アニメ映画『犬王』 (湯浅政明監督作品)
昨日の動画でも紹介されていたアニメーション映画「犬王」。
娘が能をやっていることもあって興味深く鑑賞いたしました。こういう作品好きだなあ。境界線を感じさせない世界観。
お変人のワタクシからすると、観阿弥も世阿弥も犬阿弥(道阿弥)も相当ロックなアーティストでした。
今では能というと静かで眠くなる舞台芸術のように思われていますが、あの時代はその時代性とも相まって、能楽はかなり過激な野外フェスでした。
そのあたりの空気感を、現代のロックと融合させることによって、見事に表現しているのがこの作品だと言えます。そうした時代を超えた融合に違和感を抱くとするなら、その人は時代や歴史や伝統というフィクションにとらわれているのでしょう。
そういう意味でも、できれば劇場で鑑賞したい作品ですね。実際、この映画では現代の風景が額縁のように配置されていますが、私たちの側も現実の風景から隔離される空間と時間が必要です。
近年の名作ドラマ「俺の家の話」の時も、能楽界がざわつきましたが、この映画についてはどうだったのでしょう。伝統に対して失礼だと言った人もいましたが、はて、観阿弥や世阿弥、犬王が現代に生きていたら、もっと過激な作品を世に問うていたのではないでしょうか。
特に犬王は、世阿弥が「こいつ最高!」と評価したアーティストでしたからね。
Amazon 犬王
| 固定リンク
「アニメ・コミック」カテゴリの記事
- 最低漫画をめぐる田中圭一と岡田斗司夫の最高漫才(2025.03.17)
- 盾持人物埴輪&はにぽん(本庄市)(2025.02.20)
- 超一流はみんないい人(2024.06.04)
- 麻布十番での邂逅(2024.06.02)
- COTEN RADIOショート やなせたかし編(2024.04.15)
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 山梨県都留市へどうぞ(2025.03.16)
- Mr.マリックの「超魔術」(2025.03.01)
- 『猫と私と、もう1人のネコ』 祝大輔 監督作品(2025.02.28)
- NHK BS クラシック倶楽部『マリオ・ブルネロ チェロ・リサイタル』(2025.02.25)
- ティン・パン・アレー ライヴ(1974〜1978)(2025.02.18)
「音楽」カテゴリの記事
- Awich, NENE, LANA, MaRI, AI & YURIYAN RETRIEVER - Bad B*tch 美学 Remix(2025.03.14)
- YMOと仲小路彰(2025.03.13)
- オスカー・ピーターソン・トリオ・イン・トーキョー、1964(再び)(2025.03.03)
- 『猫と私と、もう1人のネコ』 祝大輔 監督作品(2025.02.28)
- マリオ・ブルネロ 『(チェロ・ピッコロによる)バッハ ヴァイオリン・ソナタ集』(2025.02.27)
「芸能・アイドル」カテゴリの記事
- 小林一三 『賢そうな馬鹿』(2025.03.02)
- Mr.マリックの「超魔術」(2025.03.01)
- スペクトラム ファイナルコンサートat 武道館(2025.02.13)
- いかりや長介と立川談志の対話(2024.08.19)
- 九州人による爆笑九州談義(筑紫哲也、タモリ、武田鉄矢)(2024.08.18)
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 最低漫画をめぐる田中圭一と岡田斗司夫の最高漫才(2025.03.17)
- Awich, NENE, LANA, MaRI, AI & YURIYAN RETRIEVER - Bad B*tch 美学 Remix(2025.03.14)
- YMOと仲小路彰(2025.03.13)
- オスカー・ピーターソン・トリオ・イン・トーキョー、1964(再び)(2025.03.03)
- Mr.マリックの「超魔術」(2025.03.01)
「歴史・宗教」カテゴリの記事
- 煩悩を小さくする方法(2025.03.21)
- YMOと仲小路彰(2025.03.13)
- 『なぜ元ビジネスパーソンが禅を学んで楽に生きられるようになったのか』 櫻井新悟(セルバ出版)(2025.03.10)
- 『教養としての禅』 前田憲良・井橋団平(大学教育出版)(2025.03.09)
- 江戸の鬼門開き(その1)(2025.03.08)
コメント