『あの空の花 長岡花火物語』 大林宣彦監督作品
8月になりました。日本の夏。戦争の夏。
今日1日は長岡空襲の日です。昭和20年のあの夜から78年。
長岡では1日は3発だけ無色の花火が上がるそうです。花火大会は2日と3日。
この映画でも通奏低音となっている「爆弾」と「花火」の対比。山下清の「みんなが爆弾なんかつくらないで きれいな花火ばかりつくっていたら、きっと戦争なんて起きなかったんだな」という言葉。
大林作品の中でも、この作品は最高傑作の一つだと思います。独特の表現から好き嫌いが分かれるかもしれませんが、私は対位法的に絡み合って美しく響くストーリーたちと、それをテンポよく伝えるリズムの良さが大好きです。
やっぱり天才ですよ、大林監督。
これぞ映画表現です。映画でなければできない表現。日本映画でなければ伝えられないメッセージ。
元々監督は映画に写実的なリアリズムは求めていませんでしたよね。ファンタジーの中のリアリズムは、日本の伝統的な表現、例えば能や浮世絵のような強力な象徴性を持っています。
今はとても便利な時代になり、劇場に行かずとも家庭でこういう傑作を鑑賞できるようになりました。あまり知られていない作品かもしれませんが、本当に名作だと思います。ぜひご覧いただきたい。
夏はいろいろな意味で切ないですね。その切なさこそ人と自然の美そのものなのでしょう。
まだ戦争には間に合う…まだ◯◯には間に合う。切なさを超える勇気が必要ですね。
Amazon この空の花 長岡花火物語
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