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2023.10.20

ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラをテナー・ヴィオラとして使う

Th_-20231021-84745 日は某所でアンサンブルの練習。私はヴィオロンチェロ・ダ・スパッラだけを持参しました。

 まずはテレマンのパリ四重奏曲ト短調から。最初はチェロのパートをスパッラで演奏しました。普通のチェロで弾くとハイポジションの連続で結構大変な曲ですが、スパッラで弾けば楽チン。音色的にもいい感じでした。

 ちなみに私はスパッラをヴァイオリンのように肩に乗せるか、ディスカウント・ガンバのように膝に乗せて演奏します。この写真は先日森の中でちょっとした演奏会をやった時のものです。

 次はチェリストと交代しまして通奏低音パートをスパッラで演奏。憧れの通奏低音をこういう形で弾けるようになるとは。気持ち良かった〜。

Th_-20231021-84808 そして、次はモーツァルトのフルート四重奏曲の練習です。私はヴィオラのパートを担当。ここで一つの実験をしました。

 そう、スパッラをヴィオラの代わりに使うのです。私はスパッラの調弦を下からcgcgdとしまして、上の3本を使って演奏しました。すなわち、普通のヴィオラの下3本と同様の調弦をしたわけです。

 そうしますと、普通のヴィオラの一番上のa線がないことになるわけですが、そこはハイポジションでなんとかなります(バロック時代の曲はほとんど問題なし。モーツァルトはソロ部分はちょっときつい)。

 これが大変良く響きまして、弾いている私も気持ち良かったし、皆さんにも喜んでもらえました。また、スパッラの可能性の一つを感じることができましたね。

 バロック時代まではヴィオラは定型がなく、いろいろな大きさのものが使われていました。特にテナー(テノール)・ヴィオラとかテナー・ヴァイオリンと呼ばれた大型の楽器はよく使われていたようです。

 テナー・ヴィオラについては、Nate Taborさんのこちらの記事をご参照ください。

 彼の製作した楽器を弾いている動画があります。いい音してますね〜。

 一般的にテナーの調弦はヴァイオリンの1オクターヴ下、すなわちgdaeとするのですが、私のような調弦もありでしょう。昔は調弦も自由でしたからね。スコルダトゥーラ。

 バロック中期はもちろん、後期になっても、アルビノーニやテレマンなどはテナー・ヴィオラを指定しています。それを現代の古楽奏者たちはほとんど普通の(コントラルト)ヴィオラで代用してしまっています。

 今回容積の大きな楽器でヴィオラのパートを演奏してよくわかりました。合奏の全体像(響き)が変わるのだと。

 大きなヴィオラの復活、復権を祈ります。ちょっと前に紹介したヴィオラ・アルタで復活しそうだったのに、消えてしまいましたからね。

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