イエス 『ミラー・トゥ・ザ・スカイ』
本日発売になった、プログレッシブ・ロックのレジェンド、イエスの23作目のアルバム。
現代の音楽シーンの中では、なんとも懐かしい感じでもありつつ、一方で逆に新しく感じるからも面白いですね。
1960年代後半にイギリスで生まれたプログレ。私も若い頃に多大な影響を受けましたが、最近はあまり聞いていませんでした。
もともとロックやブルースやジャズになりきれない田舎貴族の(失礼)イギリスらしく、ある種の芸術性をロックに導入して生まれたジャンルですよね。
そういう意味では、ビートルズも十分にプログレだったと思いますが、やはりイエスはその道を極めた、いや今でも極めようとしている存在ですよね。
このニューアルバムも、もうなんかロックと言っていいのかわからないくらい洗練されてしまっています。
もちろんそれは悪いことではありません。お行儀の良いロックというのがあっても良い。
プログレの命たる転調や変拍子さえも、ある意味美しい様式として安心安全のイメージとなっていますね。
これはもうロックというより、クラシックなのかもしれません。実際、濃厚なストリングスが奏でるカウンター・メロディーは、クラシックか、まあ映画音楽のような「壮大さ」を感じさせるに至っています。
録音技術が上がり、さまざまな「濁り」が消え去ったことも、ロック色が薄まる理由ですよね。そして、もちろん彼らが熟練していることも関係していますでしょう。
しかし総じて、私はこのアルバムの楽曲は好きです。完成度の高さも相まって、新鮮な「透明感」に溢れているからです。それをロック、プログレッシヴと呼べるのかどうかは、私にはわかりません。
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