C.P.E.Bach 『チェロ協奏曲 イ短調』
ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラの可能性を探る毎日です。
今日はバッハ次男の有名なチェロコンチェルトを弾いてみました。この時代になるとチェロという楽器の演奏法もかなり進歩しており、その音域の広さを存分に活用した曲がたくさん作られました。
そんな曲はとても私には弾けないわけですが、スパッラならばE線があるのとヴァイオリン運指なので、普通のチェロで弾くより100倍楽です。
それにしてもこの曲はアヴァンギャルドですよね。まさに疾風怒濤という感じ。バロックから古典派に向かう過渡期、世界史的に言うとマリア・テレジアの時代とかぶります。フランス革命前夜。嵐の予感がしてくる時代です。
そう、なんとなく私の前古典派音楽のイメージはマリア・テレジアなんですよね(笑)。そんなことを思いながら、この曲を弾くと面白いというか、世の中の奥底から「人間性」「人権」「自由」というものが湧き上がってくる感じがするのです。
案外、音楽と歴史(社会)を関連付けない演奏家が多いですよね。まあ、音楽は音楽として独立して存在するとも言えますが、楽器や奏法にこだわるオリジナル主義の人は、やはり歴史的な背景を知っておくべきですよね(私は全くの勉強不足です)。
逆に音楽や絵画、文学や演劇から時代性を読み解くこともできます。それを知ると、逆に作品の現代的意味や未来的意味が見えてくる。そういう体験もたくさんしています。
この前の竹倉さんとのトークショーでも話題に上がりましたが、「知った上でそれを捨てる」ということがとても大切なのです。それは何も知らない自由とは全く違う次元の自由をもたらしますから。
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