在原業平の墓(滋賀県高島市マキノ町在原)
この日は滋賀県の高島市マキノ町にて合宿セミナー。古民家をリノベーションした素晴らしい宿にてたっぷり皆さんと交流いたしました。
やはり「場」は大切ですよねえ。自然環境も素晴らしく、雪が降り、月が雲間から現れ、花が咲き、まさに雪月花の幽境でありました。
ここには在原業平の墓と伝承される石塔が存在します。今日の私の5時間にわたる講演の中にも、重要人物として現れました在原業平朝臣…あの時(40年前)は彼を恨みましたが、今では大感謝です。
そして、こういう偶然で、お墓参りをし、感謝を申し上げることができました。まあ、宇宙から見れば40年なんてあっという間なんでしょうね。
セミナーの合間に一人でお墓を訪ねてみました(実際には19日の朝)。冷めたことを書けば、山村、寒村にありがちな、コンプレックスの反動としての「大げさな物語」であることは間違いないのですが、それをもって学術的に「偽モノ」「噴飯モノ」としてしまうのは、まさに唯物論的な愚かな態度です。
ずっとそれを真剣に信じてきた人々の意識、命、魂を無視した歴史観には、この世の本質に迫る力が欠如しているのです。
私が研究している、宮下文書や出口王仁三郎、そして仲小路彰など、まさにそういう人たちから無視され、バカにさえされてきたモノ、ヒトですね。
そういう意味で、この石塔(五輪塔?)に対面した際、不思議と富士山麓明見の里や、秋田の某地、その他ご縁があって訪れた山村、寒村ともつながった感覚がありました。
静かに、深く、忘れ去られた「コト=意識」。
そう、コトにはモノは宿りませんが、モノにはコトは宿るのでした。そして、忘却という最高の保存方法。手つかず(解釈が関与しない)という完璧な伝承。必要なコトは、モノの中に忘れ去られ、必要な時にこうして現れるのです(私にとっては40年の忘却がありました)。
顕在的なコト(カタ)にはめられ固定化した現代社会、現代人。いよいよそれを突き破って潜在的なモノ(とそこに保存されたコト)の復権の時代が来るのでしょう。今日のセミナーも結局そういう話なのでした。
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