マウリツィオ・カッツァーティ 『モテット』
Cazzati: Motets
初期バロック音楽の知られざる名曲ですね、これは。
カッツァーティは、初期バロックのイタリアの作曲家。初期と言ってもその後期であり、コレッリとも時代的には重なる部分があります。
しかし様式的にはモンテヴェルディ、カヴァッリあたりを踏襲している感じで、当時としてはやや古臭い音楽と言えるかもしれません。
ただこうした宗教的音楽については保守的傾向も好まれたので、こうした集大成的な名曲も生まれ得たのでしょう。
非常に美しいですね。古い様式の中にも、当時のイタリア的挑戦としての不協和音や半音進行の効果的利用も聴いてとれます。
そしてこの録音、演奏が素晴らしいですね。絶品のソプラノは日本人です。小野綾子さん。このような世界的な活躍をするとともに、地元東北の音楽振興にも尽力されています。
ヴァイオリンの二人のハーモニーも見事。こういうのを教会で生で聴いたら、それこそ「神とともにある」経験ができることでしょう。
ちなみにこの録音はフリブールのニコラス大聖堂で行われています。
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