょう。古くて新しき良き日本の発信に寄与するでしょう。
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