ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ 大活躍!?
今日は東京で二つのライヴをしてきました。四谷でシャンソン、霞が関でJ-POP。
家内が歌を歌い、私が伴奏に参加。いつもはヴァイオリンを担当するのですが、今日はそのパートをヴィオロンチェロ・ダ・スパッラで演奏いたしました。
ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラで現代のポピュラー音楽を演奏するのは、おそらく世界初でしょう(笑)。
きっと300年前のバッハやホフマンも苦笑していることでしょう。まあ、それが「いい加減な」私のお役目のなのでしょう。まじめな人はやりません。
聴衆の皆さんはもちろん、バンドの錚々たるプロの皆さんも初めて見る楽器です。どんな音がするのかも全くわからないまま、いきなりリハに入りました。
両ライヴともに、ヴォーカル、その他の楽器の皆さんは基本アンプを通しましたが、私は完全生音で参加。どうせ聞こえないだろうと高をくくっていたところ、なんと客席ではよく聞こえるとのこと。
これには私も皆さんも本当に驚きました。つまり、音が届くかどうかは音量ではないのです。
古楽器特有の倍音の豊かな音響が、電気的に増幅された音に紛れることなく、遠くまで届いた、あるいは観客の心に届いたことは、驚きであるとともに、非常に示唆的であるなと感じました。
音の選択と増幅というのは、実は人間の耳が持っている非常に優秀な能力なのです。「耳を澄ます」ですね。
個々のそんな能力を無視して、経済効率のためにただただ大音量化に邁進した音楽業界、楽器業界は、そろそろ破綻の危機を迎えようとしています。
最近は、音楽業界に限らず、小さな箱で少人数相手の場をあえて選ぶ表現者が多くなりましたよね。行き過ぎた大規模化の揺り戻しでしょうし、情報化、趣味の多様化の影響でもあるでしょう。
ようやく本来の(つまり豊かな双方向性を持つ)舞台芸術の形に戻りつつあるのでしょうか。
音楽の世界でも、近代楽器の偏った常識から解放される人たちが今後増えることでしょう。
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