セファルディカ
いろいろな音楽をやっておりますが、最近、イスラム圏の音楽の演奏依頼がいくつかありまして、改めて勉強しております。
実際のところそれらの音楽の柱となる微分音は、西洋音楽に慣れきった私たちの耳にはかなり難しい。技術的にはできるのですが、表現的には「なんちゃって」になりがちです。
聴く方も慣れていないので、ひどい場合は「音程が悪い」とか言われてしまう(苦笑)。
そこで、ある意味自分にも聴衆にもわかりやすく妥協した音楽をやることが多い。つまり西洋楽器、西洋音階の中で、それらしくやるということです。
そんな時に大変参考になるのが、「西洋に渡ったイスラム音楽」。具体的にはスペイン南部アンダルシアの音楽です。レコンキスタ後、スペイン王国の一部となりましたが、千年近くにわたるイスラム文化の影響は色濃く残っています。
そんなアンダルシアの音楽をわかりやすく演奏してくれるのが、このセファルディカです。
もうお気づきの方もいらっしゃるでしょうが、そのネーミングからわかるとおり、セファルディム、すわなちアラブ、アフリカ、アジアに住んだユダヤ人の音楽も演奏します。つまり、アンダルシア地方にはそうした古ユダヤの文化も残っているのでしょう。
いずれにせよ、もとは近代西洋音楽とは違ったスキームによって完成された音楽ですが、ヨーロッパに渡ることによって、さらに近代西洋音楽とも融合し、たとえば楽器は西洋の楽器も用いる、すなわち微分音は排除され近代音階の中で演奏されるようになったというわけです。
だから、ある意味わかりやすい。これは日本の伝統音楽においても明治以降起きた現象ですね。
というわけで、「なんちゃって」であるとも言えますが、またそれは進化しグローバル化したユダヤ・イスラム音楽だとも言えるのでしょう。
YouTubeというグローバル・メディアに乗って、ローカル・メディアの巧妙な反撃が始まっているのかもしれません。
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