ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラの声を聴く〜その1
今日は一昨日に続き、飯能の高倉匠弦楽器製作工房さんを訪問いたしました。
高倉さんは日本を代表するヴァイオリン製作者であり、世界を代表するヴィオロンチェロ・ダ・スパッラの研究家、製作者であります。
いろいろな方々からお名前は聞いておりましたが、ここ最近ご縁があって懇意にさせていただくようになりました。
スパッラは一般に肩掛けチェロと言われている楽器で、古楽の世界ではここ十年ほどちょっとしたブームになっています。
古楽界の重鎮、師匠の一人であるシギスヴァルト・クイケンが弾いて解説している動画があります。
この楽器の存在についてはちょっとグレーな部分があります。極端なことを言うと、本当に実在したのか微妙なのです。まあ、存在はしただろうけれども、はたして実用されていたのかどうか。
古楽の世界は、ある部分では「歴史的」であろうとしますが、元々そのムーブメントが「正統」クラシック音楽に対するカウンター・カルチャーとして生まれたこともあり、その本質に「挑戦的」「想像的」そして「恣意的」な性質を持っています。
たとえば、当時の絵画から様々な想像をし、それを都合よく解釈し、現代にないモノを「甦らさせる」挑戦を怠りません。40年以上古楽にたずさわってきた者としては、それが面白くもあり、一方では違和感でもありました。
特にオーセンティックを標榜すればするほど、別ジャンルで言うところの「古史古伝」のような胡散臭さが生まれてしまう。極論的には、どう証明するのか、本当にそうだったのか、ついでに言えば弾いている人も聴いている人も全然オーセンティックじゃないじゃないかと(笑)。
で、過去の人たちが上流(未来)に投げたボールをキャッチするのが得意な(?)私は、どういうアプローチで古い音楽や楽器に対するかと言いますと、「楽器から直接学ぶ」「楽譜から直接学ぶ」ようにしているのです(まじめな練習や研究が苦手とも言えますが)。
今回も久しぶり(たぶん10年ぶりくらい)にスパッラに触れることができた私は、高倉さんの興味深いお話を重要なガイドとして、スパッラ自身の「声」を聴くことに専念してみたのです。
そうしましたら、なんと「肩掛け」ではなく、上の写真のごとく「肩乗せ」になってしまったのです!(続く)
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