『プルーフ・オブ・マイ・ライフ』 ジョン・マッデン監督作品
数学者ネタが続きます。
天才数学者とその娘の狂気と歓喜と苦悩を描いた映画作品。
地味ですが、なかなかいい映画です。
天才ならではの閃きの歓び、そしてその能力が衰えたり突如枯れたりする不安との闘い。
これは数学に限らず、たとえば作曲家なんかもそうですよね。
この映画では、アンソニー・ホプキンス演じる天才数学者が加齢とともにその閃きを失い、心と体が壊れていく様子が描かれ、そしてその遺伝子を継いだ娘もまたその天才性のために壊れていくお話です。
それだけでは全く救いがないわけですが、その父娘の才能に…いや才能も含めた二人の「人間」を愛する男性によって救いの光が差す、すなわち「人生を通じて人生の意味を証明していく」ことになるというストーリーです。
そういう意味では、その第三者である男性(ハル)が主人公なのかもしれません。天才ではない彼こそがキーパーソンなのです。
ラマヌジャンも若くして亡くなってしまったし、ペレルマンも失踪してしまった。その他のジャンルの天才たちも多くが夭逝しています。
もしかすると、彼らにはハルのような人がいなかったのかもしれません。そう考えると、一見天才ではないハルこそ、実は天才的な愛の持ち主だったのかもしれませんね。
私は天才に憧れを抱く時もありましたが、今では凡俗で良かったとつくづく思いますね。
天才的な閃きとは、まさに未来から降ってくる情報をキャッチすることなのであり、この前も書いたように、それはたとえばAIには不可能なことです。
同様に、天才的な愛もまた未来からやってくるのであり、AIにはそれを知るすべすらありません。私はそれをキャッチできる人間になりたいと思いました。
Amazon プルーフ・オブ・マイ・ライフ
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