『中学生からのイスラム教入門』 大久保幸次・笠間杲雄
今日はイスラム教のお話。
今日は山梨県庁で教育関係のミーティングに参加したのですが、担当者の方がなんとイスラム哲学に詳しく驚きました。井筒俊彦先生の話で盛り上がるとは…。
なぜなら、日本のイスラム学の源流には仲小路彰がいるからです。彼は1922年(大正11年)の学生時代にムハンマド伝「砂漠の光」を刊行しています。井筒先生はその系譜の上にいるのです。
現代日本人にとってはキリスト教に比べてやや縁遠い感のあるイスラム教ですが、戦前、戦中は案外身近な存在でした。
そのイスラム研究の中心にいたのが著者の大久保幸次。昭和13年でしょうか、回教圏研究所を創設し所長を務めました。
大東亜共栄圏構想のもと、すなわち欧米植民地主義に対抗するため、アジア進出を目指す日本は、必然的に回教圏との関係を深めねばなりませんでした。
そしてまた、その欧米植民地主義がキリスト教の名の下に暴虐の限りを尽くしていたため、その対抗軸としてのイスラム教という視点があったのも事実です。
回教圏研究所には、頭山満、大川周明、さらには曹洞宗(駒澤大学)、間接的には出口王仁三郎や仲小路彰も関係していると言ってよい。大変興味深いところであり、これからの私の研究テーマでもあります。
さて、そんな回教圏研究所所長が書いた入門書がとても良いのです。まさに日本人にとっての入門書としては最高のものでしょう。
私にとってはそれこそ聖典と言える本です。こうしてネットで無料でネットで読めるのですから、いい時代になりましたね。
Amazon 中学生からのイスラム教入門
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