焼津千手大観音(大覺寺全珠院)
今日は母と生まれ故郷の焼津へ。いろいろと偶然(必然)が重なり面白い一日となりました。
祖父母の墓参りをして、次の用事まで少し時間があったため、すぐ近くの大覺寺全珠院へ。
2ヶ月ほど前に私は参拝していましたが、母は初めて…かと思ったら、どうも四半世紀ほど前、この千手観音を刻んだことがあるとのこと。
なんでも、この大観音の制作にあたって、多くの人の願いをこめる意味でしょう、選ばれた人たちが集まってノミをふるったらしいのです。
しかしその後完成した観音像を拝む機会はなかった。全く計画していなかったのですが、今日、拝観が叶ったのでありました。
私もそんなご縁があったとは知りませんでした。
非常に立派な千手観音像です。日本一の大きさだとのこと。
昭和の一時期にはやった屋外の巨大観音像とは違い、現代の仏師によって伝統的な技法で作られたもの。おそらくはこれから数千年にわたって衆生を救い続けてくださることでしょう。
そうした長い未来を考えるとたしかに「新しい」わけで、それが奈良・平安の「古い」仏像に風雅を感じる私たちにとっては、ある種の違和感を抱かせるかもしれません。
しかし少し考えればわかるとおり、いわゆる「古い」文化財もかつては「新しい」ものでした。そしてそれが最も崇高な存在であったとも言えます。
そういう気持ちで拝顔すれば、おのずと有難みも感じられるものです。
現在、光背の制作を計画中ということで、現代的お布施であるクラウドファンディングも行われています。
意外な場所にある知られざる素晴らしい仏像の一つではないでしょうか。
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