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2023.08.07

ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラの声を聴く〜その4

Th_img_2787 パッラのお話、とりあえず最終回。興味のない方にはなんのことやらの話でゴメンナサイ。

 ただ近い将来、私、旅芸人としてスパッラを背負って全国を回って演奏していくつもりですから、まずは音を聴いてみてくださいな。素晴らしいのですよ〜。

 そう、まず、この楽器の素晴らしいところはですね、小さくてしかも音域が広いということです。旅芸人にはぴったり。歌って踊りながら弾けるのですから。普通のヴァイオリンやチェロでは不可能な芸当です。

 今回はまずは即興でいろいろ弾きながら、楽器自身からいろいろ教えてもらいました。続いて、高倉さんが所有されていたバッハの無伴奏チェロ組曲の手稿のファクシミリをお借りして弾いてみました。

 私、いちおうチェロもなんちゃってで弾きますが、この曲はとても弾けませんでした。しかし、スパッラですとなんとも弾きやすい!(簡単ではないが)。

 スパッラはヴァイオリン・フィンガリングですので、どの組曲の調性でも、一般的なチェロのようなポジション移動はほとんどいりません。さらにあの嫌〜な重音もヴァイオリン・フィンガリングだと実に容易。

 バッハ自身、ヴィオラ奏者でもありましたから、やっぱりこの曲はこういう楽器で弾きながら作曲したに違いありません。確信しました。

 そして、スパッラ5弦、つまり普通のチェロの上にE線が張ってあります。私が普段よく弾く、5弦ヴァイオリンやヴィオラの1オクターヴ下ということになりますね。

 ですので、ヴァイオリンの楽曲をそのまま1オクターヴ下で弾くことができるのです。私の構え方だと、運指も運弓もヴァイオリンと同じですから、難なく可能です。つまり、スパッラの一つの可能性として、メロディー楽器としてですね、ヴァイオリンのレパートリー全てを演奏できるのです!

 この発想はあまりなかったかもしれません。チェロという名前に引かれて、あくまでもチェロのパートを弾くもの、たとえば通奏低音やチェロ協奏曲のソロパートを弾くものと考えがちですが、いやいやそんな狭いものではない。せっかく小さくて、そして肩の上でも弾けるのですから。

 さらにヴィオラの代用も可能です。1オクターヴ下で弾くのはもちろん、音域的には実音で弾くことも全然可能です。

 つまり、この楽器は、ヴァイオリンにもヴィオラにもチェロにもなることができる、最強の楽器なのです!

 さらに今回、私はヴィオラ・ポンポーザ指定のあるいくつかの曲の楽譜を持参して演奏してみました。ヴィオラ・ポンポーザについても、いろいろ言いたいことはあるのですが、まあ簡単に言うと5弦のヴィオラ(やヴァイオリンやチェロ)のことです。

 当時のポンポーザ用の楽譜はほとんどト音記号で書かれています。スパッラで弾くと1オクターヴ下になるということですね。何曲が弾いてみましたが、非常に楽しかった。広い音域が生かされます。

 ということで、スパッラは完璧な楽器です!早く手に入れて全国回りたい!!

 追伸 ヴィオラ・ダ・ガンバのレパートリーも完全に弾けます。そして、ギターのように構えて爪弾くのも最高に粋です!

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