マスチッティのコレンテ
ちょっと忙しいので、今日は知られざる佳曲を一つ。
イタリアバロックの作曲家ミケーレ・マスチッティはナポリで活躍したのち、その音楽家としての後半生をパリで過ごしました。
コレッリに師事したようで、師匠の作風をある程度忠実に守りながら、フランス風な洒脱さを兼ね備えるに至り、特にヴァイオリン・ソナタに関しては非常に優れた作品を多数残しています。
しかし、ほとんど忘れ去られていますよね。私も数年前まで全く知りませんでした。これがなかなかキャッチーな曲を書いていまして、演奏する側も聴く側も優雅に楽しめるので、これから演奏していきたい作曲家の一人です。
たとえばこの曲、作品2の3番の3楽章なのですが、始まりはまさにコレンテ(クーラント)というノリですが、各セクションの後半になると、まるでヴェルサイユ宮殿内でのメヌエットのごとく、なんともわかりやすく優雅なコード進行で泣かせます(実際彼はヴェルサイユ宮殿でこの曲を演奏していると思います)。
フランスのシャンソンや、それに影響を受けた日本の昭和歌謡曲のような感じ(笑)。こういうコテコテな曲があるとは知りませんでした。
この作品2は全体として非常に良くできた作品集なので、ぜひBGMにでもしてみてください。それにしても、なんでこの演奏、ヴァイオリンとチェロだけなのかなあ。ちゃんと通奏低音に数字入っているのですが。なにか歴史的な根拠があるのかもしれません。解説を読んでみたいですね。
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