フランスでM5.8
珍しい。フランスは地震がほとんどない国です。
ですからこの程度の地震でも災害レベルの被害が出てしまいました。
発表ではM5.8。震源はフランス西海岸。M5規模は2019年以来でしょうか。
日本ではしょっちゅう起きている規模の地震ですね。ちなみに地震の多かった5月、国内のM5以上の地震は25回。フランスの方からすると信じられない国ということになるでしょう。
フランスでも被害のあったヨーロッパの大地震と言えば、1755年の「リスボン地震」ですね。以前、こちらに少し書きましたが、東日本大震災に匹敵するM9の超巨大地震です。津波も発生して6万人の方が亡くなりました。
フランス革命の原点はこの地震であったとも言われているほど大きな影響を与えました。ある意味近代ヨーロッパはここから始まったと言ってもよい。政治、経済、科学、哲学、宗教、芸術にも大きな変化を促しました。
その近代化の中で、皮肉とも言える矛盾も生じています。ちょうどリスボン地震の頃に発生したと思われる童話「三匹の子豚」。皆さんよくご存知ですよね。
あそこでは狼の吹く大風という設定になっていますが、あれは地震も含めた自然災害を象徴しているものと思われます。そして、それに対抗できたのは、藁でも木でもなくレンガでしたね。
しかし、関東大震災で銀座煉瓦街が壊滅したのを見るまでもなく、レンガは地震には非常に弱いのです。藁はどうか分かりませんが(ある意味被害は少ないかも)、木造建築が地震に圧倒的に強いのは1000年以上前の寺社仏閣を見ればわかりますね。
そうヨーロッパは、リスボン地震のあと免震や造替の発想とは反対に、より頑強な建築物を作る方向に進んだのです(もちろん木材が少ないという理由もありますが)。
話がだいぶそれてしまいました。フランスでの地震、おそらくこれ以上に大きな規模の地震は発生しないと思われますが、余震は続くかもしれません。被害の広がらないことを祈ります。
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