アニメ映画『犬王』 (湯浅政明監督作品)
昨日の動画でも紹介されていたアニメーション映画「犬王」。
娘が能をやっていることもあって興味深く鑑賞いたしました。こういう作品好きだなあ。境界線を感じさせない世界観。
お変人のワタクシからすると、観阿弥も世阿弥も犬阿弥(道阿弥)も相当ロックなアーティストでした。
今では能というと静かで眠くなる舞台芸術のように思われていますが、あの時代はその時代性とも相まって、能楽はかなり過激な野外フェスでした。
そのあたりの空気感を、現代のロックと融合させることによって、見事に表現しているのがこの作品だと言えます。そうした時代を超えた融合に違和感を抱くとするなら、その人は時代や歴史や伝統というフィクションにとらわれているのでしょう。
そういう意味でも、できれば劇場で鑑賞したい作品ですね。実際、この映画では現代の風景が額縁のように配置されていますが、私たちの側も現実の風景から隔離される空間と時間が必要です。
近年の名作ドラマ「俺の家の話」の時も、能楽界がざわつきましたが、この映画についてはどうだったのでしょう。伝統に対して失礼だと言った人もいましたが、はて、観阿弥や世阿弥、犬王が現代に生きていたら、もっと過激な作品を世に問うていたのではないでしょうか。
特に犬王は、世阿弥が「こいつ最高!」と評価したアーティストでしたからね。
Amazon 犬王
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