« 『修行僧の一年: 禅修行体験記』 上田光淳 | トップページ | 『中学生からのイスラム教入門』 大久保幸次・笠間杲雄 »

2023.06.22

バッハ カンタータ103番『汝らは泣き叫び』

 

 日はキリスト教のお話。

 昨日のことも含めてちょっと皮肉を言いますと、キリストの復活というテーマこそ「怪しい」ですよね。

 それをおそらく総計千億か兆単位の人たちが信じ、歴史を動かしてきた(人の命もたくさん奪ってきた)わけで、怒られるのを前提にはっきり言うなら、キリスト教は史上最大のカルトであると言ってもよい。

 逆にそのカルトがカルトではなくカルチャーになったのは、これは神の力ではなく人間の力そのものであると思います。

 そのカルチャーの最たるものの一つがバッハの音楽でしょう。

 このカンタータはイエスの受難と復活を対比的に描いた名作です。

 悲しみ(受難)の象徴としての前半のロ短調、そしてフラウト・ピッコロ(ディスカウント・リコーダー)、喜び(復活)の象徴としての後半のニ長調、そしてトランペット。

 これぞキリスト教的なカタルシスであり、魅力そのものでしょう。逆転サヨナラ満塁ホームランみたいな。

 そうか、そう考えると、昨日の禅の修行にも通じるところあるのかな。あれも強制的カタルシス体験ですからね。

 この曲の冒頭合唱については、以前実は一度書いています。それも参照してください。

 バッハ 『カンタータ103番』より

|

« 『修行僧の一年: 禅修行体験記』 上田光淳 | トップページ | 『中学生からのイスラム教入門』 大久保幸次・笠間杲雄 »

音楽」カテゴリの記事

歴史・宗教」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 『修行僧の一年: 禅修行体験記』 上田光淳 | トップページ | 『中学生からのイスラム教入門』 大久保幸次・笠間杲雄 »