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2023.06.01

バーバラ・ディナーリン 「トッカータとフーガによる即興曲」

 

 日のマクブライドが演奏していたウォールストリートのトリニティ教会。ジャズの演奏も多く行われていますし、古典的な宗教作品も演奏されます。また、それらの融合された音楽も無数に生み出されています。

 さすがニューヨーク。様々な境界線を超えていきます。

 そんな中で、私が特に感動したのか、この演奏。ドイツ出身のジャズ・オルガニスト、バーバラ・ディナーリンによる即興曲。

 思えば、私が東西の古楽とジャズの融合を「宴会芸」として実現(?)していた頃、同い年の彼女はこういう形で表現していたわけです(笑)。

 ペダルを使えるジャズ・オルガニストは結構珍しいのではないでしょうか。当然バッハなどのオルガン曲も演奏できるのですが、若い頃からあまりそちらには興味がわかず、もっぱら即興演奏で音楽を学んでいったようです。

 たしかにバッハ自身も現代に生まれてパイプオルガンを演奏する機会があったなら、こういうタイプの音楽をやっていたかもしれませんね。

 いや、ちょっとパラドックスになりますけれど、純粋な和声音楽はバッハの対位法で完成し、その後の作曲家はそこからの脱却の結果でしたから、やっぱりバッハはあの時代に生まれないといけなかったのでしょう。

 ですから正しくは、バッハの寿命が300歳を超えていたら、20世紀にはこういう演奏をしたかもしれないということですね。

 それにしても美しく、カッコいい。

 私、どこかの教会のパイプオルガンで即興演奏する夢をよく見るんですが、たしかこういう感じの曲を弾いていたような(現実には弾けないのに夢では弾けている)。

 すごく気持ちいいんですよ。またあの夢見たいなあ。

 ディナーリンのバッハ、こっちのバージョンもぜひ。カッコいい〜。

 

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