ナイツ 『野球寿限無』
本日より富士河口湖町にて文学講座を担当いたします。今年は十返舎一九の「甲州道中記」。初めての江戸モノです。
十返舎一九といえば「東海道中膝栗毛」が超有名です。しかしあれは案外読まれていない。めちゃくちゃ面白いのに。皆さんにもぜひ読んでいただきたい。江戸の言葉はほとんど現代語と変わりませんから、古典を読む感覚ではなく普通に読めちゃいます。
とにかく弥次さん喜多さんの、軽妙かつウィットに富んだ会話がたまりません。明るさしかなく読んでいて爽快な気分になりますね。
で、こちら甲州篇のドタバタコンビは、千久良坊(ちくらぼう)と鼻毛延高(はなげのびたか)。「ちくらぼう」とは嘘つきのこと、「はなげのびたか」は説明不要ですな(笑)。
で、講座のために改めて読んでみたら、まあ下品極まりないこと(笑)。東海道よりもずっと下ネタが多い。オチの付け方などは東海道と同じですが、まあくだらなさはでは勝ってますな。ある意味絶品です。
これを公的な講座でやって良いのか、それも受講生には女性が多いのに…とも思いましたが、コンプライアンスだハラスメントだ、いろいろ世知辛い現代において、一服の清涼剤にでもなればそれも良しと。下ネタは世界を救う。
で、今日は、昼間は一九の生まれ故郷、静岡市の葵区におりましたが、夜の講座に合わせて甲斐に帰ってきたんですね。途中2時間のドライブの最中、ずっとナイツのネタを聴いていました。
そうしたら、江戸の滑稽本と現代の関東漫才はとても似ていることに気づいたのです。今さらながらですが。
いわゆる上方漫才のしゃべくりに対して、ナイツは言い間違いや言葉遊びの巧みさと、絶妙な下ネタで人気を得ました。これって十返舎一九の笑いの手法そのままですよ。
そこで、今日聴いていて最も笑いつつ感心してしまったネタを紹介します。これはお見事ですね。落語はもちろん、江戸系の様々な芸能を勉強したのでしょうね。
今から13年前のことなので、野球ネタとか古くなってますが、またそれがいい味出してますし、結果野球を知らなくても楽しめちゃう。これはすごいですよ。
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