危機に瀕する防衛大学校の教育 (等松春夫)
大きな反響を生んだ等松先生の論考。
一通り読みましたが、衝撃を受けるというよりは、まあそうだろうなあという感覚でした。
私も教え子を何人も防大に送り込んできました。彼らから生々しい報告を受けていたということもありますが、それ以上に、普通の中学・高校がいろいろな部分で防大の縮小版であるという事実が、そういう感想を生んだのでしょう。
このブログでも、あるいはテレビやラジオのメディアでも「日本の学校は軍隊文化」ということを何度も主張してきました。最近では、教員の研修に講師として呼ばれることが多いのですが、そういう「現場」でもあえてその話をさせていただいています。
まあ、講師を引き受ける際、こういう話をしますよということを申し上げているので、それでも依頼が来るということは、管理する側もそこに問題意識を持ってくださるように(ようやく)なったのだと思います。それは良いことですね。
管理する側からすると、たしかに軍隊方式は有用です。その中心にあるのは、朱子学等の道徳観を装った多方面にわたるハラスメントなのですが。
もちろん、それが戦後日本の復興に果たしてきた役割の大きさは評価しますし、私自身そういう文化が嫌いではありません。たとえばその文化の象徴的存在である「高校野球」「甲子園(に向かう予選)」の結果に、今日も一喜一憂しました。
しかし、いかんせん、時代が違うのです。
メディアに流れるウクライナの戦争の風景は、たしかに前時代のそれと変わりなく見えます。しかし、その裏の見えざる部分は、いみじくも仲小路彰が予言したとおり、情報戦、高度深層心理戦、細菌兵器戦、経済戦となっています。
日本の一般の学校も同様に大変なアナクロニズムに陥っています。この情報化、多様化の中にあって、いまだ150年前(!)と同じ富国強兵用の教育システムが堅守され、そこはある種のノスタルジーの現場にさえなっています。
日本の国力が下がっているとするならば、その原因のほとんどはそうした教育システムにあると考えています。
皆さんもぜひ、この等松先生の論考を、防大に固有の問題としてではなく、日本の教育システム、自らが通った学校、自らの子どもを通わせている学校の問題として読んでみてください。
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